「お疲れ様っした~」
スタッフが拍手をし、5人も同様に己の掌をそれで叩く。
頭を下げながら主役達は楽屋へと戻っていく。
スタジオを出て廊下を歩いている時、櫻井の裾がくんっと引っ張られた。
「ぅおっ、」
驚いて振り返ると、大野がいつも通り背中を丸め上目遣いで見ている。
「何だ、ビビった、大野さんか。衣装伸びますよ(笑)」
「そっか、ごめん」と大野が手を引っこめる。
「どうしたの?」
櫻井が優しい声色で尋ねる。
他のメンバーはもう楽屋へ戻ってしまった。
廊下にはスタッフを含め誰もいない。
「嫌、だった?」
突然の主語のない質問に、櫻井は首を傾げる。
大野に対し、本日どころか最近嫌悪感を抱いた記憶がない。
「何の話?」
元々大野は言葉足らずだ。
櫻井が直球で質問する。
「さっきの。カップルってやつ。」
カップル…?と考え、あー、とやっと思い出す。
「…って、何が?(笑)もしかして頭載せたことが?」
こくんと大野が頷く。
「何でよ(笑)ほんとあなた変なとこだけ気にするよね、そんなん嫌なわけないでしょ。」
「そっか。んなら良かった。」
しかし、櫻井はふと気になった。
こんなことを聞いてくるということは、大野はどう思っていたのだろうと。
「…大野さんは?俺、肩組んじゃって大丈夫だった?」
櫻井は恐る恐る尋ねる。
口にして初めて、この件は自分発信だと気付いた。
中央に寄ったのはいいが、何故肩を組んだんだっけ、とほんの少し前の過去に思いを馳せる。
カメラマンに手を置いてくれ、抱き着いてくれ、腕を回してくれ、などと指示されることは多々ある。
しかし今回は珍しく自分から。
イチャイチャを求められることはメンバー1 嫌いなはずなのに…。
こういう要求に、いつも違和感を感じ反発心を抱いていたはずなのに……。
大野は少し間を開けて、中途半端に開いていた口を改めて開く。
「翔ちゃんとくっつけて嬉しかったよ。」
へにゃりと笑う大野に、櫻井の心臓はドクンと大きな音を立てる。
「俺は別にもっとひっついてもいいんだけどね?」
上目遣いでニヤリと大野が笑い、腰に手を回す。
ドキドキと早鐘のビートを刻む櫻井の心音。
「…んだそれ、きもちわりぃわ!」
何とか笑いながら出した言葉に、大野がんふふと笑いながら隣をすり抜け、楽屋へと戻って行った。
昔からそうだった。
大野の不意打ちの言動に、櫻井の普段落ち着き払っている鼓動は不整脈を起こしたように跳ねる。
予測できないことが苦手な櫻井にとって、大野は天敵のようなものだ。
次に何をしでかすのか読めない。
突然何の話をしてくるかわからない。
思考なんて、まるっきり見当がつかない。
しかし、それを不安要素だとは思わない。
面白い、と櫻井は思っている。
出会って20数年経つと言うのに、大野への興味は尽きない。
そして突然の心臓の動きも…慣れることはない。
──カップルかよ!
撮影中に思わず声に出したのは、動揺したからだ。
いつもそうやって自分の中に眠る不思議な感情を押し殺す。
櫻井は思う。
自然にするものでは無い、必要以上のイチャイチャは、嫌いだ。
何故なら……
心の奥底に眠る、大野に対する得体の知れない感情のトビラが開いてしまいそうだから。
「……ありえねぇって。」
櫻井は苦笑してそう呟き、皆の待つ部屋へと一歩踏み出した。
END
超リアル寄りで……
何も行動は起こさない、
気持ちにも蓋をし続けるしょさん。
大野さんは分かってない天然か
分かっててわざと振り回す小悪魔か…
読む人次第で解釈してください。(私は後者派w)
こんなもんわざわざ二つに分けて書く理由はない。笑
最初からわかってたんだけど、
私が書くとあまり甘くはならない…
同性愛だと認めないラインとか、
自分の謎の感情に戸惑いまくる段階が今ブームです。
微妙な話でごめんなさいm(__)m
昨夜メッセージをくださったs様!
メッセージ読んで泣きました、
めっちゃ嬉しかったです
ありがとうございました!。・゚・(*ノД`*)・゚・。
そしてこれだけ言わせてください。
「遅いよ。」考えながら私もたまたま君のうた聴いて、
うわ何かめっちゃ歌詞ハマるな…と思ってました!(笑)
同じように感じてくれた方がいるの、嬉しい♡(*^^*)
そして最後に、
優しいコメントにも返信出来てなくて
色々溜まっててすみませんm(__)m
頑張ってこの病み期を抜けて
お話楽しくかけるよう頑張ります……!
もう少し、もう少しお待ち下さいませー!(T人T)
まーだ、かなしいらぶーそんぐー
新しい歌、うたーえるまーでー!(突然の宇多田)