《あこがれの 明清絵画》静嘉堂文庫美術館 ❶ | 骨董水妖◇美術品は美術館で見るよりおうちで使う方がずっと楽しい!◇

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江戸時代の古伊万里、超絶技巧の時代蒔絵の重箱、美術館で見た有名な絵師の絵画など、ハイクラスの古美術品が、とってもリーズナブルに買えるお店です。

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三菱の第二代社長の岩崎彌之助氏と
四代社長小彌太氏によって設立された静嘉堂文庫美術館。

東洋の古美術の優品を所蔵されています。

今回は
中国明時代、清時代の名品と
それに憧れた日本の絵師達の情熱がわかる展覧会。

東京大学東洋文化研究所の板倉聖哲(まさあき)先生のギャラリートークを拝聴させていただく機会を得ました♪

板倉先生は古い東洋の絵画研究のプロ中のプロです。


古来、日本の文化のお手本は中国。
正倉院の宝物も
室町将軍の収集した《東山御物》も
中国(宋、元)からの渡来品です。

将軍しか見られなかった宝物《東山御物》が
室町末〜桃山の動乱の時代に
民間に流出したんだそうです。
一般の人が中国から渡来した宝物を観る機会ができたんですね。
でも、江戸幕府が安定すると
宝物は然るべき所に収まってしまい
また、一般人は見られなくなってしまいます。

それで、民間でも手に入る明・清時代の書画作品が大人気になったんだそうです。

まず展示室の入り口に
張翬(ちょうき)筆  山水図
狩野探幽がそれを原寸大で模写した作品が、並んでいます。

細かい部分迄、忠実に模写されています。
張翬はそんなに有名な画家ではないそうです。
一方、探幽は当時幕府お抱えの御用絵師。
超一流の有名絵師です。

原寸大の模写をしたのは
探幽が初めてなんだそうです。
いかに中国の作品を大切に考えていたかがわかります。
並べてあるので、同じ図でも
日本の作品が優しいタッチなことを感じます。


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沈南蘋(ちんなんぴん)筆
老圃秋容図(部分)

沈南蘋は享保16年(1731)に来日し
1年10ヶ月日本に滞在します。

今まで無かった動植物の細密な描写。
立体的な表現。
日本の絵画界に大沈南蘋ブームが起こったんですって!
彼が中国に帰った後に、大量の沈南蘋作品が日本に輸入されます。

この《老圃秋容図》
作品に書き込まれた年号から、
沈南蘋が来日した時に持って来た事がはっきりしているんだそうです。

つまり、日本が初めて接した清の画風なんです!
大変貴重な作品です。

この後大量にもたらされた沈南蘋の画風と
かなり違います。
一般的な沈南蘋の作品は
もっとコテコテに書き込まれていて
こんなにあっさりしていません。

そして、この作品を日本の絵師谷文晁が模写した粉本が展示してあります。

粉本(ふんぽん)って練習描きの事です。
落款(サイン)はありませんが
〈写山楼画塾〉と右下に印が捺してあるんです。
写山楼画塾は、谷文晁の画塾で当時大人気だったんだそうです。

板倉先生によると
猫の眼が何種類もの色で丁寧に模写されている反面
わざと筆致を変えている部分もあって
文晁が、沈南蘋の絵のポイントを掴みつつ独自の表現をして
沈南蘋を高く評価していることが、わかるそうです。

なるほど♪


日本人がどれほど中国の文化を崇めていたか
大好きだったか
とっても良くわかる面白い展覧会です。


②へ続きます。

次は若冲さんに影響を与えた虎図(初公開)
応挙さんが絶賛した張瑞図(ちょうずいと)の作品をご紹介♪

画像はチラシとハガキです。


静嘉堂文庫美術館
あこがれの明清絵画
~日本が愛した中国絵画の名品達

12月17日(日)
午前10時〜午後4時30分
月曜定休



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骨董水妖
白井澄子
京都市東山区古門前通大和大路東入元町367-4杉山ビル3F
phone/075-541-5128
11:00〜18:00

10月31日(火)まで大セール中!