『経営戦略としてのワークライフバランス』 小室淑恵 | kottsunのLogノート

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『経営戦略としてのワークライフバランス』
株式会社ワークライフバランス 小室淑恵
2009年2月18日セミナー内容


◆日本は現在、ワークワークバランスになってしまっている
 ・労働生産性は世界で20位(先進国ではビリ)
 ・残業時間は日本が一番長い


◆なぜワークライフバランスが必要か?
 社会が変わり、製品に付加価値や希少価値等を付けないと売れない時代に対して、
 仕事のスタイルは40年前(早く安く大量に生産する時代で、長時間働けば利益に
 なった時代)のままのため、今でも長時間労働が発生し、負のスパイラルにいる。
 ↓
 (今後は)+αの発想、+αの価値を生み出す仕事への切替が必要
 ↓
 ・時間制約を付け、最大効果を発揮させる仕事力
 ・残業を無くし、その空いた時間で、交流会や読書などを勉強・発想など
  有効に活用する(=ワークライフバランス)


◆ワークライフバランスの社会的ニーズ
 例えば、三井化学の場合、4年後に社員の4割が定年退職(少子・高齢化)
 ↓
 年金財源の枯渇問題
 ↓
 政府はそういった状況の対して、出世率のアップを図るが、
 女性が出産に入ると年金を払う労働者が減る。
 ↓
 出世率アップだけを図っても駄目で、女性が子供産みながらも働ける環境・
 社会制度の充実が必要
 また男性も子育てが出来るように働き方の見直しも必要。

 参考)
 昔は男性1人で約3人の子供を養う経済力があったが、
 今は男性1人で約1.2人の子供養うだけの経済力しかない。


◆ワークライフバランスの企業ニーズ
 社会人を育てるのに100万円の費用がかかる → しかし3年で辞めてしまう
 ☆欲しい人材ほどワークライフバランスを重視する傾向にある

 仮に企業の福祉制度が立派でも使えない理由
 例)・18時、19時からの会議がある
   ・営業などの場合、稼いだ金額のみで、労働時間は評価されない
    →長時間労働化
 
 ↓
 (結果)
   ・多様な価値観が育たない
   ・モチベーションが上がらない
   ・非効率な生産


◆今後求められる働き方とは?
 自主的に! 主体的に! 働く
 (1)成果を上げて定時で帰る
   ・9-18時で仕事を終えるように仕事内容を組み立てる
   ・今日やらなくてはならないことを書き出しておく
   ・定時>成果
    定時で帰り、情報をインプットすることの方が重要

 (2)プレゼンテーション力
   ・労働時間の長い人は、言っていることがよく分からないことが多い
    端的に話をして、短時間でクロージングする必要がある。
   ・勝率が上がれば、少ない時間で高い成果を出せる
   ・プレゼンテーション力を上げる方法
    →社外に出て交流を高める

 (3)チームワークで働く
   明日は我が身。GIVE&TAKEが必要

 (4)後輩を育てる
   その人が抜けても仕事が継続できるよう情報の共有も必要


◆今後求められるマネージメントとは?
 (1)職場全体の働き方の見直し
 (2)福利厚生を活用。情報共有する
 (3)「新しい報酬」=時間や場所の柔軟さ
   を用いて個人のモチベーションを上げる
 (4)自分自身のワークライフバランスに努める
  ・部下に上に行きたいと思わせることが必要。
  ・困った時に助けてくれる上司ではなく、スキル情報を持ち、
   育ててくれる上司が必要
   →そのためには新しい管理手法を学ぶ


☆感想
 1時間半、しゃべりっぱなしだった小室さんですが、その内容すべてが
 飽きさせず、関心を引かせる素晴らしい講演でした。
 また、ワークライフバランスがなぜ必要なのか? という部分については
 非常に参考になり、今後自分が部下や親しい人にワークライフバランスを
 教えるのに役立つと思います。
 近いうちに小室さんの本も読んでみようと思います。