※妄想のお話です。
⚠️本日2投目です!
個人的に、ですけど
tiktokの件は、私は
(´・∀・`)「皆ほんと俺のこと好きだなっ」案件でした。
大野さんが好きすぎる四人(しかも一人は安定の加わらず見守る)の図でとてもニマニマしました♡
友達に言われるまで争いに気付かなかったよ!(笑)
大丈夫だよ。
ちゃんと「大野智のことなら何でも聞いてください」と公言できてしまうストッパーがいるから。
本人が爆発する前にスっと身を引けるニコイチの心友がいるから。
本人がダメなときは、必ず本人よりも先に気付いて止めてくれるよ。
だから心配せず、悲しくならず、楽しい五人を信じて純粋に楽しもう!!
とだけ遺言のように個人的想いを残しておきます!(笑)
し、死ぬかと思った。
結構ガチで死ぬかと思った。
マサキ左運転したことないって言うんだもん!
おいら免許持ってないから代われるわけもなく…
人様(波多野先生)の外車を勝手に運転して帰ってきた、ってわけ。
んもう、怖すぎだよ!!
昨日の初潜入の前より緊張したんだけど!!
「じゃーサトちゃん…早速だけどそこの裏口からこっそり出て2階の窓から入ってくれる?」
マサキがピ、と外車の電源を切る。
「え、何で?」
時間は11時。
波多野さんの家の駐車場に着いたばかりだし、待ち合わせは一時間後なのに。
「病院から尾行されてるからだよ~!」
「ええっ!?」
し、知らなかった…!
だからおいら、助手席じゃなくて後部座席に乗らされてたんだ!!
後ろは黒塗りだから普通に座ってたけど…。
病院からおいらも乗ってたら怪しいもんね。
「…尾行されてたのにあんな荒い運転でよかったの?」
「いいんだよ~、こんな高級車ビクビク運転してるより慣れてる感じでしょ!」
そ、そういうもんなんだ…。
マサキが車を慣れた様子で降りるから、おいらも降りてバタンって閉める。
車庫はボタン式で開閉するやつ。
今は閉じていて外から見えないようになっている。
高級車は乗り降りの際に狙われることもあるから、いちいち車停めたらすぐ車庫を閉じるらしい。
どうせ自分が出るためにすぐ開けるのに…でも今回はそれに助かってる。(おいらが車から降りるとこ見られたらまずいからね)
2階の窓へは、車庫の裏口から家の裏手に回ってこっそり登る、てことだけど。
白昼堂々大丈夫なのかなぁ…。
「普通に鍵開けて入っちゃダメなの?」
「そのつもりだったんだけど…ホラ。」
スマホに映し出されたのは、玄関に設置された監視カメラの映像…?
『ごめんね智くん、ここに顔認証システムがあって、本人以外が鍵使って開けようとすると通報になるみたい。ギリギリまでその抜け穴がないか探ってたけど見つからなくて…
ってマサキ!昨日お前と智くん一緒に泊まったから説明しとけっつったろーが!!緊張してたから休ませるために音声切るとか言うから俺は喋りたいの我慢して…!』
確かに昨日は不審に思われないようにマサキと泊まったんだけど…。
「ごっめ~ん!昨日は…ぐっすり(笑)だってサトちゃんすんごい甘くてい~匂いなんだもん♡やらかいし!」
『てぇんめっ…!!!そ、そ、添い寝っ…!俺あんだけ忠告っ…!!』
「あ~~~もう、今はいいから!!おいらは何?今から二階の窓から入ればいいの!?」
一応侵入経路の、しゅ……し、しみゅれえしょんはできてる。
とは言えおいらはてっきり何かあった時に忍び込むとか、車をスムーズにゲットできなくて時間なくなっちゃった時とか、そういう時のために二階の窓からの侵入経路を渡されたんだと思ってたから…全然覚悟できてないけど。
「そーそー!そんで俺がピンポン押したらちゃんと出迎えてね!信じてるよ、お猿さん!」
マサキはメインの波多野先生役だし、おいらが家で待っている恋人と考えればそれは至極自然なことだもんね。
それなら『本人以外が外から鍵を開ける』というラインには引っかからないから、アラートも作動しないだろう。
「…猿…か。」
カズはおいらの動きを見て猿を見つけた、と言った。
だからおいらが潜入捜査させられてるってわけだ。
…自分の役割は一応分かってたんだけど、まさかこのタイミングとは。
誰かと戦うとかじゃなくて良かったけど…。
「じゃぁ、よろしく!時間かかると不自然だから普通に玄関行くからね!よぉーい、スタート!」
「ちょっ」
マサキは躊躇いもなくピッと車庫のボタンを押す。
人の出入りするスペースからゆっくりと光が差し込むから、慌てて車庫の裏口へ走る。
因みに、この家の裏口には外から開ける鍵はない。
だから2階の窓へ向かうしかないわけで…
『智くん、そのまま真っ直ぐ上見て!』
GPSで見張ってくれている翔ちゃんの声に上を向くと、本当だ!
