master piece21 | 1年だけ先輩。(基本お山)

1年だけ先輩。(基本お山)

やま。いちご。そうぶせん。

理解した方だけしか読まないでください(笑)
ごにんに心奪われ続け、眠る身体も起き出す状態です。

脳内妄想を吐き出す場として利用しようかなと思ってます。
ご気分害されたらごめんなさい。
※主軸は21です!

※妄想のお話です。

 

21という数字を見るとニヤッとしてしまうチョロヲタです。

ていうか今日だよね…?

山担の死亡日は。(物騒)

『二人流しそうめん!』とかストーリーでマウントとっちゃう位浮かれてる櫻井さん以上に浮かれてるんですが。

それは置いといて(置くのか)

Whenever you callはえげつなかった。

鳥肌すごい。

でも英語の曲が出る度思うこと。

あぁ、大野さんきっと櫻井さんに「翔ちゃんこれカタカナふってぇ~」とか言ってんだろうなぁ…。

「どう兄さん?覚えた?」「全然。もう、早くって。口回んねぇよ。」「カッカッカッカw」

と脳内の山が笑い合っています(困る)(最高)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

…というわけで深夜に謎の写生大会。

 

え、何これ?

 

何で俺ら向き合ってお互いの顔描いてんの??

 

でも、こんな絵を描ける人が俺の似顔絵描いてくれたらどうなるんだろう…。

 

智くんの瞳が、俺をじっと見つめてる。

 

俺は智くんと目が合ってしまわないように、智くんが描いている合間に盗み見る。

 

…可愛い、とか思うの、気持ち悪いかな。

 

けど、男か女か…たまに性別を見失ってしまう時がある。

 

俺もよく「女の子みたい」と言われて育ったが、智くんの無性別な感じとはまた違う気がする。

 

何て言えばいいんだろう。

 

男でも女でもなくて、そもそも性別がない、みたいな。

 

意味わかんねぇな、でもそれが一番俺の中で腑に落ちる。

 

他の人間とは違う圧倒的な何かから目が離せない。

 

普段の幼くあどけない笑顔と、こういう真剣な時の大人びたギャップもすごい。

 

中身だってそうだ。

 

無邪気で言いたいことぽんぽん言ってしまうくせに、肝心なことは言ってくれない。

 

何も考えてないんじゃないかと思う時が多々あるのに、その一言は大きく人の心を酷く揺さぶる。

 

大野智という人間が…掴めない。

 

知りたい、と思うのはそのせいだろうか。

 

それとも、この人自身の持つ魅力…みたいなもんなんだろうか。

 

 

シャシャ…と真っ白な紙の上を智くんの鉛筆が滑っている。

 

ワクワクと、ドキドキ。

 

それと…自分の手元を見て大きな不安。

 

俺…コレ見せんの?

 

絵を生業(?)としてるような人に??

 

「出来た?」

 

「…あの…いやまぁ…うん…」

 

出来たといえば出来たになるんだろうけど。

 

何なら一生出来る気もしないんだけど。

 

「んじゃせーので見せよ。せーの!」

 

覚悟も出来ぬままくるりと回して智くんに見せる。

 

同様に智くんも…

 

「って何このマッチョな黒人!?!??

 

どう見ても俺じゃねぇし!!!!

 

でも異様に上手い!!!!

 

「んふふ。いーでしょ?先生見たら浮かんだの。いんすぴれえしょんってやつ。」

 

智くんてもしかしてカタカナ苦手?

 

なんかすごい言いにくそうで…小さい子みたい。

 

ぴ、とかすごい破裂音だし。

 

つか、俺見たら黒人浮かぶとか何だその独特すぎる感性は?

 

よく見たらキャップに翔って文字。

 

多分俺に繋がんのそれだけ。

 

俺見てた意味、なさすぎない?

 

通りで目があんま合わないと思ったわ!

 

でも…タッチ?ってやつ?

