僕たちの道9 | 1年だけ先輩。(基本お山)

1年だけ先輩。(基本お山)

やま。いちご。そうぶせん。

理解した方だけしか読まないでください(笑)
ごにんに心奪われ続け、眠る身体も起き出す状態です。

脳内妄想を吐き出す場として利用しようかなと思ってます。
ご気分害されたらごめんなさい。
※主軸は21です!

※妄想のお話です。

神様の優しさに熱が吹っ飛んだのでアップします(単純)
これハイテンションすぎる?(笑)
普段暗いの多いからたまにはいいですよね♡
しょさんに王子様のイメージ求めてる方はどうか読まないでください…私の大好物な残念なしょさんです…。












実際は何秒のことだったんだろう。


ドクンドクン心臓の音が煩い。


大野さんの掌と視線でゆでダコになりそう。


ま、まさか


このままキスされたり…?


い、いや、それはまずくないか?!


まずい!


猛烈にまずい!!!!


倫理的にも道徳的にもえーとあと何だ?!


そうだ、折角見つけた素晴らしい家政夫さんを失うことになる!!!


つーか、俺、


女の経験なしに男に走ることになることになるのか?!?


……それって童貞喪失になるの?!


いや、え、そもそも


どうやってヤんの?!!!?!



「あ、あのっ、」


「やっぱり!大変!怪我してる!」



ほぼ同時。かぶった。


「…へっ?」


「待っててください!」


バタバタと大野さんが自室へ消える。


……怪我?


触られていた左頬を撫でると、ざらりと皮膚に引っ掛かる短い線。


「あ…あの時の…」


清楚系に引っかかれたやつか。


風呂に入って肌の色が変わり、傷が目立ったらしい。


気付かなかった…。


…普通ないよな?キスとか。


ハハハ…流石に俺、考えすぎだよな!


テンパりすぎて意味わかんねー思考に陥ってた。


大野さんがあまりに中性的っつーか…


そうだ、あの人何考えてっかわかんねーからだ。


俺は結構その人が何を望んでるか、何を考え何を感じてるか読み取ってそれ相応の対応をする癖がある。


だから大野さんの思考が読めなくて不安でテンパってしまったんだ、そうに違いない。


……いやだからって男とのヤリ方まで考える俺って一体……。


あ゛~~~~~~くそっ!!!


これも全部病気のせいだ!!!!!!


勃 て!勃 つんだショー!!!←



戻ってきた大野さんは自分の荷物の中に紛れ込ませていたのだろう、見覚えのない小さな救急箱を取り出す。


「ここ、座って下さい。」


「いや、これくらい…」


「ダメ!バイ菌入っちゃいますから!」


野良猫にでもやられたって思ってんのかな。


仕方なく指示通り大人しく座る。


「じっとしててくださいね…」


大野さんがマキロンを染み込ませたティッシュで俺の頬にちょんとあてる。


「っ、」


「大丈夫?」


「あ…はい、大丈夫です。」


案外染みる。


久しぶりだ、消毒液の匂いなんて。


この家にはンなもん置いてなかったから、ありがたい。


「絆創膏貼るわけにはいかないから、塗る絆創膏でコーティングしときますね。」


ぬ、塗る絆創膏…?


何だそれは?


最近はそんなもん出てんのか?


カルチャーショック…。


「はい、出来ました~。これで綺麗な顔もすぐ元通りです!」


一通り終えた大野さんがにっこり笑う。


女だったら「あなたのが綺麗ですけどね」位のリップサービスするけど、年下の男に言う必要も無いだろう。


それに大野さんはそんな言葉かけたところで喜ばなさそうだと何故だか思い、素直に世辞を受け入れる。


「ありがとうございます。」


鏡を見ると、傷は既に目立たない感じで。


塗る絆創膏すごい。



「明日は土曜だしお休みですよね?どんな予定なんですか?」


「あ、えーと…大野さんの布団とか食器とか、必要なもん一緒に買いに行こうかなって。空いてます?」


「え!暇ですけど、そんなの折角のお休みが勿体ないですよ!寝袋でじゅーぶんですし食器は家から持ってきます。」


家から…って。


いつストーカーが来るかわかんねぇのに、不用心にも程がある。


何のためにこの家にいると思ってんだ!(あ、俺が頼んだからか。)


「…そーいや、ストーカーは…大丈夫だったの?大学とか…」


「ストーカー?…あぁ、監禁って言ったからか(笑)大丈夫ですよ!あの人はおいらをストーキングしたりしません。何か…データ?みたいなこと言ってたし、実験みたいな感じなんじゃないかなぁ~。」


じ、実験って!


更に響きがこえぇな!!!


でも何するにも撮られてたとか言ってたし、実験…本当にしてたのかも?


