【読んだ本】 あきらめない貪欲さが必要 | kottsunのLogノート

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光の教会

安藤忠雄 仕事をつくる―私の履歴書 』 安藤忠雄
 
 日本経済新聞のコラム「私の履歴書」に掲載されていたものをまとめたものになり、安藤忠雄と言う人物がどうやって作られ、そしてどういうことをしているのかということがよくわかります。
 
 このタイトルの「仕事をつくる」とは、大学を出ていない安藤さんの若かりし頃の体験からきています。

私は、当時から仕事は自分で作らなければならないと考えていた。事務所に座っていても、仕事が向こうからやってくるわけはない。実績のない私に、依頼者など来るはずもないのだ。学歴も、社会的基盤もないとは、こういうことかと痛感させられた。

 そのために安藤さんやってきた努力というのはかなりのもので、

大学4年間で学ぶ受業の本を1年間独学で学ぶ
2級建築士の資格をとるために、昼間の時間をパンをかじりながらひとりで勉強

などのエピソードが書かれています。

なるほど、これだけのことをやってきたから今の安藤忠雄という人物ができたとのかと納得するとともに、今まで単なる建築家としてしか知らなかった安藤忠雄という自分についてもっと知りたいと思うようになりました。

 ちなみにこの本の中には安藤忠雄の代表作品の写真がいくつか掲載されています。どれも「素敵」と思えるものばかりですが、特にU2のボノも見に来たという、大阪府茨木市にある「光の教会」はとても関心を持ち、近所ということもあり、一度行ってみたいと思いました。

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最後に頼りになるのは自分の力だけである。社会も私にとっては一つのリングなのである。
 
 
技術が進歩しても、仕事は人と人との生身の対話で進められるべきもの。コンピューターの時代になっても事務所の基本理念はローテク主義、生の会話、直接のやり取りを重んじている。
 

小さな点からでも、情熱を持って辛抱強く続けていれば必ず実はなる。大切なのは、心をつないでいくこと。人間も建築もまちづくりも一緒である。
 

自信を持つなとは言わないが、建築も社会も理屈だけで乗り切れるほど単純ではない。大学を出た後、厳しい現実を生きぬいて自分の仕事を貫くために必要なのが、なんとしてもあきらめない貪欲さだ。


 
建築をつくる行為は、人を育てることに似ている。人間と同じように、敷地にも性格がある。一つとして同じ条件は無い。私たちはまず、既存の建物や、街並みの風景など、そのうち敷地の個性を的確に読み取り、それを生かして計画に臨まなければならない。
 

本来子供は友達と自由に、自然と戯れながら遊ぶ中で、好奇心をはぐくみ、感性を磨き、挑戦する勇気や、責任感を養うものだ。今、子供たちは親の敷いたレールの上を走ることに精いっぱいで、過保護に育てられている。自分で考えるという体験が絶対的に不足しており、緊張感も、判断力も、自立心もないまま成人し、社会を支える立場に立つことになる。


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