青木夙夜筆 山水図 | 骨董水妖◇美術品は美術館で見るよりおうちで使う方がずっと楽しい!◇

骨董水妖◇美術品は美術館で見るよりおうちで使う方がずっと楽しい!◇

江戸時代の古伊万里、超絶技巧の時代蒔絵の重箱、美術館で見た有名な絵師の絵画など、ハイクラスの古美術品が、とってもリーズナブルに買えるお店です。


明けましておめでとうございます。
本年もよろしくお願いいたします。

2019年最初の作品は
青木夙夜筆 山水図。

紙本着色
本紙 112 ×31、3cm
軸装 167、5 ×47、2cm

青木夙夜(あおきしゅくや)
?〜享和2年(1802)
江戸時代後期の京都の画家で
池大雅さんの弟子の一人です。




この、ぼこぼこした岩の姿や
岩の立体感を表す皴を短くたくさん描く画法

剃り残したヒゲみたいな
ピッピッピを描かれる点苔(てんたい)は
大雅さんの画法の特徴で、

夙夜は、
とても真面目に
師である大雅さんの絵を学んだことが
一目でわかります。

でもこの画は、
大雅さんとは決定的に違っています。

この画には
大雅さんの画の命とも言える
《おおらかさ》《明るさ》
が、ない。

真面目過ぎるんです。


釣り人ですら、
竿先を見つめ《真面目》に
釣りをしています。
釣りを楽しんでいるようには、見えませんね。

大雅さんは
お金に執着せず、人間的に素敵な人で
弟子達にとても慕われていたと
記録されています。

亡くなられた後、
弟子たちは《大雅堂》を作り
大雅さんの作品だけでなく
机や筆、大切にされていた観音像などを
大切に守り受け継いでいきました。

青木夙夜は
その大雅堂の初代責任者。
大雅堂二世を名乗ったくらいに
大雅さんを慕っていたんです。

私は、
夙夜は大雅さんの画に惚れていたのではなく
大雅さんその人そのものに
モーレツに惚れていたのだと思います。

だから、とっても真面目に
絵を真似た。
真面目な人だったんですね。

この作品は
美術的に素晴らしいというよりも
夙夜の大雅さんへの思慕が
時代を超えて伝わり

観るものの胸を打ちます。




とても傷んでいます。
軸装の裂(きれ)も穴だらけですが、



良く見ると、
裂の文様は、外国の帆船。
掲げられた旗にクルスや国旗が描かれています。
お洒落な裂です。

箱無し
¥50000
消費税・送料別

夙夜は他の弟子と三人で
大雅さんの歿後25回忌追善会を主催しました。

25回忌って凄い!
夙夜がどんなに大雅さんを想っていたか
現れていますね。
夙夜の亡くなる2年前の事です。

若冲さんや、呉春、
円山応挙の跡取りさん他84人もに
案内状が回覧されました。

骨董水妖
白井澄子
京都市東山区古門前通大和大路東入元町367-4杉山ビル3F
phone/075-541-5128
1月の営業日時は→こちらへ