 

すごい丁寧で、繊細で、こんな大胆な絵に仕上がってて。

 

何も見ず(俺しか見ず)これ描くとか…やっぱすげぇんだと思う。

 

「いや~…すごいわ。やっぱプロなんだね。」

 

プロじゃねぇって、と智くんが笑う。

 

まじまじ見たらこれが芸術的なセンスなんだろうなって思えてきて。

 

だって全く似てないけど上手いんだもん。

 

見たものを描こうとする一般的な感覚とはまるで違う。

 

「ん~…先生の絵、マジでおもれぇな。」

 

智くんが笑うことなく俺の絵を真剣にまじまじと見ている。

 

ぐっ…せめて笑ってくれればよかったのに…。

 

「苦手なんだよ、絵は…」

 

「いや~。思ってた以上に子どもが描いたみたいな絵だったわ。いや子どものがそれっぽく描くな。」

 

智くう~~~~~~ん

 

オブラートというものを学んでください~~~~~~。

 

ていうかそこ笑ってくれた方がまだいいんだけど何でそんな真顔でグサグサ刺しにくんだよ~~~!?!

 

「だから下手だって言っただろ!」

 

くっそ、わかってんだよ!

 

完璧なはずの俺は絵と運動が苦手。

 

仕方ねぇじゃん!

 

こういうのは生まれ持ったセンスが大事なんだから!!

 

「下手じゃないよ。線とか丁寧だし。ほら、この直角とかすごい上手だもん。」

 

直角褒められるって何。

 

いや人の顔描くのに直角がある俺の絵がおかしいんだろうけど。

 

「んふふ…いんだよ。上手い下手は人それぞれ。おいらは面白いって思ってんだから、それでいいじゃん。ね?」

 

…そういう、もんか?

 

まぁ、俺の本や歌詞だって全員に好まれるわけではないわけだけど。

 

にしても子ども以下ってさぁ…。

 

「ほんでさぁ、おいらが言いたかったんは、先生のってコレみたいなもんじゃねぇのかなってこと。」

 

コレって…絵?

 

先生の…って、仕事の話?

 

………あぁっ、さっきの続きね?

 

接続詞、使い方おかしくね?

 

脈絡なくね?

 

とか思いつつ手渡された紙をまじまじと見る。

 

「やんのはパソコンかもしんないけど、こういう真っ白な紙に書いてく仕事。」

 

そりゃ、そうだろうけど。

 

「先生も、『何もない』ところから生み出す人なんじゃないの?」

 

「……」

 

確かに。

 

智くんが命を込める。

 

俺がキーボードを叩いて物語を組み立てる。

 

世界を作り上げる。

 

その両方が

 

『何もない』ところから始まる。

 

『真っ白』から始まる。

 

「ほんで、この絵。おいらは先生見てこんな絵描いた。これ全然先生じゃねぇだろ?」

 

答えに少し迷ってから正直に頷く。

 

「おいらはこれを失敗とか不正解なんて思ってない。先生の絵もおもれぇし。でもじゃぁ、正解って何だと思う?ピッタリ似せること?そんなら写真でよくね?」

 

…そう言われてみれば。

 

正解、って何だろう?

 

絵にしても…小説や歌にしても。

 

何かに似せたりお手本通りなのは、果たして正解と言えるのだろうか。

 

智くんはさっき『子どもの方がそれっぽく描く』と言った。

 

決して『上手い』だの『下手』だのは言わなかった。

 

「けど、この紙に最初っから色だけ塗ってあったらどう?それに合わせて絵描くだろ?そしたらおいらも先生も一緒の絵になる。」

 

…いやそれは賛同しかねるが

 

けど、言いたいことはわかる。

 

間違いなくその色に合わせて輪郭や顔の位置、髪などが作られるわけで。

 

そしたら確実に今の俺の絵と智くんの絵は近くなるだろう。近く、な

 

「先生が何に怯えてんのかわかんねぇけどさぁ」

 

智くんが優しく笑う。

 

「先生は元から『自由』なんだよ。だから色なんて要らないの。『透明』なんて一番自由だぜぇ?周りの目ぇ気にして、何かに無理矢理染まるとか、誰かのマネするなんてめんどいじゃん。先生は先生のままでいーんだよ。

