俺の足は地に着いている。下 | 1年だけ先輩。(基本お山)

1年だけ先輩。(基本お山)

やま。いちご。そうぶせん。

理解した方だけしか読まないでください(笑)
ごにんに心奪われ続け、眠る身体も起き出す状態です。

脳内妄想を吐き出す場として利用しようかなと思ってます。
ご気分害されたらごめんなさい。
※主軸は21です!

※妄想のお話です。


なんかほんと…
甘いの書き直しますごめんなさい…











隣のすーすーと規則正しい寝息を確認し、大野がそっと起き上がる。


大野の知る限り、松本のここ最近の睡眠時間はものすごく少ない。


目の下のクマも目立ってきた。


これも恒例と言えば恒例だ。


「…追い込み過ぎなんだよ、バカ…。」


さらりと髪を撫でれば、前髪が額にかかる。


あどけないその顔に、大野はふっと笑う。


「会った頃から…ほんと、変わんないな。」



可愛い顔。


生真面目な性格。


頑固なところ。


ストイック過ぎる考え方。


カンペキ主義な譲れない思考。



松本は自分が変わったと思っている。


しかし何一つ変わっていない、と大野は思う。


「あんだけの仕事したら、そりゃイライラするよ。それを変わったとは言わねーの。」


大野が寝ている男に小さく囁く。


松本が抱える不安は、寝言で逐一、律儀に教えてくれる。


しかしそれを言うと居眠りしなくなるのではないかと恐れて、本人に進言はしない。


だけど、夢の中なら…


もしかしたら、届くかもしれない。


「大丈夫だよ。潤。大丈夫。」


小さい子どもにやるように、松本の柔らかい髪を優しく撫で続ける。


「ぐんぐん成長してて、どんどんカッコよくなるのに…根っこのとこ、何も変わってない。優しくて、あっつくて真っ直ぐなとこ。」


松本が「んん…」と寝返りを打つ。


反対を向いてしまったが、大野は頭を撫でる手を止めない。


「お前は1人じゃない。お前は悪くない。お前はじゅーぶん頑張ってる。5人、いるでしょ?抱え込むなよ。」


夢の中で届いていなくてもいい。


言霊…言葉のチカラで、松本を少しでも癒せるのなら。


そう思い、大野は思った言葉を次々に口にする。


「前も言ったろ。鳥じゃねんだから。潤は、ちゃんと。歩いてる。自分の足で。」



──鳥じゃねんだから。



大野の声を背に、狸寝入りを決め込んでいた松本は思い出していた。


「俺…地に足ついてるかな?」と飲んでいる時ぽろりと漏らした時に、大野に言われた言葉。


(…拍子抜けして、2人で爆笑したっけ。


そりゃそうか、って。


俺鳥じゃねぇんだもんな、って。)



「1人で背負うな」


大野は尚も松本が寝ていると信じて小さく続ける。


「折角俺ら5人もいるんだから。誰も辞めずにさぁ。すげぇよなぁ。」


大野の言葉に、自然と口角が上がる。


「仲間でしょ?何も、誰も、…勿論、潤も。変わってないよ?」


ほわっと、甘いココアみたいに優しい気持ちになる…と、松本はこっそり微笑む。


「…遅くなったけど」


髪を撫でていた大野の手がぴたりと止まる。


のそっと目を瞑り背を向けている松本の上に大野の顔が覗き込む。


「誕生日、おめでと。……愛してる。」


頬にちゅっと当たり、すっと離れて…


「…うーっ、やっぱ、はじぃぃ……!」


と呟きながら大野の声は離れていく。


トイレにでも行ったのだろう、ぱたりと寝室のドアが閉まったのを見計らって、松本がじわりと涙を滲ませる。



その時誰が傍にいるだろう?


きっと5人でいるだろう。


周りを見れば今だって


あなたがいる。


みんながいる。



──あの頃から、俺は。


何も変わってない…のかな?



(俺の足は地に着いている。)



そう口の中で呟き、


滲んだ涙を拭い。


松本はまた、…いや


今度は優しい夢の中へと、落ちていった。



END




MJおめでとう!!

最近あなた可愛すぎるよっ!!

それに頑張り過ぎです!


いつも嫌な役にしてごめんね。

松本さんの気苦労や抱えるもの、全部。

隣の誰かに、吐き出せてるといいな。


コンサートいつもありがとう。

毎回「過去最高」が更新されて毎回泣いてます。

最近素直になってきたあなたが、

少しでも気を抜いて笑える日が多くありますように。


そしてリクエスト下さった皆様!

糖度中途半端な話でごめんなさい、

書き直すから許してください…!(笑)