作務が終わると、部屋に戻って直綴に着替えます。
通常ですと、この後はただひたすら座禅をすることになります。
旦過寮にいる間は食事や作務、法要の時間以外は座禅をして過ごすのが基本となっています。
しかし、可睡斎のような専門僧堂では修行僧の人数が少ないため旦過寮を出たらすぐに即戦力となって働かなければなりません。ですから、座禅をするとともにお経や作法を勉強する時間となっています。
勉強するというよりは、必死で覚えるといった方がいいでしょうか。
僧堂では結果がすべてであるため、覚えられない=修行する気がないということになってしまいます。
ですから、日中の空いてる時間はひたすら覚えることに専念します。
とはいえ、朝早くからいろいろなことをしているので眠くなります。また、ずっと座禅を組んでいるので足が壊れるように痛くなります。
それでも、古参和尚がしばしば監視に来るので足を崩すこともウトウトすることもできません。
まったく休憩なしでひたすら覚えようとするのでかえって頭が働かず、なかなか覚えられません。
ただ、トイレに入ることはできます。旦過寮にいた時、一番の楽しみはトイレに入ることでした。
このつらい日中を乗り越え、夕食(薬石(やくせき)といいます)を食べ終わると
僧堂へ向かい、夜の座禅の時間となります。