「理解と差別は同じだよ」
レズビアンが漫画の中で言ってた。
その詳しい仕組みはわからないけど
その言葉は
私の心に、すとんと落ち着いた。
僕らは金魚鉢の中の、モニュメントだ。
この金魚鉢に金魚は居ない。
インテリアのようなものであって。
外界の光が反射してキラキラする世界。
だから空は青い。
だから世界は丸くなる。
たぶん言葉にすることは無意味。
「快晴」
そう思える時に
金魚鉢の中に住んでる気持ちになって空を見上げて
世界をのぞいてみて。
そしたら僕の言おうとしていることがわかると思うんだ。
この世界は、すごく綺麗だ。
家の中で行き倒れてたりする。
日々。
帰ってリュックもコートもマフラーもそのままで
ベッドに丸まってる。
そこで音楽を1曲分聴いて軽く毒を吐いて
私は「ただいま」と言う。
ちょうど、うちの部署が愚痴の吐き溜めになっていて
もう毎日毎日同じようなくだらない
主観的で自己中心的な愚痴を
愛想笑いで返してる。
おかげで最近、愛想笑いが下手になったよ。
心底疲れてしまって喉まで
「うるせぇ、黙れ、馬鹿が」と出てきて
必死に飲み込んだら
世界の照明が落ちた。
弱虫で臆病者だから、それが間違ってるとはとても言えません。
そうやって
少しずつ、この世界を軽蔑する。
これが世界の在りようならば
何とも深い絶望と失望に包まれるでしょう。
あぁ。
だから私は
愛し合うフリをして軽蔑し合ってる。
息が詰まる。
私はこの道を選んで正解だと思った。
あの沼の中に生きるのは辛すぎると思った。
そして
どうにかしてこの醜さも
美しくできたらなぁと思っている。
綺麗なものは美しいけど
汚いものも美しいと思う。
汚いものは綺麗じゃないけど。
さて。
私は、この世界に色を付けられるのかな。
とりあえず
絵筆を持つことから始めよう。
できる、とか
できない、とか
そういう次元の話じゃなくて
私はもう一度
両目を閉じて、両手を広げることにした。
たぶん
また、跳ね返されてしまう。
それでも
私は手を広げて生きたい、そう思う。
それくらいで
立ち止まってる場合じゃない。
世界を軽蔑するフリして
世界を愛したいと思っている。