「遅いよ。」10 | 1年だけ先輩。(基本お山)

1年だけ先輩。(基本お山)

やま。いちご。そうぶせん。

理解した方だけしか読まないでください(笑)
ごにんに心奪われ続け、眠る身体も起き出す状態です。

脳内妄想を吐き出す場として利用しようかなと思ってます。
ご気分害されたらごめんなさい。
※主軸は21です!

※妄想のお話です。


話してばっかだなぁ…(笑)
今日もお庭プール(´°ω°)チーン










-A-


蒸気する頬


不自然に高鳴る鼓動


合わせられない視線



あなたといると


自分が自分じゃなくなっていく


それがたまに



堪らなく恐怖に感じることがある



心が身体を追い越す感覚に


想いが気持ちを置いていく感覚に


ただただ、怯える。









二重人格ってことにして、おいらは色んなことを話した。


高校のこと


オソイヨのこと


海老シューのこと


相葉ちゃんのこと──。



どうせ相葉ちゃんとおいらに、翔くんは会わない。


それに…


まだ、夢の中な感じで。


現実味がないから、色々素直に話せた。


相葉ちゃんのことなんて、誰にも言ったこと、無かったのに。



「ふぅん…それが智の『記憶』……。」


翔くんは真剣な顔で聞いてくれて。


勿論、おいらに実態はないって話になってるから、『記憶』としての話だけど。


「…男が男を好きって…気持ち悪いって、思わない?」


「何で?俺二宮買ってるんだよ?」


「買うって、瓜の話?」


「うり……って…………


あーーー!そういうこと!!」


櫻井さんが腹を抱えて笑い出す。


「な、何?」


「いや…はは、なるほどね!!二宮に…直接は聞けないだろうから、日記でも見たの?ウリで生きてる、みたいに。」


「うん…どうして分かるの?瓜で生計立ててるって書いてあったの。」


目を丸くすると、クスクス笑われる。


「それで律儀にスーパーでね…ふはっ、ウケる(笑)」


「ウケる…?おいら変なことした?」


不安になって聞くと、いやいや、と首を振られる。


「でも次から瓜はいいよ。智が来る時は俺んちの冷蔵庫から適当に飯作ってよ。ダメ?」


小首を傾げる翔くんにドキッとする。


だって、あまりに綺麗で。


なんていうか…イケメンと可愛いって、同居するんだ!みたいな。


ドキドキしながら頷くと、やりぃって無邪気に笑う。


「とにかく、そんな偏見無いよ。俺はどっちかっつーと、同類。女もいけるけど、男のが楽かな?」


さらっと笑顔でこういうこと言っちゃうとことか。


ああ、相葉ちゃんっぽい。だなんて。


変なこと考えちゃうよ。



「いつ智になるの?それは智の意思?」


「分かんない。起きたら急にニノの身体にいる時があるの。今日で2回目なんだけど。」


あ、と翔くんがベッドの横の棚を漁る。


「これ…智でしょ?」


「あっ!」


ぴらっと出されたのは、夢の中で描いたこの部屋からの景色だ。


「そう、おいらの!どうして分かったの??」


「さっき美術部って言ってたからさ。あまりに上手いから捨てられなくて。」


不意に褒められて、頬が緩む。


「へへ…ありがと。東京の風景なんて、初めて見たから。」


「これであの日二宮の様子が変だったのも合点がいったよ。この部屋で1日過ごしたのが、二宮の身体で過ごした1日目ってことだろ?」


「そう!!そうなの!!すごいね翔くん!!!」


興奮してぱっと両手をとってしまい、不意に縮まった顔の近さに慌てて離れる。


「智?」


な、なんか綺麗すぎて芸能人みたいでドキドキする。


なんか話さなきゃ!


えーとえーと…



「翔くんは…ニノの恋人?」



こんなこと聞いて大丈夫かなぁ…?


そっと見上げると、曖昧な顔で笑う翔くんが視界に入る。


「違うよ。恋愛感情は微塵もない。お互いにね。」


ホッ…。


ん?ホッて何だ??


「でも…ちゅーしてた……。」


無意識に口が尖る。


「…あれ?もしかして智、ヤキモチ?」


翔くんがニヤニヤしながらおいらの顎をクイッと上げる。


「ち、ち、違うよ!」


慌てて手を払いのける。


うー、絶対顔赤い!!


恥ずかし過ぎるこの人!!!


「ふふ、巡り巡って自分(二宮)にヤキモチ妬くとか(笑)」


「違うってばっ!!!」


「相葉ちゃんとかいう想い人いんのに、案外浮気性?(笑)」


「うるさいっっっ!!!!!」


「はいはい。黙りまーす。」


翔くんは両手の人差し指でバッテンを作って、口に当てる。


ミッフィーみたいで可愛いんだけど、ニヤニヤしてて憎たらしい…。


おいらは相葉ちゃんが好きなんだ!


こんな初対面の笑ってばっかの変な大学生のオニーサン、好きなわけないじゃん!!


「もうっ!えーと…そろそろ帰る感じ…でいいのかな?ニノって何時に帰るの?」


外は明るいが、何だかんだ夕方の時間だ。


「ん?んー…二宮はいつも俺ン家泊まってるよ。」


翔くんが何となくニヤッとしてるのは気の所為?


だけど…よかったぁ。


暑すぎて死ぬかと思ってたから。


あの部屋クーラーないし。


「あ、だからこの前ここにいたんだね?」


「そうそう。だから、今日は色々教え……いや。教えるのは追々で…今日はとことん話そう?俺、智に興味ある。」


ウィンクされて、また心臓が跳ね上がる。


東京の人ってこういうこと平気でするの~?!


「…おいらも。翔くんのこと知りたい!」


翔くん、良い人だし…仲良くなれる気がするんだ。


「…いーよ?じゃいっぱい話そう。智が眠くなるまで、隣にいてやるから。」


優しく翔くんが笑っておいらの頭を撫でるから、またドキドキした。



おいらの周りにこんなお兄さんっていないから…どこか緊張する。


おいらにも相葉ちゃんにも風間にもお兄ちゃんはいない。


長男トリオ。


だから、だからだよね?


翔くんにドキドキする理由は、それだ。


それしか有り得ない。



そうでしょ、相葉ちゃん?



翔くんが、「また『相葉ちゃん』のこと考えてんだろ?」と笑う。


翔くんのことが派生して相葉ちゃんのこと考えてただけだけど、


うん、


って頷いた。