ユニクロ会長兼社長の柳井正氏の対談と、柳井氏による解説が書かれている。
もともと業務用のマルチミキサーを売っていたレイ・クロック氏が、カルフォルニアのサンバーナ-ディノ
という町で、ハンバーガーを売っていたマクドナルド兄弟の店を訪れ、そのノウハウを元に、フランチャイズ
展開させたのが始まり。
レイ・クロック氏がマクドナルド兄弟と出会ったのが、1954年 52歳の時。
その年から起業して、世界のマクドナルドにまで育てあげたということもすごいが、私自身は書かれている
内容、つまりレイ・クロック氏が拡大するために行ってきた行為が、ちっとも昔を感じさせず、つい最近の
出来事のように感じさせてくれることに非常に印象を受けた。本の帯に孫正義氏と柳井正氏のコメントとして、
「これが僕たちの人生バイブル」と書かれているが、まさに今でも通用する内容だと思う。
もう一つ感じたのは、必ずしも人間、完璧ではないということ。この本では所々で、レイ・クロック氏の
恋愛についても書かれている。
50歳を越えて、妻子ある好きな人ができたため嫁さんと離婚。しかしその不倫は実らず、結局レイ・クロック
氏はその後に他の人と結婚。しかしあるときにその好きだった人と再会し、ようやく結婚する。
というような、正直言ってどうでもいいようなことはあるが、逆に見ると、
あることに没頭する人物は、いくつになっても、何事に対しても没頭していく人なのだ。ということが伺える。
以下、柳井氏がこの本の内容を
「事業の創り方」「市場の捉え方」法則7
としてうまくまとめられているので、それを記載していきます。
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目次
はじめに 「これが僕の人生バイブル!」
第1章 チャンスは逃すな
第2章 仕事はハンバーガーの肉だ
第3章 セールスの極意
第4章 売り上をげ伸ばす
第5章 ストレスに打ち勝つ!
第6章 契約の落とし穴
第7章 フランチャイズシステム
第8章 成功の方程式
第9章 知りたいことはゴミ箱の中に
第10章 キャッシュフロー
第11章 取引先とともに成長する
第12章 理想の組織
第13章 トップは孤独である
第14章 ヒット商品の作り方
第15章 球団買収
第16章 やり遂げろ!
あとがき
おわりに 「あまえたち、金儲けに精を出せ!」
付録1 特別対談 「心に焼き付けた起業魂とアメリカの夢」
付録2 「事業の創り方」「市場の捉え方」法則7
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1.成功者の発想法 - 商売の神髄はbe daring,be first,be different
・レイ・クロック氏は飲食業のプロではなかったこと。アウトサイダーとしての客観的な目で事業の
将来性を見抜いた。それが彼の才能とも言える。
・「私は細部を重視する。事業の成功を目指すならば、ビジネスにおけるすべての基本を遂行し
なくてはいけない」
2. 失敗を乗り越える力 - 原理原則を「知る」ことと「わかる」ことは違う
・「幸せを手に入れるためには失敗やリスクを越えていかなければならない。床の上に置かれた
ロープの上を渡っても、それでは決して得られない。リスクのないところには成功はなく、したがって
幸福もないのだ。我々が進歩するためには個人でもチームでも、パイオニア精神で前進するしか
ない。企業システムの中にあるリスクを取らなければならない。これが経済的自由への唯一の
道だ。他に道はない」
・「俺の仕事は間違っていない」と盲信したり、「自分はビジネスでは連戦連勝だ」とうそぶいている人
たちは成功の基準が低い。だから失敗していることに気付いていない。それこそが問題。
3. リーダーシップ - お客様にくばったアンパンと牛乳への想い
・リーダーシップとは決してあきらめないこと。困難に突き当たっても経営者はあきらめてはいけない。
あきらめることイコール会社がつぶれることです。
・「エドが夕刻になってもネオンを付け忘れているのだ。そんなとき、私はカンカンになって怒った。
あるいは、駐車場にゴミが散乱しているのを目にした途端、怒り心頭に発し、エドを怒鳴りつけた」
この言葉には
①客を大切にする
②経営者も社員もセクショナリズムに陥ってはいけない
という教訓があると思う
4. 成長する組織づくり、人材づくり - なぜ、高学歴社員だけではダメなのか
・実際に仕事をするには他人の意見に対する理解力が必要。自分の視線だけで世の中を眺める
のではなく、上の人の視線になって想像する場面もあれば、下の人の視線で考えることもある。
寛容性や他人への共感がないとビジネスの現場は回っていかない。いろいろな人に会って、
いろいろな考え方を知ること、いろいろな現象を分析する能力がなければ経営はできない。
・学歴で自分を飾るな、自分ができることは何なのかを謙虚に見つめろ
5. ヒットの作り方 - 売れるブランド、売れる営業の相関関係
・売れる商品とは、誰もがまだつくってはいなかったもの、また買いたいと思わせるものです。
・宣伝やパッケージのことばかりに頭を悩ますよりも、商品の実体をつくること。消費者が注目
するような商品を開発すること。
6. ライバルとどう戦うか - なぜレイ・クロックはゴミ箱を見るのか
・「競争相手のすべてを知りたければゴミ箱の中を調べればいい。知りたい物は全部転がっている。
私が深夜2時にゴミを漁って、前日に肉を何箱、パンをどれだけ消費したのか調べたことは
1度や2度ではない」
・競争相手に勝とうとするのならば同じ土俵に上がっては駄目だと思っています。自分だけの
ポジションを新しくつくること。そこを大きく伸ばしていくしかない。
7. 大富豪の金銭感覚 - お金は儲けるよう使うほうが難しい
・稼いだお金をどう使うかはその人間の人生に対する考え方が反映されます。本人の考え
次第なんです。
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