「遅いよ。」6/17(AN&山)7 | 1年だけ先輩。(基本お山)

1年だけ先輩。(基本お山)

やま。いちご。そうぶせん。

理解した方だけしか読まないでください(笑)
ごにんに心奪われ続け、眠る身体も起き出す状態です。

脳内妄想を吐き出す場として利用しようかなと思ってます。
ご気分害されたらごめんなさい。
※主軸は21です!

※妄想のお話です。

新潟地震…大丈夫でしょうか?(;A;)
最近の地震の多さ、怖いですね。。
どうか皆様少しでも心穏やかに過ごせますように…。

1話分で書いたつもりが何度やっても文字数ひっかかるので2回に分けます。














「ほら、お前らの人生の伴侶が首を長くして待っとるぞ。早く開けてその馬子にも衣装な姿見せてやれ。」


…ほんっと、一言余計。


でも…確かにソワソワしてそう。


2人で笑って頷き合い、ギッ、と軋む音の扉を捻り左右に開けば。


飛び込んでくるのは、突き抜けるような真っ青な空。


と。



「「「「「おめでとーーー!」」」」」



…………思ってたよりずっと多い、声。



「…嘘でしょ?」



青をバックに、ふわりとカラフルな花びらのシャワーが舞う。


レッドカーペットにそって列をなしている顔ぶれに、ただただ目を丸くする。


何…何でいるの?



「松本さ…何でここに…」


1番手前に松本さん。


智が気まずそうにじいちゃんの影に隠れる。


ああ、そうか、智は……。


「…二宮が結婚するっつーから。風間に告白しに来たついでに、お前のことも祝いに来た。」


照れた言い方に、「えっ」と先に驚きの声を上げたのは智の方。


え、マジ?


ようやく…言う決心ついたの?


「…い、いつ?」


「…さっき、お前ら待ってる間…。」


「風間の返事は…?」


「……お陰様で……。」


松本さんが恥ずかしそうに口元を手で覆う。


「うそお、松本さん!風間と?!おめでとうっ!!良かったね!!!」


智が嬉しそうにはしゃぐ。


「…え、あ、うん?ありがとう…?」


「んふふ!風間を幸せにしてあげてね!でも、優しくしてあげてよね!」


「あ、え、ハイ…。」


松本さんは智のこと認識してないけど…智は乗り越えてるみたい。


良かった。


きっとこれも、櫻井さんのおかげだろう。


多分…松本さんも含めて、皆で仲良くなれる。


何でかわかんないけど、何となくそんな気がした。



「鳴海先生!サトさん!お久しぶりです!」


智が嬉しそうに声を上げる。


「智…本当によかったな、本当に…!」


「綺麗でかっこいいわよ、おめでとう。」


「おめえとぉ、ぱちぱちぱちー!」


優しい笑顔のご夫婦は、小さい子どもを2人連れている。


普段は嫌いな子どもだけど、こんな時ばかりは愛おしく見えるんだから不思議だ。


入れ替わりがなくなってから、智の担任になってくれてたんだもんな。


本当に…この人は恩師だ。


勝手に思ってるだけだけど。


「…二宮。3年前に来た君がまさか、智の中に居たなんてな。」


「…えっ…」


鳴海先生に急に話しかけられ、驚く。


「聞いたよ、翔から。信じられなかったけど…納得したんだ。1年の通信簿見たけど、智だけじゃあの点数は結構…かなり…な?」


鳴海先生が苦笑し、智がエヘ、と舌を出す。


どんだけ馬鹿だったんだよ、お前は。


「ありがとう。教えた期間は二学期だけだから僅かだけど…間違いなく二宮は俺の生徒だった。智を…相葉を。変えてくれて、ありがとう。」


鳴海先生がそんなことを言うもんだから、溜めていた涙がボロリと落ちる。


そうか。


分かってて、さっきはゆっくりしろだなんて言ったんだ…。


ちゃんと俺を、分かっててくれたんだ…。


「先生、ありがとうございました…!」


頭を下げると、肩をぽんぽんと労わるように叩かれた。



「「おめでとう!」」


「…って、え、先輩?!」


智を好きでいじめてた先輩二人まで!


「あ、え、そう…だけど…」


「大野の…友達?」


あ、そっか、俺の姿でわかるわけないか。


「んふふ、写真ありがとうございました。」


「いや、別に…大野の為なら…じゃなくて、暇だったしたまたまあったしな!」


「そうだよ、顔寄せあって車で寝てる画像は保護して印刷していつも持ち歩いてなんていないんだからな!」


…そういうこと。


智が知らないはずの絵をかけたのは、少しずつ周りから写真を集めてたのか。


智の携帯は事故で壊れたけど、相葉ちゃんや風間、先輩達の携帯は壊れてないからデータはあったんだな。


「…おめでとう。別に、悲しくなんて…ぐすっ…」


「お、俺だって失恋なんてそんな…!」


ぐすぐす泣き始める先輩達に、智はよく分からないといった顔で首をかしげている。


まぁ、そうだよな。


「よくわかんないけどありがとうございます!」


「…俺からも、ありがとうございました。」


──写真もだけど、あの日、車で送ってくれて。


その言葉を飲み込みニコリと笑うと、先輩達は真っ赤になって狼狽する。


「えっ…と、あ、ハイ…」


「あの…あれ、君と会ったことあったっけ…?」


「…ふふ、無いよ。初めまして。」


何かほんと、憎めない人達だよ。


幸せになってよ。


アンタ達もさ。


…俺ら、みたいに。



「おめでとう。」


低い位置からの声に見下ろすと、


「細井のじーちゃん…!」


車椅子に乗っているから、慌てて視線を合わせるようにかがむ。


「ねぇ、聞いたよ!おっちゃん、大丈夫なの?!」


智が心配そうに爺さんに問う。


「ふぉっふぉ。元気だよ。お前さんも智も、『魂の片割れ』を手に入れたんだね。2人とも、幸せになりなさい。どんな時でも、必ずその手は掴んでいなさい。」


「「…はい!」」


離さねぇよ、絶対。


離してなんてやるもんか!


「でも、もし」


じいちゃんが声を潜める。


「もし、また入れ替わったら…黙ったまま相手を変えて楽しんでみたらどうかな?」


つまり…智と相葉ちゃんで?


俺と櫻井さんが…ラブラブするってこと?


智と目を合わせ、眉を顰める。


「「絶っっっっ対やだ!」」


「ふぉっふぉっふぉ!冗談だよ!」


ブラックジョークすぎんだよ、変 態じーさんめ!