確かに少しだけ開いている窓がある。
波多野先生に懐いている小鳥の為にいつも開けておくらしい。
垂直の壁。
足をかける場所は僅か。
勿論命綱なんてないから、落ちたら怪我は必須だし誰かに気付かれたらそこで全てが水の泡。
『…無理だけはしないで。智くんが無理なら後日他の手考えるから…!』
怖くないと言ったら嘘だ。
だけど。
マサキがゆっくり開く車庫の扉から『普通のスピード』で玄関へ向かい、チャイムを鳴らすまであとどれ位?
翔ちゃんの…皆の家族をめちゃくちゃにしたタカヤマが、おいらのミスでまた何人の幸せを奪う?
大切な人が急に居なくなる辛さと絶望を
おいらはよーく知っている。
……やるしかねぇだろッ!!!
思い切りジャンプして、1センチ程しかないハリに手をかけた。
ぶわりと浮く身体。
内蔵が浮く感覚にひゅっと息を飲む。
一瞬手が離れ、すぐに足でキックして上へ飛ぶ。
2階の窓の枠に指がかかる。
ブラン、重い身体は重力に身を委ねている。
あと何秒ある?
そんなこと考えてる間に、下の方から人の話し声。
ドクン。
隣の家の人だ。
やばい、見つかると通報されちゃう…!
指懸垂で身体をそっと上げる。
音を立てないように、そっと。だけど素早く。
「おーい、スコップどこやったんだよォ」
「ですから、この前ガーデニングの時に倉庫にしまって…」
隣人のおじいさん。
斜め上を見られた瞬間終わる。
ごくりと生唾を飲み込み、そっと窓を開ける。
斜めに開くタイプの窓が、キィ、と鳴る。
バクバク、心臓の音と手汗が気になって仕方ない。
窓の隙間は僅か。
だけどこれ位なら、おいらの身体なら──
「ねぇ~それよりお天気大丈夫かしら?」
天気を見る、すなわち…
空を見上げてしまう!
「……!」
「どうかな…ん?」
おじいさんが上を見た瞬間。
おいらは家の中に身体を滑り込ませた。
「どうしたの、あなた?」
「いや、鳥か何かかな。一瞬なにか通ったのかと思ったけど。」
「車の音してたから波多野先生帰ってきたんじゃないの?…あらやだ、ここにスコップあるじゃないですか!」
「おお…すまんすまん。」
「んもう、しっかりしてくださいよ!この前から夜中変な影見たとか言って本当に…。」
はあぁぁぁ…。
バクバクうるさい心臓に右手を当て、しゃがみこんで大きく息をつくとチャイムの音がひとつ。
やっべ!
階段の手すりに片手を着いて飛び降り、すかさず玄関へと移動する。
そして…
「ただいま、ハニー♡」
「お帰り、ダーリン!」
息を整えてそう言うと、にっこり笑うマサキに抱きしめられる。
その時チラッと外に見えたのは…
「(ミヤタさん…!)」
こっそり呟くと、マサキがクスリと笑う。
「(やーっぱ見てた。趣味悪いねぇ。)さ、入ろっか!俺お腹空いちゃった!」
「う、うん。お仕事お疲れ様!」
ガチャリと閉まり外の世界は閉ざされる。
その瞬間、
『智くんから離れただろうな、マサキ!?』
「え~やだなーショウちゃんまで趣味悪い~。別にいーじゃん!サトちゃんちょ~やわらかいんだもん!」
『お前マジでいい加減にしろよ!?!』
「きゃはは!ショウちゃんめーちゃこわ~~~い!」
2人の小競り合いを他所に、今度こそ深くしゃがみ込む。
はぁ~。
疲れた…。