甘くて苦い23 | 1年だけ先輩。(基本お山)

1年だけ先輩。(基本お山)

やま。いちご。そうぶせん。

理解した方だけしか読まないでください(笑)
ごにんに心奪われ続け、眠る身体も起き出す状態です。

脳内妄想を吐き出す場として利用しようかなと思ってます。
ご気分害されたらごめんなさい。
※主軸は21です!

※妄想のお話です!ご注意ください。


















「智くん…やっぱ俺、智くんのことすげえ好きだわ。」


大野は突然の言葉に驚いて振り返る。


「これは…ちゃんとした恋だ。」


その目は慈愛に満ちたマリア様のようだと大野は思った。


言葉よりも瞳が、その気持ちは本物だと語っている。


どくん、どくんと心臓が騒ぎ出す。


『誰にもとられたくないなーって思ったんだ。』


『好きって気持ちに応えたいなって。』


そう言っていた優しい顔が脳裏によぎる。


この櫻井の笑顔を歪めたくない。


悲しくさせたくない。


守りたい。


大野はそう思った。




…相葉ちゃん、こういうことかな?


俺、まだ恋愛の好きかどうかはわかんねぇけど、それじゃダメかな?


翔くんと何かしたいっていうより、離れたくないって思ってんだよ。


今後のこととかじゃなくて、今、ただ一緒にいたいって思うの。


俺もだよ。


って言ったら、どんな顔するかなって、そんなこと考えちゃうんだよ。


それが…答えなのかな?




「……翔くん、俺……」


「あ、ごめん!つい言っちゃっただけなんだ。答えはちゃんと考えてから聞くよ。受け止めるから。今日だけは…夢見させて?」


大野の答えを遮り寂しそうに笑う櫻井。


大野は喉まで出かけた答えをぐっと飲み込む。


(こんなん中途半端だ。…ちゃんとしないと。全部。)


ぎゅっと拳を握りしめた。





櫻井を見送った後、すぐに携帯でとある男に電話をかけた。


「……うん、ありがと。頑張るよ。」


10分程話し、電話を切ると、目を瞑り深く息をつく。


今度は相葉の名前を探してタップした。


数回のコール音で、「はーい、リーダーどしたのー?」と明るい声が鼓膜に響き自然に笑顔になる。


「相葉ちゃん、今いい?」


「いいよー!どうしたの?」


「俺…聞きたいことがあって…。」


大野は相葉に思っている全てを相談した。


「………え、本気で言ってんの?」


「うん。ちゃんとする。ケジメつける。」


「俺、リーダーはこっちの人間じゃないと思ってたからビックリだよ~!」


「そうかな?まぁ、俺も最終的には違うとは思うんだよな。そんでも、これは俺からちゃんと向き合いたいんだ。俺のが年上だから、しっかりしないとって思って。」


「わかった。俺に出来ることなら何でもするよ!」


「ありがと相葉ちゃん!」


相葉としっかり話して通話を終え、携帯を見つめる。


待受画面には、櫻井の昨日の落書きが設定してあった。


「これ…何の絵なんだろ?」


首を傾げ、クスクス笑う。


「直角はすげぇ上手いんだよなぁ。」


愛おしそうに画面を撫でる。


携帯を尻ポケットにしまい、大野は「よしっ」と身支度をして外出した。