No control3 | 1年だけ先輩。(基本お山)

1年だけ先輩。(基本お山)

やま。いちご。そうぶせん。

理解した方だけしか読まないでください(笑)
ごにんに心奪われ続け、眠る身体も起き出す状態です。

脳内妄想を吐き出す場として利用しようかなと思ってます。
ご気分害されたらごめんなさい。
※主軸は21です!

※妄想のお話です。


言いたいことはとってもわかります。
でも多分、次の方が文句言われるんです。
わかってるんです。笑









【Side 櫻井】


「櫻井さん!お待ちしておりました!知念と申します。部署までご案内致します。」


出向当日。


出迎えてくれたのは小柄な男だ。


なかなか立派なビルで、エントランスは思いのほか広い。


ビルには多種多様な企業が入っているらしく、受付嬢も3人いる。


すれ違う人や受付嬢がアルファに気付き、チラチラ俺を見ていて煩わしい。


それを無視し、3つ並んだエレベーターの、真ん中に誘導されて乗り込む。


「ありがとうございます。えっと、私が行くのは…?」


「マーケティング二課です。7階になりますので、今後こちらのエレベーターから上がってください。」


「わかりました。…あの、知念さんも二課ですか?」


ウィーンと機械音が鳴る中、隣の男から情報収集をする。


「僕は6階の総務課です。二課だったら良かったのにと毎日思ってますけどね!」


「はぁ…どうしてです?」


「僕の大好きな…いえ、憧れの方がいらっしゃるので。その方の下で働きたかったってずっと思って異動願い出し続けてます。」


うっとりする目でその人を思い出しているようだった。


「なるほど。」


因みにどの人だ、と聞こうとするも、タイミング悪く扉が開いてしまう。


「こちらです。」


案内されたフロアの端の扉をカードキーで開くと、数人にバッと視線を向けられる。


もしかして、アルファ…?という囁き声が、キーボードを叩く音や電話の声の合間に聞こえる。


やっぱり、新しい場所はめんどくせぇ。


知念の後を続き、フロアの奥の一番偉そうな席へと移動する。


パソコンで遮られたそのデスクに誰もいないことを疑問に思っていると、


「お疲れ様です。知念です。」


パソコンに向かって知念が話しかける。


するとその奥からのそっと頭が見えた。


「あれ…あ、そっか。今日だっけ?」


顔を上げたその人は異様な姿勢の悪さでキーボードを叩いていたということがわかる。


そして立ち上がり、ふにゃんと笑った。



「初めまして。マーケティング二課の部長の、大野です。」



ドクン。


心臓が大きく高鳴った。


そして…



『んー、表現難しいけど…ゾクってくるんだよね…』



俺は生まれて初めて



他のアルファのオーラというやつにあてられた。



「櫻井さん?」


知念に呼ばれてハッと我に返る。


「あ、あの…YM Systemから参りました、櫻井です。よろしくお願い致します。」


慌てて名刺を取り出し、交換する。


大野さんは俺の名刺を見て、クスッと笑う。


「かっこいい名前ですね。顔に合ってる。」


「……っ」


こんなこと、言われ慣れているのに。


何故か心臓がバクバクする。


な、なんだこれ…?


強いアルファは、こんなにも人を掻き乱すものなのか?


よく自分が笑顔になるだけで頬を染めて口篭る姿を見てきたけど。


「あ…ごめんなさい。俺変なこと言っちゃったかな?」


「あ、いや…」


頭を掻き、苦笑して知念を見る大野さんは部長と言えど俺より下に見えた。


かく言う俺も、一流企業の中で25歳の時から主任を任されている。


就職する時必ず血液検査の結果を提出し、入社してすぐに改めて血液検査をする。


それで上層部はアルファの人材を把握し、出世コースかそうでないかを振り分ける。


アルファとは、それくらい他の2種とスキルや優遇が違う。


だから若くして地位ある立場につくアルファもたくさんいて然るべきなのだ。


「いえ!大野さんはいつも正しいです。」


キラキラとした目を向ける知念を見て、確信する。


なるほど、君のお目当てはこの人か。



猫背で身長もそれ程高くないのに、何故か『綺麗だ』と感じさせる隙のない動き。


柔らかい笑顔の中にも憂いを帯びた表情…。


その一挙手一投足に、目が離せない。



…この俺が。