【読んだ本】 正しい判断とは | kottsunのLogノート

kottsunのLogノート

主に、読んだビジネス書のこと、iPhone関連、パソコン関連のことなどを書いています。


35歳からの人生改造ノート  ~将来を良くするため、自分を創る努力~-富士ゼロックス

小林陽太郎 ― 「性善説」の経営者 』 樺島弘文

富士ゼロックス元会長であり、ソニーの社外取締役でもある小林陽太郎氏について書かれた1冊ですが、小林氏の記述というよりは、富士ゼロックスという会社についての記述の方が多いです。
その理由は文中に書かれていたこの一文が語ってくれています。


小林はカリスマ型の経営者ではない。強烈なリーダーシップを発揮して、自分の思いのままに会社や社員をぐいぐい引っ張っていくのとは違う。また斬新なビジネスモデルや創造的な経営手法を駆使して、事業を展開していくタイプでもない。むしろ、小林の経営手法は、周りの意見をよく聞き、その本質を捉え、合意を形成した上で実行に移すというものであった。


まさにこの一文が小林陽太郎というのがどういう人物であるかを端的に表してくれています。


ただ富士ゼロックスという会社がやってきたこと
・ビューティフルキャンペーン
・TQC
・ニューワークウェイ
などは、今ではポピュラーになっていることを、初期の段階からやってきたことでもあり、それを指示してきた小林氏というのは、やはり先見のある人物であるという印象を受けました。

小林陽太郎という人物を知ることもいいですが、富士ゼロックスという会社から、今企業に必要なことは何かを学ぶ点で、この本を読んでみるのもよいかと思います。

===========================================
目次

プロローグ 引退スピーチの日
第1章 「人間」小林陽太郎
第2章 ビューティフルキャンペーンの衝撃
第3章 「一番の仕事」はTQC
第4章 販売会社は何をもたらしたのか
第5章 ニューワークウェイは正しかったか
第6章 小林は後継社長たちに何を託したのか
第7章 「企業の社会的責任」とは何か
第8章 「再アジア化」論と中国
第9章 アスペンの夢

===========================================

勘と経験と度胸に頼った営業方法から、徹底的重点志向による営業への転換


謙虚という事は、自分以外にも良いアイディアがあることを素直に認めることです。人の話を謙虚に聞く、というのは新しい違うアイディアに寛容である、オープンであることの証です。そこから、新しいものをクリエイトしていく創造性が出てくるわけです


人の話を聞くようにしなさい。悪い言い方をされて頭にくることがあっても、まずは「わかりました。そういうこともあるんですね」という言い方をした方がいい。それから「でわ、こうしたらどうですか」と、自分の意見を述べなさい。人の上に立つ人は、 「何を言っているんだ」と思っても、頭から相手のことを否定してはいけない


理念というのは、その時代時代に会社を構成する大部分の人が多と思える形で表現されるべき。


新しさだけで、商売ができるはずはありません。地道にきちんと必要な利益を出していく体質と、将来に向かって企業の持続性を担保するもの、その両方が必要なわけです。


「良い会社」とは、何か。
一言で言えば、 「強い」 「やさしい」 「面白い」を兼ね備えた会社
「強い」が意味するのは、企業として経済活動面で十分な成果をあげること。つまり、お客様に優れた価値を提供し、利益を上げ、株主を始めとするステイクホルダーズに貢献するということ。
「優しい」が意味するのは、企業はその事業活動だけでなく、社会奉仕活動等を通じて、地域社会や国際社会に貢献するというものである。
「おもしろい」が意味するのは、社員にとって仕事や人生が面白いと感じられる会社を目指そうということだ。そのためには、社員一人一人が創造性を発揮できる職場を作り、社員が自分の成長を実感できるようになることが必要だ。また、個人個人が多様なライフスタイルを実現できることも求められる。


人間は何をするんでも、高い関心を持続していく人は、おもしろいということがとても重要です


品質に、高いとか、低いとかいうものはないと思います。では、品質は何かと問われれば、それは「お客様の求めているもの」でしかないのです。世の中では、よく高品質を求めてというような言い方がされますが、求めれるべきは最適品質なのです。


リーダーは、 「人類に対する未来の幸福」というものを持っていないとダメです。そして、リーダーは「謙虚さ」を持たなければなりません。


小林陽太郎 ― 「性善説」の経営者
¥1,890
Amazon.co.jp