営業のプロフェッショナルとは? | kottsunのLogノート

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大前研一と考える 営業学 』 大前研一


 この本の中に書かれていることは自分にはとても共感できました。ただ現状、この本の内容を理解して、取り組んでいる会社はどれだけあるのでしょうか?
 

 不況が続く中、物は溢れてきており、お客様のニーズは多様化し、営業が難しい状況になってきています。だからこの本に書かれているように今までの営業から、プロフェッショナルとして営業に変わらなくてはいけないのでしょう。


 ただ現実は、不況のため、気だけが焦っているのか、やることは営業の尻をたたくこと。そして予算数字がいかないからと、精神的な詰めをすることだけ。つまりその場の数字つくりだけで、長期的な営業戦略がなくなってきている企業が多いように感じます。
 

 会社を長期的に経営していくためには、営業のやり方をこの本の内容のように変えていく必要があると自分は思っています。ただ残念なことに、それを上にあげると「数字が行ってから言え!」「そんなこと考えているなら、そのぶん行動しろよ」という回答が返ってくるが現状です。 


今の現場を知らない経営者が多い会社の営業ほど難しいことは無い。そう強く感じます。

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目次

第1章 営業のプロフェッショナル化……大前研一
第2章 問題解決型営業のすすめ……斎藤顕一
第3章 営業のマーケティング・マインド……須藤実和
第4章 営業のセルフマネジメント力……川上真史
第5章 営業チーム力の向上……後正武
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「目標数値は必要です。しかし、はたして『数字を詰める』ことで、目標を実現できるのでしょうか。結局、数字を詰めようとするがために、無理な押しこみ販売に走ったりするのです。そこでは私は、数字の代わりに、『行動を詰める』ことを求めました。(中略)数字は自分の意志だけではどうにもなりませんが、行動は違います。100%、自分の意志でどうにかなるものです。」 二神軍平(現ユニ・チャーム取締役副社長執行役員)


◆問題解決型営業の3段階
第1段階
既存の製品やサービスを効果的に販売することに注力する。顧客が抱えている問題を理解した上で、自社の製品やサービスによって、これをどのように解決できるのかを提案する。問題解決力はまだ低い
第2段階
次は何を売ればよいかを考え、それを提案する。まだ満たされていない顧客のニーズを理解し、特定の顧客のみならず、多くの顧客に提供できる具体的な改善案や改良案を提案する。問題解決力は中程度
第3段階
新規需要の創造に向けて、明快なコンセプトを開発する。顧客との対話と質問を通じて、これまで営業も顧客も気づいていなかった新しい製品やサービスを構想する。問題解決力はきわめて高い


「売り込みはご法度です。『ぜひ提案をさせていただきたいのですが、そのためにはまず御社を知ることが欠かせません。そこで一度お話をうかがわせてください』と伝えて、まず会ってきてください。また『お客様の顧客』、たとえば他部門の人やエンド・ユーザーからも、併せて話を聞いてきてください」 ’SIの営業マンに対して)


◆アポイントメント取りの成功確立をあげる
・私どもは、お客様の問題点を十分に理解したうえで解決することをモットーにしております
・一度お話をうかがわせていただいて、問題点を整理したうえで、ご提案をしたいと思います
・30分ほどで結構ですので、幾つかの重要な質問をするために、お時間を頂戴できますでしょうか


そもそも組織は、一人の力ではできなことを、複数の人間が力を合わせて成し遂げるために存在しているのですから、ソリューション営業は原点に立ち戻った営業の姿であるともいえるのではないでしょうか


ブランドの番人である営業は、自社および自社の製品やサービスについて客観的に評価しておかなければなりません。なぜなら、顧客の見方や受け取り方と、自社の考え方は、往々にして食い違っているからです。このキャップを正しく理解し、それを埋めることによって初めて、営業はブランドの番人たりえます。


他社製品ではなく自社製品を採用すれば顧客企業の価値がより高まることを具体的に立証し、納得してもらわなくてはなりません。その一方で、熾烈な競争により、技術や品質の差がつけにくくなっているため、顧客を納得させるのは非常に難しくなっています。


優れた営業担当者は自社の製品やサービスを「売ろう」と思っていなことです。考えているのは、「自分の顧客であれば、この製品・商品をどう使うか」ということだけです。


いままでの営業は、顧客が自分に強制パワーを発揮してくるのに対して、接待や交換条件、上司の同行などあらゆる手法を駆使しながら、なんとかその強制パワーをしのぐというものでした。しかしそれでは、パートナーとなることなど、とても望めません。相手にとって真のパートナーとなるためには、正当パワーが必要です。顧客に「たしかに、この人が当社に対して営業を行うのは正当である」と感じてもらえれば、相手からの信頼感は大いに高まるはずです。


営業チームには、このような個人の成長と全体の業績向上を一体化するような、目的共有のための精神的動機づけが大切です。



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