以前の記事でD級アンプを作ったと書いた。(基板を結線しただけだが)さて、現在オーディオアンプから汎用アンプまでD級アンプが増えている。D級アンプとはデジタルアンプと言っているところもあるが、原理的にはデジタル信号は使用してないので、デジタルアンプではないと思う。アナログ信号をPWM(パルス幅変調)して、そのパルスの振幅を大きくしてから、LPFを通すことによって、高周波成分を除去すると、もとのオーディオ入力信号が増幅されるというやつ。パルスを扱うのでデジタルアンプといっているのかもしれないが、PWM信号はある意味アナログである。

 実はこのPWM信号アンプは仕事でつきあってた時代があり、それなりに知見があった。なのでこの仕組みがオーディオアンプに使われていることをしって驚いたものだった。

 さて最終段のLPF(ローパスフィルター)だが、ここの性能が音に影響するはずである。しかしかなり以前からフィルターレスといってこのLPFがないアンプ基板をいくつもみてきた。理屈としては、スピーカーのインダクタンスと途中のラインのリアクタンスのフィルター効果を期待するみたいな理屈を聞いたとき、「そりゃオーディオアンプとしてどうなの?」と疑問に感じていた。なので今回もLPF回路がしっかりとはいった基板を使った。

 しかし、すこし調べてみると第2世代以降のD級アンプは最終段のMOSブリッジを駆動する信号の位相が初代とは異なっているらしい。位相、タイミングなどもろもろ。よく理解できなかったのだが、そのおかげでフィルターレスでも問題ないようになっているとのこと。

 ただし小出力に限るらしい。(数w)大きな出力ではやはりフィルターが必要とのこと。

おもしろいレポートがありました。フィルターレスアンプでそこそこ使われる PAM8610 についての実験レポートでフィルター付けた場合とそうでない場合の波形比較などの結果です。

 それによると波形をみるかぎるではフィルターがないと相当の高周波成分がみられる。しかし音で聞くとほぼ同じである。オーディオアンプで使う分にはフィルターはいらないだろう。

 というもの。たしかに高周波成分は200KHz以上なので耳には聞こえません。なので問題ないらしいです。FCCなどが規制している出力がでなければいいということでしょう。規制値を越えた場合はフェライトコアなどで抑制するといった感じでした。

 ということなので、使ってみたくなったのですが、日本の kohacraftのshop というところでちょうど PAM8406 をアンプキットが販売されていて600円だったので速攻購入。回路図みるとほぼ基本回路でフェライトなどはなしです。届くのが楽しみ。しかし自分が購入するときは 残り6台 だったのですが3時間後にみたら売り切れになってました。速攻購入でよかった。

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