いや~「今月の課題は・・・」はなんですけども、「は名書」が忙しくて、あれよあれよという間にもう月末ですよ。
時が経つのは早いもので「は名書」は今月で終了となります。次にアップするもので最後です。お疲れ様でした。
では本題へ。
来年から道徳の成績がつくようになりましたね。
「パン屋」と「和菓子屋」論争によって世間に広く知れ渡ることとなったわけですが、3年前に道徳教育が本格化されようとしていた時にこんな記事を書いていました。この時僕は老子の言葉を課題にしていなかったんです。そう、今月のために3年間温存していたわけです。
ということで、今月の課題は「老子」の言葉。
結局のところ、和菓子として有名な「饅頭(まんじゅう)」と「羊羹(ようかん)」も、元はと言えば中国から伝えられたもの。中国でのそれは肉料理だったけど日本の禅宗では肉食は禁じられていたから小豆でアレンジして現在の姿に。そもそも、その禅宗も中国禅が日本に伝わり日本禅となったわけで。日本は何かとアレンジが得意。
で、今回の課題を作っているときに、老子の「大器晩成」について調べていると、まさかの事実を知ることとなりました。大器晩成とは晩年に成功するという意味じゃないですか。これは8世紀初頭の老子の石刻に刻されていたものなんですね。ところが、1973年にそれよりも2世紀以上遡るものが発見され、そこには「大器免成」とあったそうな。これは「大器は完成することを免れる」という意となり、無欲な赤ん坊こそが理想的な姿、としている老子の思想にぴったり当てはまる。
老子(道徳経)は、儒教が説く実践道徳など必要ないとし、知識を求めすぎるがために争いが起き世が乱れる、自我を捨て無為自然に生きることができれば世界は平和になり人々は幸せになるのだと説きました。その「無為自然」が禅の境地ともいえます。
道徳に点数をつけるという人為はもちろん自然ではないですが、文句ばかり言っても仕方がない。現代においては環境に適応していく能力も付けなければいけないんですよね。すったもんだしながら道徳的実践力を身に付け、そこから自然に還っていくのも道理かなと思ったりもします。
まあそうですね、この「今月の課題」は道に迷った時の「道しるべ」として活用してもらえればと思っています。
老子は「美しく飾り立てられた言葉には心理はない」と仰いました。また、禅語には「不立文字」という「悟りは文字では伝えられるものではなく、心から心へ伝えられるという、以心伝心の境地を表したもの。」とありますので。
それでは、今月はもう終わってしまうのですが、課題の一部を
来月からは、毎年恒例の毎日硬筆展の練習を開始します。
募集要項を配布しますので奮ってご応募ください。
どうぞよろしくお願い致します。