「つけ狙われてる可能性あるんじゃ…」


「んー、『監禁させてください』って言われたから『まぁ、2,3日くらいなら…』って返したのはおいらで。その期間がどんどん延びちゃったので逃げてきたんですけど。」


監禁させて下さいってどーゆー状況?!


つーか2,3日でもダメだろ!!


何でそんなトリッキーな提案すんなり飲むんだこの人は?!


意味分かんねぇ!!


「変な薬もられたりとか…してないの?途中記憶ないとかさぁ…」


「ないですよ、そんなの(笑)小説や映画じゃあるまいし(笑)まぁよく眠くなりましたけど…」


いやいやいやいや監禁とか実験も普通の生活しててぜってーないじゃん!


それに多分それ、薬盛られてる!!!!


よくわかんねぇけど!!!


「つか、バイト先とか平気なの?失踪して心配してるんじゃない?」


「大丈夫です。そもそも監禁の指示は多分その人の上司からなので事情は伝わってるかと…」


「どういう会社なの?!?」


理解を遥かに超えていてパニック!


俺パニック!!!


「ふあぁ…そろそろ寝ます…おいら夜更かし苦手で…」


なのにサラッとシャットダウンされたーー!!!


突っ込んで聞き辛ェ~!!!!!!


「お、おやすみなさい。」


折角そう答えたのに、立ち上がると思ってた大野さんがなかなか立ち上がらない。


「………?」


いや、何その顔?


そのキョトンな表情、俺がしたいんですけど!?


「あの…何かありました??」


「おやすみのちゅーは口でって聞いたんですけど…櫻井さんもしてもらってもいいですか?」


「ぶ!!!!!!!」


飲みかけていた水を噴き出した。


綺麗に。


いやきたねぇ。


俺、アイツらにおやすみのキスなんてされたことねぇけど?!(デジャヴだな!?)


しかも、口ィ?!!?!


「いや、えーっと…俺…も?」


「この家の絶対ルールって…」


「だ、だ、誰が言ってました?」


「雅紀くんと和くんです。」


あーーいーーつーーーらーーーーー!!!


「潤くんはめっちゃ照れくさそうにしてましたけど、雅紀くんは激しくてびっくりしました…(笑)」


激しいって何ーーー!!?


流石に舌とかじゃないよな?!


小2の激しいキスって何?!?


怖くて聞けねぇ!!!!


おい和、雅紀に何仕込んでんだ!!←決め打ち


にしても、俺はする必要ないだろ。


流石に29の男が雇ってる未成年の男の口にキスするのは犯罪臭がえげつない。


ここは誠意を持って『それは姉貴のルールだから俺は関係ない』って断って……


「あの、」


「櫻井さんは優しいですね。」


…はっ?


突然謎の褒められ方をして首を傾げる。


「お姉さんのことで自分もとても心配してるだろうに…子どもたちを立派に守って。お姉さんの教えというか、ルールも守って。」


いや、大野さん。


ルールは恐らく和が勝手に作ったんです。


あなたとキスするため。(冷静に考えてアイツ大丈夫か?)


つーか、照れくさいし、そんな立派なもんじゃない。


「…俺は…ご存知の通り全然ダメで。だから大野さんにこんなこと…俺は優しくとも何ともないですよ。最低です。」


前日であったばかりの大学生に子どもの世話押し付けた初日に、女とホテル行く位だから。


勿論、それは口に出来ないけど。


「最低じゃないですよ?家事を普段しない人が失敗するのは当たり前です。それでも子ども達は櫻井さんと居たいと思ったんです。それって、ちゃんと愛が伝わってるってことでしょう?…すごい優しいってことです。」



大野さんの声は、乾いたスポンジに水を撒くようだ。


じわりと染み入り、ゆっくりと浸透していく。


俺は1人じゃない。


ちゃんと見てくれてる人がいる。


それがどれほど幸せなことか。


それがどれほどありがたいことか…。



「…ありがとうございます。」


柄にもなくじーんとしていると、


「んふふ。じゃ、寝ますね。恥ずかしいけど、もーおいらからしちゃお!」


「へ?」



ちゅ!



「おやすみなさい!」



……………えっ。


声を上げる暇なく大野さんがニコニコ自分の部屋へと入っていく。



……ザワッ


ザワザワザワザワッ。



……え、え、え~~~っ?!!?!



何でお前…っ


半分起きてんのッ?!!?!?




い、今じゃねーだろ!!


お前の出番はホテルだろ!!!!!!!!



はぁ…溜まってたんだな。


タイミング最悪!


まるで大野さんのキスで半 勃 ちしたみたいじゃねーか!


まぁ、家だし。


そろそろヌ かねーとって思ってたし。


こんなん、勘違いされるとこだった。


あぶねー。


苦笑して、こそこそ前屈みでトイレへ向かった。