Op.31-14 「冷たい夜に」 モロモロ | Gayoのブログ

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「Viennaによせる33のエスキス」の楽譜(譜面)をチラッとみてみた。
一応毎日毎日曲を作るというか、音を並べるスケッチ(エスキス)をして、それを清書した日々を思い出す。ついでにブログも読み返してみたり。


思ったより暗いブログではなかった(笑)
どちらかというと、この4月のブログのほうが、重いぞ!


ま、そりゃ状況が違うからね。


適当に、パラッと演奏してみるも、自分でも
「こんなの作ったんだ」
「ほえー、これすぐ演奏できない」
「あれ?なんか音が変?」
みたいなのばかりという。


あっはっは。


そして、ほとんどが短い!
1分から3分で終わる曲じゃないですか。やっぱり・・・。


その中のひとつに「冷たい夜に」という曲がある。
ウィーンでの14曲目にあたるもので、二十絃箏の独奏で書いてある。


ウィーンに留学している日本人学生たちのコンサートを聴いた帰りだったのだろうか。たしかその日は、昼間早めに部屋を出て、はじめていくそこの会場周辺を迷子になりつつ中心部から歩いていった覚えがある。2時間くらいさまよったかな。それでも早くついて、「AKAKIKO?AKAHIKO?」だかいうアジア料理(日本料理?)のチェーン店に初めて入った日。味は・・・コメントできないわ


時間をつぶして、本番。それでも早くついてしまう。独りなので、じっとじっと待っていた。あぁ、日本人こんなにたくさんウィーンにいるんだって思いつつも、話しかける相手もいなかったなぁと。


たしか、チェロの人がリーダーっぽかったような気がする。
カルテットといえば、第一バイオリンがリーダーというイメージがあったのだけどね。第二バイオリンとビオラが女性だったか?あぁ、記憶があやふやになっていく。懐かしのウィーンでの日々。


昼間に誰と会おうが、どこにいこうが、夜はとにかく陽介さんの部屋(千鶴子さんの部屋)で独りなわけだ。これは不動の事実。


折り返し点も近いころの12月6日夜11時に清書が終わった。それが「冷たい夜に」


初めてのウィーンを、秋の終わりから冬へと衣替えする時期にいった。途中でいきなり冬が到来して寒い東欧を体感させてもらった。東京に住んでいると、寒いとはいっても、私は冬が好きといえるくらいの寒さだったのだけど、こちらは・・・とにかく寒い。というか、痛い。


ウィーンにかぎらず、こんな寒いヨーロッパに留学したり勉強しにきたり、お仕事できている人たちって、どんな思いで毎日過ごしているのだろう。


以前に、こっちに来ている人たちに、がんばってとか、応援メールしたりしたことあったけど、私の想像をこえる寂しさだった。


夜、中心部から路面電車をのりついで帰ってくるわけです。懐かしの38番です。歩くのはほんの少しだけ。電車を待つのもほんの少しだけ。時間にしても多分30分あれば帰ってこれる近さ。(夜だともうちょいかかる=待ち時間で)


にぎやかなコンサートが終わった後とか、オペラ観た後とか、人に会って食事した後とか。


そのあと、「冷たい夜に」独りで何を感じたのか。そのときGAYOの心を襲った感情が、どれだけ冷め切っていたのか。毎日毎日自分をみつめ、日本にいる人たちのことを考え、これからのこと、過去のことに向かい合い、ひたすら考え続けたウィーンでの生活。


その断面の一つをこの曲に見事に表現されていると思う。


自分で自分の曲を見事にというとおこがましいが、久しぶりに楽譜を読んで、音を出して見て思う。


多分、そのときにしか降ってこない音たちなんだよね。
短い曲だけど、たしかにそのときに振ってきた音。
それを書き留めたからこそ、私の記憶を、私の人生を再現できる。


誰のためでもなく、自分がそうしたいから生んだ子供たち。



4月のブログを読んで、私の大事な友人が
「GAYOは、書くことによって自分と向き合っている」
というようなコメントをくれた。


そう、ウィーンにいた時期は、曲を作ること、音符を書き留めることで自分と向き合っていたのだろう。



ウィーンでの思い出が、少しずつうすれてきているのを実感している。これからもどんどん忘れていくのだろう。でも、私のこの作品番号31番を読み返せば、あの33日間の大事なところの記憶はとどめておけると思う


忘れてしまう前に、みなさんにお話しておきたウィーンでの思い出がある。小さな思い出ばかりなので、期待させるような面白い話はない。でも私にとっては大事な記憶です。




そんなコンサートが、11月17日にある。
そこで演奏する一曲がこのOp.31-14「冷たい夜に」。


私が暗い暗いといっているのは、事実だけど、暗い中にも、箏の美しさや、GAYOの心の純粋さは出ていると思う。紡ぎだされるこの子供たちの音に、耳を傾けていただければ、うれしい。


ウィーンにいったことのある人と、コンサート中にもぜひ対話してみたい。
観光しなかったGAYOさん。あはは。ホイリゲは何度かいったけれど。











勘の鋭い人にはわかるだろうけれど、なんで11月に、新曲たちOp.31、Op.33、Op.34、Op.35をやるのか。

なんで、来年2月に可能なかぎりのOp.1~2DAYSで全部の自分の曲をやるのか。




11月17日のコンサートまでには、2月の2DAYSのプログラムを発表できるように考えておきます。







P.S.
多分、あちらにいったことのある人には、この「冷たい夜に」の感覚がダイレクトに伝わると思う。行ったことのない人にも、しっかり伝わると思う。それを箏の音で表現できた自分が、とてもうれしい。音楽としてとらえてもらえるとなお嬉しい。これら短い一曲一曲を、瞬間瞬間で楽しんでもらえたら、この11月のコンサートは成功となるのではないだろうか


GAYO