この世界は僕のためにあるのではない、当たり前だ。
地球は僕のために廻ってるわけではない、当たり前だ。
僕は70億ちょっとの人類の中のただの1個体である、当たり前だ。
僕がどう思おうがどう行動しようが変えられないことがある、当たり前だ。
僕が許すかどうかなんて関係なく君は消える、当たり前だ。
当たり前だ。
でも
そこに意味なんて無くたって
僕は、そんなこと許さない。
世界中の誰もが僕を許しても
僕が僕を、許さない。
さようなら、未来。
それでも大切な過去は手放さないよ。
ここに大事に抱えてる。
お久しぶりです。
話したいことがたくさんあって
話したいことなんて何も無い。
今日はよくある現実の話はやめておきませんか?
僕が書きたいことが
事実・現実・真実などのことではないことくらいは
僕をよく知るあなたならわかるでしょう?
目の前の現状を、実状を知ったところで
あなたは何も面白くないはずだ。
そんなことが知りたいのなら
140字の日常においで。
そこに収まることができない
感情と思考の逝き先が、此処だ。
遠く離れた場所で、繋がって。
真っ赤な装いをした少女は、ある日呼ばれた。
「マゼンタさん、
ゲームをしない?」
明るい赤紫色、マゼンタ
君を言葉で描くゲーム
そんな経験など無い少女は
先客に挨拶をした、それが参加の合図。
『こんばんは』
「どちら様ですか?」
『それは必要事項?』
「あなたは私を知っている?」
『知らないから此処にいる』
「知るために此処にいる?」
『そんなこと、どうだって良い。だってもう『「あなたは私のもの』」
ナイフとフォークを握りしめて笑う二人、或る日の光景。
その色、マゼンタ。
たくさん遊んでもらった少女は最後にお別れを
親愛なる8人の言葉の画家に。
彼女は静かに目を閉じた。
ひとりを選んだのは彼女自身だった。
彼女が大切に想い、また彼女を大切に想う人。
何処か遠くで
"元気にしてるかな"
なんて微笑みを浮かべてくれればそれで良い。
息を止める瞬間、左手で太陽を仰いだ。
薬指に光る指輪。
その色、マゼンタ。
ゲームは終わりを迎えた。
これが、僕らの色だ。

(
9人の中に紛れ込んだ、本物の画家さんからのプレゼント)
「また遊ぼうね」と大きく手を振りながら。
今まで、自分のことを例え話として
空想上の物語として話してきた少年。
いろんなことを背負って抱きかかえて
それでも平気ですよって笑って歌っていた。
欲しいのはたったひとりの女の子の笑顔。
それをようやく得られた少年は
今までにない笑顔で
それはそれは幸せそうに、歌うんだ。
少年の持つ素敵なお話を
それはそれは宝物のように教えてくれるんだ。
私は、それがとても嬉しい。
私は今までよりも
少年を愛おしいと思った。
君も、彼のお話聞いてみたいと思わない?
君は、強い。
黄色の雨合羽を着た偽善者が、此処にいる。
僕は偽善者でいることを誇りに思う。
私の存在を認めて
私の存在を隠して
私の存在を喜んで
私の存在を罵るために
"偽善者"として生きていく。
それを褒めて愛でてくれる君はわかっているのかな。
其の実、弱くて甘えて逃げてるだけの重病人だということを。
知ってる?知らない?
知らないで私のそばにいるの?
なら、いらない。
君、いらない。
知ってて私のそばにいてくれてるの?
なら、離さない。
君、離さない。
「あまのじゃく」
存在する言葉に当てはめるのなら、そう呼んでくれ。
僕の偽善は、あの人の真似ごとであって
それこそ"偽物"なのだ。
それを見抜いてくれる人だけが
私の味方で
僕の敵なのだ。
「僕は強いだろう?」
頷けば、私が睨み
否定すれば、僕が落胆する。
ねぇ、言いたいことわかる?
最後に、作り話でもしよう。
「
赤ずきんを被った少年」
躓いた。
転んでしまうじゃないかって足元の糸に文句をつける。
赤くて脆い糸、だった。
誰だよ、こんなのを張っておいたのは。
先を辿る、辿る。
街で噂の赤ずきん。
まるで中身は少年の、赤いパーカーを着た少女。
彼女は少年だ。
みんな口を揃えてそう言う。
それを本人も快く思っていた。
"僕は女なんて生き物じゃないのさ!"
糸の先には
ひとりの、男。
糸を仕掛けたのはお前か、と
問い詰めることはできなかった。
問い詰めるべきは
自身の感情。
気付かないフリをして
そうだ、こっちは何処に繋がっているんだ?
…誰に繋がっているんだ?
僕に
私に繋いでみては、駄目なのか?
その赤い糸を噛み千切って
己の小指に結び付けた。
その瞬間から
赤ずきんは
少女でも少年でも無い場所に立たされ
足元もおぼつかず、視界も靄がかかり
長い間苦しんだ。
どれほどの歳月を重ねたかどうかなんて記憶は無い。
ただとても長く感じた。
少年である少女を好いてそばにいたものは
心配するそぶりをしつつ
少しずつ、近寄らなくなってしまった。
赤い糸の先の男はそばにいた。
もちろん、糸で結んだからだった。
少女はハサミを取り出し、小指を掲げる。
「私は、あなたが好きだ」
まっすぐ、涙目で男を見つめながら言い放ち
その糸を切った。
糸を切り離したところで
少年に戻ることはできなかった。
でも少女は笑った。
"女の子の方が、赤い服似合うだろ?"
今日はこの辺で
またいつか。
少女の赤い糸を、男が結び直したお話は
まだこれからのお楽しみに。