こんにちは、こっとりです。
レトロな雑貨屋こっとり堂の日記ブログを
ご覧いただきありがとうございます。
先日、大塚国際美術館と鳴門の渦潮の動画をアップしました。
そのこぼれ話をここで書いておこうと思います。
大塚美術館は、一度は行ってみたいと思いながらずっと行けずにいた場所ですが、
ちょうど大阪関西万博も大詰めというタイミングなので、今が穴場なのでは?と思い、重い腰を上げました。
実際に、神戸からのバスターミナルでは、朝から万博行のバスに長蛇の列ができていまして、
大塚美術館行は、まばらという感じ。目論見は成功でした。
「どうせレプリカでしょ」と思っていたあの頃
大塚国際美術館の評判は、以前からよく耳にしていました。
開館は1998年。もう27年も経っていると知って驚きました。
その頃、私はまだ30歳くらい。
学生時代から通っていた美容院の店長が、
陶板技術の開発に関わった人と知り合いで、
美術館のすごさをよく聞かされていました。
常連さんを集めてのバスツアーまで企画されていましたが、
当時の私は「どうせレプリカでしょ」と、
あまりピンときていませんでした。


「大塚」は地名じゃなかった
それが今になってようやく訪れてみると、
そのスケールと存在感に圧倒されました。

そして何より驚いたのは、
「大塚美術館の“大塚”が、大塚製薬の“大塚”だった」という事実を、
つい最近まで知らなかったこと。
ずっと地名か何かだと思っていたのです。
実際に行ってみると、企業色はまったく感じられません。
ひとつの文化施設として、純粋に“美術館”として成立している。
陶板を製作しているのは、
信楽の近江化学陶器と大塚が合弁で設立した
「大塚オーミ陶業株式会社」。
その技術力や理念のスケールには圧倒されます。

美術館前の広大な土地と、迎賓館のような建物も
すべて大塚グループの所有だとか。

そういえば、待合所の自販機には
さすがに大塚製薬の飲み物が並んでいました。

作品よりも、「空間」を見る
大塚美術館を題材にした動画は、
すでにYouTube上にたくさんあります。数えきれないほど。
何しろ本物そっくりの世界の名画が、手軽に撮影可能なんですからね。
最初は、あえて自分が作る必要はないと思っていました。
展示されている作品は1000点以上、順路は4キロ超。
とても私ののつたない動画で紹介できる規模ではありません。
でも、他の動画が作品紹介に偏っていたので、
私は少し違う視点から、作品は詳細には触れず、
さらっとイメージ程度にとどめることにしました。
それよりも“空間や娯楽としての美術館そのもの”をテーマにしてみました。
いざアップしてからのアクセスを見ると、それが意外と評判はいいようです。
また、場違いにも昭和オタク的要素も含めていますが。

是非ご覧ください。
ところで、動画に入れませんでしたが作品群について、私なりに俗っぽい感想を書いておきます。
古代から西洋美術を辿っていくと、――
そこに描かれているテーマでとにかく多いのが、キリスト、
次にビーナス、そして“裸婦”たち。
人の「信仰」と「美」への憧れ、
そして「生命」への祈りが、感じられました。が、
裸婦ばかりのコーナーもあったり、私のようなおっさんとしては、目の保養になりました。

大塚つながり
今頃ふと、「あ、そういえば自分は以前、
大塚製薬つながりの動画を作ってたな」と思い出しました。
レトロ雑貨として紹介した“ミュージ缶”です。
音に合わせて踊る、ポカリスエットの缶型おもちゃ。
1990年頃、タカラ(現タカラトミー)から発売されていました。
まさか数年後に、同じ大塚グループが作った
「陶板の美術館」を訪ねることになるとは、夢にも思いませんでした。
渦潮という名の“自然のアート”
翌日は鳴門の渦潮へ。
とにかく大塚美術館は1日では回り切れないとも聞いていたので、
日帰りは諦めて一泊旅行にしましたが、さすがに1日、朝から閉館まで居ると
西洋美術でお腹いっぱいになりました。
そこで二日目は、またまた定番の「渦潮」観光としましたが、
これが、なかなか良かったです。
水が巻き、形を変え、消えて、また現れる。
同じものは二度とないのに、
確かに「鳴門の渦潮」として存在している。
時間を止めて焼き付けた陶板の絵画とは正反対の世界ですが、
どちらも人の心を揺さぶる“表現”には変わりありません。
大塚美術館では、
「レプリカの美術館」という先入観を覆され、
作品そのものよりも、
それを支える技術や理念、人の想い。
そうした“見えない力”が、美術館を形づくっていました。
陶板に刻まれた永遠の名画と、
海の上で一瞬にして消える渦。
静と動、永遠と一瞬――
そのどちらも、確かに「アート」でした。



