No control111 | 1年だけ先輩。(基本お山)

1年だけ先輩。(基本お山)

やま。いちご。そうぶせん。

理解した方だけしか読まないでください(笑)
ごにんに心奪われ続け、眠る身体も起き出す状態です。

脳内妄想を吐き出す場として利用しようかなと思ってます。
ご気分害されたらごめんなさい。
※主軸は21です!

※妄想のお話です。


やっと限定から浮上…お待たせしましたm(_ _)m
今日暑いですね。誤字脱字ないか不安。(外なので…)










【Side 大野】


どれくらいそうしてたのかな。


「…あ、すみませ…重いですよね…!」


荒い 息がお互い落ち着いてきた頃、櫻井さんがごろりと横に転がって。


ふと気付いて慌てて手枷をとってくれて。


「痛くないです?跡大丈夫?つーか、その…アソコ 縛 っちゃって…あの、大野さん…怒って…ませんか…?」


さっきの人と別人かって位不安げで、思わず笑った。


「怒ってないけど…一個お願いがある。」


「は、はい…」



「たまにでいいから…名前で呼んで…?」



しーん、て、少しの間。


な、なんかすごい恥ずかしいこと言ってるかも。


思わず顔を背けると、櫻井さんが両手で俺の頬を掴んで櫻井さんの方へ向かせられて。


ふわって笑ってて、


「愛してる……智。」


って、優しい…当たるだけのキスをしてくれた。





「俺大野さんち行きかけてましたよ、危なかった。」


ぽちゃん。


お風呂に溜めたお湯に浸かり、後ろから抱きしめられながら入るこの状況は、幸せいっぱい。


てゆーか、また『大野さん』に戻ってるし。


いいんだけど。


「え、そうなの?」


例の施設よりも広くて豪華なお風呂で、俺の驚く声が反響する。


「はい…松本に家聞こうとしたら拒否られて。」


「ああ…ふふ、松潤(笑)優しいな(笑)」


「優しい?」


櫻井さんが不思議そうに聞く。


「俺が待ってるだろうと思って、入れ違いにならないようにしてくれたんだよ。」


行くとは言ってないけど…そう読んだんだと思う。


松潤には敵わない。


「……そうですか?アイツがそんな…まぁ、気は利く奴ですけど…根も別に、そんな悪くはないですけど……」


語尾を小さく不満そうに松潤を褒める櫻井さんは、何だかとても可愛くて。


「まっ、クソ生意気ですけどね。」


ふふ。素直じゃないんだから。


「仲良くしてね。これからはチームなんだから。」


「……そうですね。」


櫻井さんがポリポリと眉をかく。


「でも、俺はニノとゲームで…大野さんと松本と雅紀さんはホテルか…一緒のチームが良かったです。」


…何、それ。


本気で言ってる?


「……櫻井さん…ふふっ、あはははは!可愛い!!」


思わず笑っちゃって、背後でムッとする気配。


「だって!…暫くは…こうして会えないんでしょう?だから…今日、こうやって会いに来てくれたんでしょう…?」


ぎゅって抱きしめられて。


その腕の力に、櫻井さんの想いを感じて…思わず微笑む。


「…うん。多分忙しくて、暫く2人では会えないかもしれない。でも、会社では会えるよ。」


ざっと色んなことを考えてみたけど、寝る間も惜しんでやることがたくさんあって。


企画書を作ることは勿論だけど、


その前準備も簡単に行くとは思ってない。


オメガの意見を集めるマーケティングも、経費が多めに必要で…


そのためには経理部を納得させるだけの前準備が必要で…。


一つ前に進むだけで、多くのハードルがある。


きっとまぁくんは社長や役員さんへの根回しをしてくれて、松潤にはマーケティングの環境作りと項目追加をしてもらうことになる。


これは全部仕事の合間か、プライベートでのこと…。


櫻井さんと会ってる時間は、多分…暫くない。



それに


会ってしまえば、きっと甘えてしまうから。


自分のせいで皆を巻き込んでるっていうのに


こうやって時間も忘れて触れ合ってしまうから…。


だから、会うのは控えないといけない…と思う。



「そりゃ会社では会えますけど…1年で出向は終わるし。多分この計画は、少なく見積もっても2年はかかるだろうし…」


櫻井さんの苦しそうな声に、胸が締め付けられる。


「…なるべく早く終わらせる。頑張るから…ごめんね…。」


「いえ…俺がそうしたいんで謝らないでください。でも、大野さんは…不安とかないんですか?俺は…不安ですよ。こうやってのんびり二人きりで過ごせる時間、次はいつ…持てるのかなって…。」


