イエローペアン3 | 1年だけ先輩。(基本お山)

1年だけ先輩。(基本お山)

やま。いちご。そうぶせん。

理解した方だけしか読まないでください(笑)
ごにんに心奪われ続け、眠る身体も起き出す状態です。

脳内妄想を吐き出す場として利用しようかなと思ってます。
ご気分害されたらごめんなさい。
※主軸は21です!

※妄想のお話です。


u3104kさん、ごめんなさい、
もう書き上げたところでした(´pωq`)
①も②も③も混ぜてみました。
ら、関係性ややこしくなったw










「…どうだった?」


櫻井はスマホを肩で挟みながら、チョコレートを手に取る。


個包されているアルファベットチョコだ。


手を使わず、歯でそれを器用に口に入れる。


『無事に入れましたが…四面楚歌です。分かってたことですけど。』


電話口の大野が苦笑する様子が手に取るようにわかる櫻井は、ソファから身を起こす。


「智。…敵の懐に入ったからには、しくじるなよ。果報は寝て待て、だから。チャンスは必ずやってくる。」


『はい。必ず…論文を完成させて、あなたの役に立ってみせます。』


「いい子だね。上手く出来たら、ちゃんとご褒美あげるから…1人で弄 るなよ?」


げほっ、と咳込む大野に、櫻井がにっと笑う。


「智が好きなあの薬も、あのオモチャも…ぜーんぶ用意してあるから。その為には、松本を…潰してこい。」


『は、い……分かりました。』


恐らく真っ赤になっているであろう大野を想像し、櫻井はふっと笑いながら電話を切る。


ブラックコーヒーを一口啜り、ふぅと一息つく。



「……本当は行かせたくなんてなかったけど……」


暗くなったスマホの画面をじっと見つめる。


大野の提案だった。


論文を完成させるためには、東城大での治験をすべきだと。


自分に出来ることは、何でもしたいのだと。


他に手立てはあると言っても何度も食い下がった大野に、とうとう折れたのだ。


それに、理事長になれば、このしがらみから抜けられる。


今抱える問題全てに終止符を打て、大野を一生自分のモノに出来る…。



『やっ…!何を…っ、』


『時期教授のポストを用意してやる…だから、お前は俺のモノになれ…!』


『やめてくださっ…あぁっ…!』



権力で無理矢理大野の身体を拓 き、縛り付けた櫻井。


教授という立場に抗えぬ大野への罪悪感は多少なりともあったが、それでも手に入れたかった。


いつしか大野は…櫻井のことを慕うようになった。


いや、本当は大野も、最初から…。


しかし櫻井はその大野の気持ちを、本気だとは思っていない。


縛り付けたが故、洗脳されてしまっているだけだと思っている。


大野が櫻井を必死で理事長にしようとしているのも、自分との縁を切らせたいからではないのか、と疑っている位だ。



櫻井はその主従関係を終わらせたいのだ。


そして新たに始めたいと思っている。


櫻井が理事長になれば、自分たちの間のしがらみは、消えはしなくても変わる。


そうすればきっと、大野の本当の気持ちが見えてくる。


例え拒絶されても、諦めることはしない。


身体だけではなく、心まで必ず手に入れてみせる。


そう、櫻井にとって理事長選は


ひとえに大野との未来のため──。



「松本が気に入らないといいけど…」


松本は手が早いことで有名だ。


泣かされた女は数知れず、との噂も櫻井は耳にした。


大野が男とは言え、大野の魅力は性別を超える。


自分がそれに溺れたように。


「ま、女好きのアイツのことだし、流石にない…か?」


櫻井は女遊びをしていた自分の過去を棚に上げ、笑いながらもう1つチョコレートを手に取った。



松本が今抱える『ペット』が、まさに男だということも知らずに。