【Side 二宮】
「…あれ、服着てるじゃん!」
「は?!そりゃ着てるよ!裸なわけないでしょ?!」
そういう意味じゃないんだけど。
てゆーか寧ろ裸ウェルカムなんだけど。
体育教官室に着いたなり相葉さんがTシャツを着ていてがっくりする。
二宮って体操服着た相葉さん見たかったな~。
写メ撮って待ち受けにしたり拡大して部屋に飾って頬ずりしたり、
口のとこ穴 開けて 突っ込 んで擬似 フェ ラ体験したかったな~。
「……?!な、何か寒気した。」
「大丈夫相葉ちゃん?」
「ありがとね、大ちゃん!大丈夫!俺、身体丈夫だから!」
「丈夫なんですね、良かった!色々出来るんだ。」
「……色々って何……?」
ああ怯える相葉さんもたまらない。
その目尻に涙浮かばせて「にのぉ…」って言わせたい。
あれ、俺突っ込 まれる側かと思ってたけど、逆でもいけんじゃねぇか?(←どの口が)
「とにかく、服は大丈夫だから!ありがとね。」
「…じゃ飯食いに行くか。」
「うん!じゃぁね、相葉ちゃん♪さよーなら!」
「バイバーイ!」
「また明日、相葉さん!」
名残惜しいが俺の腹が限界を迎えている。
ぺこりと頭を下げて、後ろ髪を引かれる思いで体育教官室を後にした。
駅前のハンバーグチェーン店。
安いしメニューが豊富だからお気に入りの店だ。
俺はハンバーグとライス、智はパフェを頼み、無理矢理付き合わせたからポテトを奢ってやった。
「しょっぱいのと甘いのとか永遠やめらんないやつ。」
「じゃ永遠食ってろ。」
「無理だよ~。」
意味わかんねえよ。
支離滅裂じゃねえか。
今更だけど。
「この後、どーする?」
「あ…勉強しないとダメだよね~。おいらんち?片付けてないけど。」
「んじゃ俺んちにするか。」
でもなぁ~…
相葉さん盗撮ファイルvol.21の制作に取り掛かりたいんだけどな~。
流石にテスト前はダメか。。
とか思ってると視界に影が出来たから、ハンバーグを頬張りながら顔を上げる。
「……あれっ?」
「よぉ。」
濃ゆーい顔が現れ、片手を上げている。
「あれ、松本先生?」
「何やってんのこんな所で。」
「お前ら探しに来たんだよ。」
「おいら達を?何で??」
「翔く…君らの担任に頼まれてね。」
……サクショーがJに頼むとか何事??
眉間にしわを寄せると、Jも首をひねった。
「俺もよくわかんねーんだよ。とにかく今日は翔くん抜けれない会議あるから、俺にいけってさ。」
「あぁ」
思い当たる節に笑う。
「キスの練習ってやつか。サクショー聞いてたんだ(笑)」
「何だそれ?」
「智がね…。」
ちらりと智に視線を移すと、口の端にクリームつけてにっこり笑う。
「おいらニノとちゅーの練習するの~。」
するの~じゃねぇよ。
5歳児か。
「はっ?!」
「よくわかんないでしょ?でもまぁ俺、ファーストキス✨も終わってっからいいかなーって。」←自慢げ
「…待て、大野は?」
こそっと俺に耳打ちしてくるJに、不本意ながらのキスを思い出す。
「…俺と(寝ぼけて)してある…。」
「何でだよ!まぁいいわ、翔くんとしてあるとか言われるより全然マシだわ。」
Jはいいかもしんないけどあの時はファーストキスの余韻おもっきし踏みにじられて超落ちたんだぞ俺…。
「二人とも何内緒話してんだよー、おいらも混ぜてよー!」
「ごめんごめん。ね、大野…その練習俺も混ぜてよ?」
「はっ?!」
何言ってんだ、と睨むとJが耳元で囁く。
「相葉くんオトしたいんじゃねーの?あーゆータイプは火ィつけりゃ一気にイケ んだよ。…俺、結構経験豊富で自信あるけど、教えて欲しくねぇの?その気にさせる、最っ高の舌 テクニック。」
ニヤリと舌なめずりして笑う変 態 養護教諭に、思わずゴクリと生唾を飲み込む。
「…お願いしますっ…!」
しっかり頭を下げた。
プライド?
そんなもん微塵切りにしてハンバーグに混ぜて食ってやるぜ!!(←自分に戻ってきてる)
「うむ、よろしい。」
「ん?松本先生もちゅー練習するの?」
もしゃもしゃとポテトを頬張る智にJが笑う。
「練習っつーか、どちらかと言うとコーチかもね。」
Jが紙ナプキンを取って智の口のクリームを拭う。
顔、近っ!!
その距離、10センチほど。
にんまり笑うJ、流石の手腕…!
「松本先生はちゅーのコーチなの?」
しかし智、きょとん顔。
ある意味最強………。