櫻井さんが小さく呟く。


ぽちゃ、と水滴の音が響く。



ああ、あの日の俺みたいだ。


思わず、ふ、と笑う。



「俺はね、もう何も不安じゃないよ。てゆーか、不安を消してくれたのは櫻井さんだよ?」


「え?」


ぱちゃっと水から出したのは左手。


薬指に光る指輪は、纏った水滴をぽたぽたと落としている。


「この指輪もらったから、もう大丈夫なの。大好きな恋人が、俺のとこにしか帰らないだなんてすごく嬉しいこと言ってくれたから…。」


あの時は、櫻井さんを縛り付けることへの不安だったけど。


勘違いして言ってくれたコトバに、今こんなにも支えられているだなんて。



角度を変えると、周りに散りばめられたダイヤと青い石がキラッと光る。


まるで『ここだよ』って主張してるみたい。


櫻井さんの帰る場所は、ここ。


…みたいに思うだなんて、独占欲が強くて呆れちゃうかなぁ?



「俺の帰る場所も…櫻井さんしか有り得ない。俺の全てだよ。もし他の人に噛まれたら、自殺するって位…死ぬ気で守るね。


…てゆーか、俺も指輪用意しときゃよかった…あーもぉ、気が利かなくてごめんね…。」


「…大野さん…」


きゅっと再度力を込められる腕。


「そんなの、いいですから。それに、自殺とか、冗談でもただの例えでも…言わないでください。」


俺の鎖骨前に巻かれたその腕が少し震えたから、下から包み込むように抱える。


…例えでも…そうだね。


わかった、ごめん。と呟く。


「俺ね…。頑張らなきゃって、思ってた。誰よりも。どんな人よりも。一生独りで生きることになっても、まぁくんに償わなきゃって。


だけど…一緒に頑張ってくれる仲間が出来た。すっごく優しくて、頼りになる仲間が。そんで、」


後ろの櫻井さんに寄りかかり、猫がするみたいに頬をすり寄せる。


「一生一緒にいたいと思える人にも、出会えた。更にその人が、一緒に俺の罪を償ってくれるって言ってくれた。…俺がどれだけ嬉しいか…分かる?」


ちらりと後ろを見ると、櫻井さんが柔らかく、あったかく微笑んでて。


その顔があまりにもイケメンで…ドキッとして、また前を向く。


「だからね、何だって頑張れるの。この指輪があれば…俺はいつだって元気になれる。1人じゃないって、再認識できる気がするの。」


「……よかった。」


櫻井さんが優しく言う。


ぽちゃん。


水滴が落ちる音が、静寂を際立たせる。



「…でも…」


くるっと身体を捻って、櫻井さんに向き直る。


「寂しくなったら、また…今日みたいに、この家に来てもいい?」


言ってることめちゃくちゃだけど…


きっと、寂しくなることだって…ある。


申し訳なくなって俯くと、櫻井さんがクスッと笑う。


「ダメなわけないでしょ。」


ほっぺたを包まれて、微笑まれる。


「俺はいつだって…どんなに立て込んでたって、どんなに時間がなくたって、あなたに会いたいから。そしたら元気になれるから。いつでも来てください。」


「…ありがと。」


「その時は、容赦しませんけどね。」


にっと笑われて、ひと呼吸おいて理解して、真っ赤になってしまった。



その後も…お風呂で1回、出てからも1回。


暫く会えない寂しさを、ぶつけ合うように。


愛 し合った。



幸せで怖いくらいなのに、何だか少し…


切なかった。