『残念で』『ちょっと抜けてて』『色々出来ない』櫻井翔!これが今の先生なの。おいらはそんな先生が好きだよ。自称『えりーと』よかよっぽどな。」

 

笑いながら、後ろを向きふわあああ、と大きなあくびをする智くん。

 

 

嗚呼。

 

この人は、どうしてこうも大きい背中をしているんだろう。(ものすごいディスってきたけど。←)

 

俺は周りの意見を、ファンの声を、世間の目を…気にして生きてきた。

 

小説では、自分で作ったストーリーを捻じ曲げて。

 

作詞では、無理矢理それっぽいものを詰め込んで。

 

自分の思い描く世界は売れないからって、偽って溶け込ませて…。

 

おかげで大ヒットしたけど、それが俺にとって唯一の虚しいステータスだった。

 

松本の言った『空っぽ』は、多分そういうこと。

 

だけど

 

夢の中でこの人が言った『透明』は

 

きっと何よりの誉め言葉。

 

彼が一番大事にしているもの。

 

アイデンティティ──『自分らしさ』、みたいなもの。

 

 

窓の外に目をやり星空の様子を伺う智くんは、とても未成年には見えない。

 

無遠慮な言葉はまさに透明なもので、するりと俺の心に浸透していく。

 

結構ズバズバ言うのに、決して嫌味じゃないんだ。

 

偉ぶってないからかな。

 

ひとつひとつが、俺のことを想っての彼の本心…って感じるのは俺の自惚れだろうか。

 

「…ありがとう。」

 

智くんは返事の代わりに柔らかく笑っただけだった。

 

 

 

 

2階から降りて。

 

改めて並んで寝たら、またあの夢を見た。

 

 

二宮和也に「落ちますよ?」と言われ地面が崩れていく

 

スッと重力に身体が負けたかと思うと、智くんが現れる

 

彼の笑顔につられるように、ふわりと浮かぶ俺の身体

 

助けてくれ、と言うと、光で見えない智くんは無理だと言う

 

「だって先生、『何もない』んだもん。」

 

ハッとして腕を見ると、やっぱり自分の腕はない

 

「……ッ」

 

テンパる直前

 

ふと智くんの言葉が浮かんだ

 

 

──先生は元から『自由』なんだよ。だから色なんて要らないの。

 

 

そうだ

 

そうだよ

 

俺は色なんていらない

 

何もないことが強みなんだ

 

だから俺は、何にだってなれるんだ

 

どこにだって行けるんだ

 

だって、それは

 

他でもないあなたが教えてくれたから

 

「…そう、だよ…」

 

智くんが何も言わずに俺の続きを待つ

 

「色がなくて…空っぽで……これが…何もないのが、透明なのが『俺』なんだ…っ!!」

 

ないはずの腕を光に向かって思いきり伸ばす

 

すると突然身体が浮かび上がって、智くんの腕に優しく抱きしめられる

 

どこか潮の匂いがするその身体は、妙に華奢で夢の中なのにドキッとする

 

「やっと気付いたか。おいらはそんな先生が好きだよ。」

 

好きだよ、という一言にぎゅうっと心臓が掴まれる

 

智くんはいつものようにんふふ、と笑って

 

それで何故か

 

「…おいらも透明だったら良かったのに。」

 

そう呟いて、俺をそっと押し出す

 

俺の身体はさっきの智くんのように光に向かって浮いているけど、

 

智くんだけゆっくり闇の中に落ちていく

 

「さとっ…」

 

慌てて手を伸ばすけど、俺の腕は透明だから掴めない

 

藻掻いても、さっきに反して決して沈まない身体

 

 

「先生のこと大好きだよ。だから、ばいばい。」

 

 

智くんは、優しく微笑むと、一筋涙を流す

 

その涙は今まで見たどんな宝石よりも輝いてみえたけど

 

胸が締め付けられる程、悲しい『漆黒』の色をしていた。

 

 

私恒例、突然重くなる感じでごめんなさい。(笑)

黒い涙って中二病っぽくて好き←?