Kiss me now(山フェス②)下 | 1年だけ先輩。(基本お山)

1年だけ先輩。(基本お山)

やま。いちご。そうぶせん。

理解した方だけしか読まないでください(笑)
ごにんに心奪われ続け、眠る身体も起き出す状態です。

脳内妄想を吐き出す場として利用しようかなと思ってます。
ご気分害されたらごめんなさい。
※主軸は21です!

※妄想のお話です。


バタバタしてて山の日終わっちゃう…寂しい(´;ω;`)










「…ほんとにここ?」


「うん!ここなら見つからないでしょ?」


智くんを連れてきた場所は、用務員室。


「…1階じゃん。見えんの?」


「侮ることなかれ。この位置ならよく見えんだよ!」


智くんを予め用意した座布団に座らせ、高い位置にある小窓を指さす。


ピンポイントでここなら木々の隙間から見えるって場所を去年見つけたから、畳に印をつけておいたんだ。


それもこれも智くんと二人きりで花火を見るため。


警備員の松本に見つからないよう窓のカーテンを閉め、鍵もさり気なく閉め、ポイントとなる上の小さな小窓は内からも外からもピカピカに拭きあげてある。


そりゃ抜かりないさ。


去年一人寂しくシミュレーションしたんだからなっ!!


去年決意してから1年。


俺は…俺は……



今日こそ告白するんだっっっ!!!!!



智くんがこの学校に来て、一目見て森の妖精かと思った。


だけど違った。


可愛くてふにゃふにゃの天使だった。


いやそれも違った。


全てを受け入れる優しく美しい女神様だった!!!!!



生徒の智くんへのアプローチを必死で邪魔し←大人気ZERO


地道に話しかけて距離を詰め


名前で呼び合うようになりタメ口になり


やっと今日という絶好のチャンス日を迎えたわけである。



「あれ、でも、翔くんは?」


「あっ…俺はー…」


なにぶん花火を見るのは小窓だし、木々の隙間だから見える位置がピンポイント過ぎて返答に困っていると、


「ここおいで?」


と胡座をかいた足の上をポンポンと示される。


「なん…っ?!」


「だって隣は無理だよ、ちょっとズレるだけで木で見えないよ?」


首を伸ばして角度を変えて視点を確認している智くんの…股の真ん中に?!


俺が…ハマるだって?!?←言い方


いやー無理無理無理!!


胡座の上に俺がケツ置くとか、もうなんつーか、それ考えただけで無理っ!!!!


せ、せめて…


智くんの後ろにストンと座る。


「ここ、座ってい?」


「んふふ。いーよ。」


俺が足を広げ、智くんを後ろから包み込むように座る。


これなら…まだ、ね?


体格差的にも自然…


ん?自然なのか??


俺、この姿勢でアレがあの状態にならずに…済むか?


もしかして…やばい?


とか思ってたら、こてんと頭をもたれてきて、至近距離で見上げられる。


「疲れちゃった。もたれていー?」


「あ、えっと、ハイ。」


「あんがと。」


ふにゃって笑うド級の小悪魔…。←女神と違ったんかい


っぶねぇ、心臓が飛び出そうだった!


え、何この可愛い生き物?


わざと?天然?


もー何でもいいから俺のあそこ!


告白までは、とにかく元気にならないでくれー!!!!



「あ、あのさぁ智くん。」


大きく深呼吸をし、口を開く。


「んー?」


俺にもたれかかりリラックスして間延びした返事をする智くん。。


頑張れ、俺!


伝えるんだっ!!!


そしてあわよくば!!!


ここでファーストキスを…してしまおう!!!!


「俺さ…あなたのこと…その、す…す…」


「うん?」


「す……ごい、尊敬してる…よ?」


「へぇ??(笑)どーも。何急に(笑)」


「いや、だからさ…その、ずっと言いたかったんだ、す、す……」


「…うん」


「す、、、すき…


…やきに、卵使うタイプ…かな?って」


「すきやきに?使うよ?それずっと言いたかったの?(笑)」


「いや……ち、ちがくて、だーーーーっ!えーっとね、」


「あ!上がった!」


ヒュルルルルル…パァン!と大輪の花火が上がる。


丁度木の間から見える花火は、赤と青で真ん丸だ。


「すごい!本当にこっからだと綺麗に見えるね!」


智くんが恐らくキラキラした目で花火を見てるけど、俺はタイミングを逃したことに項垂れる。


あーーもう何やってんだ俺は?!


