※妄想のお話です。
「あ、噂をすれば。」
足音が近付き、がちゃりと開いた扉。
ああ、悪の組織が揃った……。
「カズ、ちゃんと使える奴だろうな?ここ連れ込んで使えないとか一番最悪なんだから…」
ノートパソコンを脇に抱えて、眼鏡をかけた青年は確かにパッと見怖い。
この中で唯一スーツを着てるからだろうか、知的な印象を受けるし、
淡々と話す口調が冷たく感じる要因の一つでもあるだろう。
だけど、眼鏡の奥のつぶらな瞳は…
何も変わってない。
確かに、笑い上戸なそれで……。
細かい性格で、運動音痴で。
すごく賢くて、でも…
誰よりもおいらに優しくしてくれて……。
「翔……ちゃん……?」
「えっ…さ、智くん……?!?」
最後のメンバーは、
おいらの初恋の人だった。
*
「はよー」
「おはよリーダー!」
「おはよーございまーす」
「おはよ兄さん」
「おはよ。って、おい、寝癖(笑)」
楽屋の扉を閉めながら、松潤の言葉に、え?と後頭部を撫でる。
「ちげーよ、ほら、ここ。」
立ち上がり右側を松潤に撫でつけられ、ぴこんと重力に反発する箇所を認識する。
「ほんとだ。メイクさんに直してもらお。」
「しっかりしなさいよ。アンタあの国民的アイドル、嵐のリーダーなんだから。」
ニノがパズドラしながらいけしゃあしゃあと軽口を叩く。
「お前に言われたかねぇし。」
ドカッと空いているニノの隣に座る。
定位置。
局によってそれぞれの座り位置が自然に出来た。
少しずつ形成された、俺らの暗黙のルール。
俺らなりの、形。
「くふふ。ほんとニノには言われたくないよねー(笑)」
「そこ2人ちょっとは気ぃつけろよ!」
「まぁそこが長所であり短所なんだよね。自然体っつーか…飾らなさすぎるっつーか…(笑)」
笑うメンバーの声も心地いい。
ずっと一緒にいたから、出来た雰囲気。空間。
それは長い年月かけて出来たものなはずなのに、出会った頃からずっと変わらない気もしてる。
「…どったの、ニヤニヤして。」
流石観察眼の鋭いニノ。
ゲームしてるようで、誰よりも先に気付く。
皆がどれどれと俺を見る。
「いや…夢見たの。」
「誰の?」
翔くんが真っ先に聞く。
「皆の。」
「え!どんな夢?面白そう!」
「実はさ…」
「「「「何っっっだそれ!www」」」」
皆が腹を抱えて笑う。
「詐欺グループって!」
「つーか初恋w俺ぇ?ww」
「ねぇリーダー、俺の扱い酷くなーい?!」
「ぴったりじゃないですか。詐欺する上でムードメーカー担当ww」
あーだこーだと文句やらツッコミやらが飛び交う。
それを俺は笑いながら見てる。
ニヤニヤしてたのは、おかしな夢を見たからじゃない。
あんなに違う世界でも、5人は繋がってたから。
ああ、そうなんだって。
何を選んでも
どの道を歩んでも
何をしてても
俺らはこうやって、仲間になってる
叶えたい夢の模様には
絶対的に『君』の無邪気な笑顔と
泣き笑う顔が映ってる、もんね、
相葉ちゃん?
きっと俺らは、
どうやったって、
運命的な五叉路でひとつに繋がるんだ。
夢なんかで大袈裟だけど、
俺はそう、強く思ったから。
「ねぇ。今日から…19周年だね。」
「あー、そっか。…うん。そうだね。」
「くふふっ、詐欺グループじゃないけど」
「国民的アイドルグループとして、ね?」
「うん(笑)これからも末永く…」
「「「「よろしく!」」」」
どれくらいの奇跡が重なって出会ったのか、
そんなこと、わかんないけどさ。
俺らはきっとこれから先も
ずっと、一緒。
それだけは多分、運命で決まってる。
To be continued.
19周年突入ですね!
5×20の響きの重さと尊さを実感する1年でした。
『5人でいる。ずっといる。』
彼らが5人で作った曲に、
当時はだいぶ泣いたけど。
今になって更にその重みに泣けてきます。
運命共同体。
翔さんの言った表現にどれ程安心しただろう。
ありがとう。
私達からは
沢山の愛の言葉しか
もうほんとに何も無いの
ずっとずっと心にあるんだ
だからこそ伝えてみたいんだ
ありがとう…
“これからもありがとう”