004 『ブルー・オーシャン戦略のツボがよ~くわかる本』 青島弘幸 | kottsunのLogノート

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秀和システム から出版されているポケット図解シリーズの、W・チャン・キム、レネ・モボルニュ著『ブルー・オーシャン戦略 について書かれた解説本。

このシリーズは他に、ジェフリー・ムーアの「キャズム理論 、ピーター・ドラッカーの「自己実現論」マイケル・E・ポーターの「競争の戦略」 などがあり、いずれも600円、800円といった低価格な本なので、買い集めてみるのもおもしろいかもしれない(今回は図書館から借りた本ですが・・・)

私はW・チャン・キム、レネ・モボルニュ著『ブルー・オーシャン戦略』を読んでいないので、「ブルー・オーシャン」というものがどういったものなのかは雑誌の記事に書かれている程度のことしか知らなかった。
この本ではそのブリー・オーシャンを「市場転換型ニッチャー」=「シェア100%の戦略的新商品・新事業開発」と捉え、そうなるためにはどうするべきかについて、事例を入れながら詳細に書かれている。

機会があればW・チャン・キム、レネ・モボルニュ著『ブルー・オーシャン戦略』も読んでみて、この本の内容と比較してみたく思う。
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目次

第1章 シェア100%の戦略的新商品・新事業開発へのチャレンジ
1-1 新商品開発に伴う企業の悩み
1-2 シェア一〇〇%が意味するもの
1-3 市場転換型ニッチャーのすすめ
1-4 大手企業が参入しづらい市場領域を狙う

第2章 戦略策定の進め方
2-1 戦略とコンセプトの重要性
2-2 ブルー・オーシャン戦略に学ぶ
2-3 従来戦略の策定ステップ
2-4 ブルー・オーシャン戦略策定の六ステップ
ステップ1:プロジェクトチームづくり
ステップ2:現状分析
1 ライフサイクル分析
2 市場地位分析
3 SW分析
ステップ3:現状の戦略キャンバスを作成する
ステップ4:新たな顧客価値の抽出と仮説づくり
1 六つのパスで新価値を発想する
2 その他の新価値発想法
3 四つのアクション
4 事業コンセプトづくり
ステップ5:仮説検証と新たな戦略キャンバスづくり
1 現場観察
2 インタビュー
3 新たな戦略キャンバスづくり
ステップ6:ビジネスモデルの構築

第3章 事業計画への落とし込み
3-1 事業計画策定の目的とメリット
3-2 マスタープランの策定
3-3 マスタープランの社内共有
3-4 アクションプランの策定とPDCAの推進

第4章 マーケティング思考の重要性
4-1 価値提供のプロセス
4-2 ビジネス・コンセプトの潮流
4-3 四つの最新マーケティング概念

第5章 成功の条件
5-1 成功への五つの条件
5-2 経営者の情熱と志の高さ【成功の条件1】
5-3 リスクを最小限に抑える【成功の条件2】
5-4 組織・人事面への配慮【成功の条件3】
5-5 モノマネ撃退法【成功の条件4】
5-6 ブランド資産の蓄積【成功の条件5】

第6章 イノベーションを生み続ける組織能力の創出
6-1 環境変化に敏感な組織を創る
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◇大手企業が参入しづらい市場領域
①業界常識から逸脱しているために、大手企業が無視する領域
 例)ドン・キホーテ(見やすく買いやすい店舗から、探しにくく買いにくいけど楽しい店舗へ)
②大手企業にとって市場規模が小さく、魅力がない領域
 例)花畑牧場の「生キャラメル」(手作りによる少量生産や少量販売)
③既存のブランドイメージに逆行する領域
 例)バンダイの「びっくらたまご」(入浴剤を癒し・健康から、遊びへ)
④現状のビジネスモデルや業務プロセスにこだわりを持つ領域
 例)ネットによる百貨店(楽天)や、銀行(ジャパンネット銀行)など



◇ブルーオーシャン戦略づくりの6つのステップ
<ステップ1>プロジェクトチーム作り

<ステップ2>現状分析
 ①ライフサイクル分析
  商品が導入時期、成長期、成熟期、衰退期のどの位置にあたるのか?

 ②市場地位分析
  商品がリーダーなのか、フォロワーなのか、ニッチャーなのかを明確にする

 ③SW分析
  自社の特徴の強みと弱みを把握する

<ステップ3>現状の戦略キャンパスを作成する
→既存の市場や業界の現状をビジュアル化して、誰もが一目で理解できるようにする


<ステップ4>新たな顧客価値の抽出と仮説づくり
①6つのパスで新価値を発想する
 「パス1」代替材や代替サービスに目を向ける
  →「形態」「機能」「目的」の三点で発想を広げていく

 「パス2」業界内の戦略サービスを見渡す
  →自らが所属している戦略グループだけを見て、そのトップを目指すのではなく、
    他の戦略グループを見渡し、良い部分を取り込んでいく

 「パス3」顧客を定義し直す
  →購買者だけでなく利用者にも着目する。今までターゲットではなかった非顧客を開拓する。

 「パス4」補完財や補完サービスに目を向ける
  →例)パソコンの周辺機器やソフトなど、顧客の不便や不満を解消するソリューション

 「パス5」機能志向と感性志向を切り替える

 「パス6」将来トレンドを見渡す
  トレンドを見通す3つの原則
  1.事業に決定的な意味合いをもたらすトレンド
  2.後戻りしないトレンド
  3.はっきりとした軌跡を描き、着地点がある程度予測可能なトレンド

 「+α 」既存の業界ルールや慣習を見渡す
  既存の業界ルールや慣習から脱却することで新たな市場領域を開拓する

②その他の新価値発想法

③4つのアクション
 「取り除く」「減らす」「付け加える」「増やす」

④事業コンセプトづくり

<ステップ5>仮説検証と新たな戦略キャンパスづくり
①観察
②インタビュー
③新たな戦略キャンパスづくり

<ステップ6>ビジネスモデルの構築
①顧客の効用
→顧客にとって魅力的な効用が用意できたか?

②価格
→顧客が買いやすく、納得出来る価格か?

③コスト
→十分な利益を稼げるコストになっているか?

④実現への手立て
→実現に向けた障害は? その対策は準備されているか?


◇成功への条件
①情熱と志

②リスク回避
 1.小さく産んで確実に市場創造を進めていく
 2.既存事業とのバランスを考慮すること
 3.撤退条件の明確化

③組織・人事面の配慮

④モノマネ撃退
 1.商品やサービスの背景に物語やストーリー性を付加する
 2.商品単体ではなく、商品のあるライフスタイルを提供する
 3.産業財産権の取得

⑤ブランド資産
 1.ブランド認知
 2.ブランド連想 
 3.知覚品質 →他の製品との品質や優位性に関する顧客の知覚
 4.ブランドロイヤルティ →顧客満足の水準

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