緊張しすぎて告白出来ないとか、中坊か?!


いや男に告白って相当ハードル高ぇよ!!


断られるとかそういう以前の問題だからなっ!!!←逆ギレ


「たーまやー。」


ぱちぱち無邪気に拍手する智くんが可愛くて、ぎゅっとしたい衝動をぐっと堪える。


「そーいや、たまやって何だろ?」


智くんがぽつりと呟く。


「『たまや』『かぎや』はそれぞれ花火を作る組だったんだ。それが色々あって今は掛け声的にたまやだけ残っちゃった、って感じかな。」


「組?『め組』みたいな?いつから花火はあるの?」


「日本は、江戸時代から庶民に広がったみたいだよ。」


「んふふ、翔くん教科書みたい。何でも知ってんだもん。」


くすくす笑う智くんの肩が揺れる。


ふわふわにセットされた髪が鼻を擽るから、どこか変な気持ちになる。


うんちくたれてる場合出ないことは百も承知。


しかしこれが我が性分。


聞かれて知っている知識は考えずとも披露してしまう。。


「でもそんな昔からあるなんて知らなかったなぁ。」


「江戸の人はさ、突然こんな娯楽を与えられたもんだから大ハマリしたんだって。火事が増えて禁止令が出されたけど、それでも人々は辞めなかった。無理だよね。綺麗なものに惹かれるのは当然だよ。」


「…綺麗なものに惹かれるのは、罪じゃない?」


「罪だとされれば罪にはなるけど、自然なことかなって思うよ。」


「じゃぁ」


くるっと俺の足の間で智くんが反転し、俺の方を向く。



「翔くんに皆が惹かれるのも…自然?」



頬に手を当てられ、小首をかしげられる。


ドキッと心臓が高鳴る。


「えっ…?」


「それとも…罪?」


「な、に言って…?」


バクバクバクバク。


心臓過活動して壊れそう。


「翔くん。試してみたいことがあるの。」


「な、な、何…?」


ドキドキうるさい鼓動を悟られないよう、とにかく平静を保つ…が、努力は実らない。


掠れてしまった声に、ん゛ん゛っと咳払いをする。


「ふふ…伝説。本当かどうか。」


「へっ…?」



バァン!


花火が鳴る直前、智くんが俺の唇を塞いだ。



「っ…?!」


ちゅ、と当てただけで離れていくそれを凝視する。


今、き、き、キス…した…?


「ハートの花火が上がった瞬間、キスしたカップルは、一生ラブラブで過ごせるらしいよ?」


生徒から聞いたことがある。


けど、動揺していてパクパク口を動かすだけで声が出ない。


「でもいつハートの花火が上がるかわかんないから、」


バァン!


またむちゅっと当たる唇。


え、え、まって何これ?


「こうやっていっぱいしないといけなくて。」


ニッと笑った智くんは花火の残光を背に浴びる。



「ずっとラブラブでいられるか…一生かけて実験させて?」



それって、


と言いかけたら、また唇を当てられて。


当たるだけのそれに我慢出来ず、俺が押し倒した。


「翔くん?『す…』。何?」


畳を背にした智くんが、ふんわり笑う。


「す…好き、です…。あなたのことが…。」


ようやく出た告白の言葉に、智くんがふっと笑う。



「おせぇよばぁか。」



告白の失敗に気付かれてた恥ずかしさよりも、目の前の欲。


見上げる夜空の華より、組み敷いた愛する人。


花より、男子。


ヒュルルルルル……


「あ!……んっ」




バァン!


智くんが言いかけた言葉を舌 で掬いとる。


「…何?」



「…ううん。何でもない。


…いつハートの花火上がるかわかんないから、いっぱいキスして?」



俺はもうそれ以降、一度も花火を目にしなかった。


END




甘々のも…ってことでギリギリかけた?

甘々なのかなぁ(笑)


お山の夫婦♡

いつも私たちに癒しをありがとう!!

ガンガンいちゃついてくださーーーいっ♡


やーまやーーーー!!!

yayosatoさん、ありがとうございましたー!!!✨