「君は就職活動もしてないみたいだけど、これからどうするんだね?」
毎週行ってたゼミの教授には、いっつも同じ事を言われていた。
大学も4回生になると、殆どの学生が就職活動をしていた。
今じゃあ3回生からしてるみたいだけど、当時はそんなもんだった。
同じゼミを受講していた学生は、殆どがリクルートスーツでの参加。
そんな中、無精髭で私服の学生が一人…。もちろん俺だった。
周囲が就活に明け暮れる中、俺はパチスロと麻雀の毎日だった。
4回生の夏には、早くも留年が決定した。
はるか以前から兆候はあったのだが、正式に決定すると流石に凹む。
そんな俺を、ゼミの教授はいつも心配していた。
それが体裁なのか、本心なのかは俺には分からなかったが。
「しばらくパチプロやって、いつか上京してパチスロライターになります。
きっちりと結果(収支)は出してるので、まあ安心してくださいよ。」
今思えばとんでもない大学生だな、と自分でも思う。
同じゼミ生は、気楽そうに見えたのか、俺をいつも羨んでいた。
だけど同じ土俵に立ちたくても立てない辛さは、当事者にしか分からないだろう。
留年が決まってるにも関らず、プラプラしている人間にだって悩みくらいある。
パチスロで勝つ事に生き甲斐を感じた結果、まともな道からは外れていった。
今の自分は果たして本当に正しい生き方なのか。自問自答する機会は増えていった。