『スティーブ・ジョブズ 神の交渉力』 竹内一正 | kottsunのLogノート

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主に、読んだビジネス書のこと、iPhone関連、パソコン関連のことなどを書いています。

アップルコンピュータの創業者 スティーブ・ジョブズについて書かれた本はいろいろありますが、この本を読んでさらに彼のすごさを感じました。

21歳でアップルコンピュータを創業
25歳で約480億円もの資産を持つ大金持ちになり
30歳で自分の会社から追放される
41歳でアップルコンピュータに復帰。その間に買収した映画制作会社ピクサーが株式上場
45歳で音楽機器「iPod」を発売し、大ヒット!! 音楽のあり方を変える
48歳 すい臓がんで余命を宣告されるも、見事に復帰
51歳で携帯電話分野に挑戦!!

これほど人生が波乱にとんだ有名人はいないのではないでしょうか。

さて本の中身に戻りますが、この本はタイトル通り、スティーブ・ジョブズが行ってきた行動や、やり方を、「交渉力」をテーマに綴られています。また著者の竹内さん自身がアップルの勤めた後、同じパソコン会社の日本ゲートウェイ(牛の模様のマークが特徴のパソコンメーカーで、日本法人は5~6年前に撤退。ゲートウェイ自身は同じパソコンメーカーのイーマシンに買収され、そのイーマシンも最近は台湾メーカーのエイサーに買収。しかしゲートウェイブランドのPCはまだ残っています)の代表取締役を勤められたこともあり、ビジネスとしての教訓やコメントも書かれており、①スティーブ・ジョブズの性格を知ることが出来る ②ビジネス的アドバイスがもらえる。というパソコン好きには一石二鳥の内容となっております。

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目次

1章 「言い方」は「言い分」より交渉を支配する
――ジョブズの「情報支配」 VS 凡人の情報秘匿

「ニュース」が流れを変える
「あいにくダメだ」から交渉始まるのだ
無口は一種の武器である

2章 弱い味方は潜在的な敵方である
――ジョブズの「非情」 VS 凡人の温情

「和」では勝てない、勝ってこそ和せる
味方を信じすぎると打つ手が限られる
「いい人」は結局は負けていく
先んじて「頭を砕く」テクニック

3章 妥当な案より「不当な案」で交渉を動かせ
――ジョブズの「無謀」 VS 凡人の無難

勝つことは自分の中の弱さを消すこと
「必要なら」動け、「可能なら」ではない!
目標を高めれば能力も高まる
味方の離反をどうするか

4章 最善の説得術は棍棒でたたくことだ
――ジョブズの「攻撃」 VS 凡人の防御

コロリと変わるのも交渉の技術
交渉相手を分断せよ
ビートルズとジョブズの交渉術
交渉はキーマン探し上手

5章 楽観は考えなしだが、悲観は能無しだ
――ジョブズの「遠交」 VS 凡人の近攻

妥協で勝利は得られない
「自分のやり方」ではなく「最高のやり方」を選べ
お金以外のプラスで相手を揺さぶれ
「しなかったこと」を強調せよ
「細部に口を出すリーダ」の功罪

6章 失敗と思わなければ決定的失敗ではない
――ジョブズの「リベンジ」 VS 凡人のリカバリー

一番いい待ち方は準備しながら待つことだ
信義違反さえ正当化する交渉術
強さは速さから生まれる
場を変えることは立場を変えること

7章 「待ち」は勝ちの重要な一部をなす
――ジョブズの「緩急」 VS 凡人の性急

成功への道は「曲がり角」が大切
それがダメでも、ほかのなにかがうまくいく
人は最後になんで動くか
愚直は交渉の最終兵器である

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・いいリーダの条件は、過去のしがらみに左右されないこと
 「創業者同士が不仲だったから取引できない」とか、「昔、商売を横取りした相手とは提携できない」といった次元で頓挫し、ビジネスチャンスをみすみす失ってしまう例が多い。

・強烈にかなえたいことには、他人の手柄を奪い取ってでもモノにする覚悟を持つべきだ。酷薄なようだが、人の評価は「何を成し遂げたか」で決まる。成し遂げたことがすごければ、その人物は「よい人」とされ、世間が物語を作ってくれる

・会社では社員同士が調和的に仲良くやることで成果を挙げるケースはもちろんある。ただ、独創力には、「対極主義」も必要。対極にあるものがぶつかりあるとき、火花を散らしながら、すばらしい何かが生まれるという考え方だ。

・「ビジネスでは、戦っている相手は日々変化する」ということ。変化に気づかない人、あるいは変化を見る勇気を持たず、初対面の印象を引きずってしまうビジネスマンや経営者は少なくない。だが、先入観に振り回されては、有利に交渉を進められるはずがなく、勝機も遠のいてしまう。

・日常の仕事で、つい「専門外です」と自分に限界をひいてはいないだろうか。線引きをしている限りは、仕事の質を高めることは難しい。能力アップも起こらない。新しいチャンスも摘み取ってしまっている。それではもったいない。

・ビジネスでは、恥をかくことこそ新しいチャンスと出会う第1歩である

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