こんにちは。こつぶ音楽院です。
ヴァイオリンには、様々な
弦楽器ならではの奏法があります。
今日はその中の一つ、
トレモロ奏法のお話です。
ヴァイオリンの楽譜で、
音符のぼうの部分(全音符の場合は音符の上もしくは下)に、
斜めに線が書き込まれている事があります。
これは元の音符から
斜線と同じ旗の数の音符で、
その音符の高さの音を刻んで弾きます。
刻む音符の指示をする斜線が3本以上になって、
均等な刻みでは入りきらなくなったり、
楽譜や演奏上の効果を得るために
「tremolo(トレモロ)」の指示が加えられたりした時は、
小刻みに細かく弓を返すことでトレモロにします。
9月4日は、
ブルックナー(Joseph Anton Bruckner, 1824 年-1896年オーストリア)の
誕生日なのですが、
ブルックナーの交響曲作品の多くで、
弦楽器によるトレモロ奏法が
曲の冒頭に出てきます。
「ブルックナー開始」とも言われます。
とても静かなトレモロ奏法で
曲が始まります。
トレモロは小さい音だと
ザワザワとした
森の梢の葉のさざめきのような音が
奥行きを感じさせながら広がり、
とても神秘的な響きです。
神秘的なさざめきは、
やがて和音や音量の変化を通じて、
他の楽器の旋律の創り出す光や陰を共に織り成しながら、
長大な世界観へと聴き手を誘っていきます。
このように楽器の特性を活かした奏法は、
他のオーケストラ作品などでも各所に表れます。
様々な奏法を知り、
その効果を体験出来るのも
ヴァイオリンを弾く楽しみと言えるでしょう。
ヴァイオリンとヴィオラの音楽教室
こつぶ音楽院
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