甘くて苦い1 | 1年だけ先輩。(基本お山)

1年だけ先輩。(基本お山)

やま。いちご。そうぶせん。

理解した方だけしか読まないでください(笑)
ごにんに心奪われ続け、眠る身体も起き出す状態です。

脳内妄想を吐き出す場として利用しようかなと思ってます。
ご気分害されたらごめんなさい。
※主軸は21です!

※妄想のお話です!ご注意下さい。
多分長めになります。。

















「俺、本気で行くよ?いいの?潤は。」


バーのカウンターで突っ伏しながら、上目遣いで隣の男を見やる。


松本は目を合わさないように、ウィスキーの入ったグラスをカランと鳴らした。


「……だから…関係ねぇっつってんじゃん。」


そのまま口に運び、多めに流し込む。


ごくり、と喉が鳴った。


なんだかその音がいつもより大きく聞こえる気がして、耳に残る。


「あ、そ?じゃいただきまーす♪」


「っ…。そんな簡単じゃねぇよ。」


「俺、結構狙った獲物は逃がさないタイプなの、知ってるっしょ?」


ニヤリ、と小栗は笑った。


そんなの、わかってるよ。


松本はイライラしてくる。


でもそんな態度を出したら負けだ。


そう自分に言い聞かせて、平静を装っている。


それすらも小栗はわかっていて、ニヤニヤしている。


「ご自由に。俺は関係ないから。」


テーブルに一万円札を叩きつけ、ガタンと立ち上がる。


「あれー?どこ行っちゃうのー?」


「帰んだよ。明日早えーから。」


「ちぇ。楽しく飲んでたのになー。番組収録?5人?」


「雑誌の撮影だよ。…リーダーと2人。」


「そうなんだー。よろしく伝えといてよ?もうすぐドラマ始まるし、番宣でお邪魔する時にちゃんと連絡先聞くけどさ?」


松本は背を向け、無言で片手をあげて階段に足をかけた。


「素直じゃないねぇ。」


クスクス笑う小栗の小さな声はグラスに吸い込まれた。






「おはようリーダー!」


「ぅおっ?!…お、おはよう…」


勢いよくドアが開いて、イライラMAXな松本が大きめな声で挨拶した。


イラついていると声が大きくなる。


でも挨拶はしっかりする。


変わったその癖を、メンバーは皆知っている。


(触らぬ神に祟りなし…)


マネージャーも同じように思ったらしい。


すぐに「ディレクターに予定確認してきますねー」と出て行ってしまった。


静まり返る室内。


しかし、やけに松本はチラチラと大野を見ていた。


無視するのも怖いので、大野は恐る恐る話しかける。


「…どうしたの?」


見ていたことも、ましてや怒っていたことも自分で気付いていなかった松本は、一瞬ビックリする。


「…別に?何で?」


何でもない風にコーヒーを入れる。


楽屋にはコーヒー、紅茶、ジュース、お茶、水が置かれている。


松本は何となく、普段は入れないミルクと砂糖を手に取った。


気持ちが落ち着いていないからだと本人は気付かない。


「いや、なんか…怒ってるみたいだから…」


怒る?


松本は驚いた。


何故自分が怒らなければならないのか。


不機嫌であることは認める。


しかし、怒る理由は持ち合わせていないつもりだった。


「怒ってないよ。」


無理矢理作った笑顔で大野を見る。


無理していることが、バレバレだとも知らずに。


「…なら、いいんだけどさ。まぁ無理すんなや。話聞くだけなら出来るし。翔くんやにのみたいにアドバイスは出来ねぇけど。」


んふふ、と笑う大野に松本は癒される。


と同時に、松本は昨日の小栗のセリフを思い出していた。