No control115 | 1年だけ先輩。(基本お山)

1年だけ先輩。(基本お山)

やま。いちご。そうぶせん。

理解した方だけしか読まないでください(笑)
ごにんに心奪われ続け、眠る身体も起き出す状態です。

脳内妄想を吐き出す場として利用しようかなと思ってます。
ご気分害されたらごめんなさい。
※主軸は21です!

※妄想のお話です。


おっさんずラブやっと観て放心してまーす…。
春田のママと結婚しないかな、部長。
愛しのはるたんのパパになれるよ?(笑)
来週の予告はそのシーンでしょ?(笑)

嵐で妄想してたけど、今単純にそのまま楽しく見てて…
終わってからだいぶ話変えてじゃないとおーちゃんずラブは書けそうにないや…気持ちが入り込みすぎた…





【Side 大野】


「急な誘いだったのにサンキュ。」


「水くせぇんだって。むしろまた誘えよ!お前が誘い返す番だろ!ツケめっちゃ溜まってんぞ!」


「そうだね(笑)…じゃ、また改めて連絡する。」


「おう。よろしく。あ、企画書早く書けよ?」


「分かったっつーの!」


エレベーター内で別れ、ひとつ上の7階のトイレに入る。


昼休みが終わるまで少し時間がある。


少し考えて、踵を返す。


隣のビルと密着してて窓開けられないから人の出入りが少ない方のトイレへと向かった。


考え事したい時のサボり場所に向いてる所。



結局、岡田には後日改めてきちんと話をすることにした。


人手は多いに越したことはない。


ただ、オメガだとばらすのは…正直かなり悩んでいる。


信頼出来る奴だ。


きっと、口も固い。


だけど、そうやって信頼出来る奴に話していけば…悪意がなくともいつか噂は広まってしまうかもしれない。


俺の地位が偽物だと分かれば、このホテルの計画も御破算になる可能性がぐんと上がる。


というか絶対に通らないだろう。


『アルファ 大野智』で勝ち得た信頼と地位があるからこそ、企画を通せる可能性が生まれたんだ。


つまり…オメガであることを隠したまま、岡田に計画を話すのが最善なのだと思う。


それが無難だ、という表現が正しいのかは分からないが、話すということにはどうしても小さなリスクがつく。



ただ、協力したいと言ってくれた岡田をまだ騙すのかと思うとチクリと良心が痛む。


未だに気にかけてくれているのはアルファ同士だと思ってるからだろうし…


ずっと騙されていたと知った時、それでも岡田は力になってくれるだろうか。


嫌な顔せず、気にすんなといつもの顔で笑ってくれるだろうか。



…そんなわけない。


どんな理由があろうと、嘘をついて騙してきたのだから…


聞いて楽しい話でないのは確実だ。


嫌われていたと思っていたのに、


確実に嫌われることはこんなにも怖い。



…やっぱ、まだ、言えないや。


だけど…公表する前に、ちゃんと。


自分の口で、告げよう。


岡田や…課の皆、侑李、山際さんと棚田くん…


仲良くしてもらってた人に


しっかりと対面して…。



早くバラして皆に知ってもらいたいという気持ちと、


築き上げた同僚との関係値を少しでも長く保ちたいという相反する気持ちが、


胸の奥でぐるぐると渦巻く。



誰も失いたくない、なんて。


そもそも、本当の自分を誰にも見せていないのに…馬鹿げてる。


皆が仲良くしてくれているのは俺じゃない。


『アルファ 大野智』だ。


周りの人を失うも何も、元よりそんな人間存在しないのに。


そんなこと、分かってたはずなのに…。


いざ現実味を帯びてきた途端にこうやって尻込みする自分が情けない。



オメガだと公表した時


俺の周りには、何人残るんだろう。



ぎゅっと胸に忍ばせたネックレスを、ワイシャツ越しに掴む。


櫻井さんから貰った指輪を通してあるものだ。


会社ではネックレスにして肌身離さず持っていようと思い、用意したもの。



大丈夫。


まぁくんも、松潤も…ニノもいる。


そして何より。


──俺には、櫻井さんが、いる。



深呼吸をして、よし、と顔を上げる。


と、鏡に映った俺の後ろにある顔に飛び上がった。



「わあああっ?!」


「ちょっ…しー!」



慌てて櫻井さんが俺の口を抑える。


「どんだけビビってるんですか!」


「だ、だ、だって櫻井さんのこと考えてたらいたから!ビビるよ!!」


思わずそう言うと、櫻井さんがえっ?と嬉しそうな顔になる。


「俺のこと考えてたんですか…?」


ニヤニヤ笑う櫻井さんに恥ずかしくなって、うるさい、と肩を押す。


「誰か来るといけないから、じゃぁね。」


「あ、大野さん。」


櫻井さんが俺の腕を掴む。


そこからビリッ…とまた身体が 疼く。


今朝の情 事が蘇るようで…頬が勝手に染まる。


「は、離して。」



「…どうしても…我慢出来ないんです……」



熱い眼差しに射抜かれて…


ダメだよ、こんなとこ…


誰か来たら……


そう思ってるのに、その手を振りほどけなくて……


櫻井さんが口をゆっくり開き、近付く。


ごくり、生唾を飲み込み、目を閉じる。


ダメ……


櫻井さんに触れられると、その目に射抜かれると、俺……


自制が効かないっ……!



「…明日は…昼飯、一緒に食いましょう。」



……は?


ぱちっと目を開く。


「ひ…る?」


「今日岡田さんとサシで行ったでしょ。計画の為とは言え、俺、嫉妬で気が狂いそうです。頼みますから昼くらいは一緒に過ごして下さい。社外で個室なら大丈夫でしょ?毎日俺がどこかしら予約取りますから!」


あまりに真剣な櫻井さんに、おもいきり拍子抜けして。


「わ…わかった…。」



なんか…なんか……


ちょーーーーーーー恥ずかしい………!!!


最悪!!すごい勘違いしちゃった…!!!



「大野さん、顔真っ赤ですよ?」


「な、な、何でもない!!」


慌てて出ようとすると、掴まれていた腕をぐいっと引かれ、



「……っ!!!」



不意打ちにキスされた。


2秒程で、離れてしまう唇。



「我慢って、こっちのことだと思った?


…可愛い、智。」



耳元で囁かれ、にっと笑われて。


後ろ手にひらひら振りながら出て行って。


トイレに取り残された俺は、ふと鏡を見たら、耳まで真っ赤っかで。



「~~~っ!!!」



顔の熱が治まるまでトイレの個室にこもって、昼休み終わるギリギリにようやくデスクに戻れた…。


涼やかな表情の櫻井さんが、にくったらしい~…!!