介護を決心して間もなく、三代目うさぎが身罷る。
餌を食べず、水を飲まないので、強制給餌も甲斐なくあっという間に衰弱した。
人間で言うなら100歳超えの老衰だと思われる。
10年を過ぎたあたりから、心の裡に覚悟はあった。
だから、生後2年未満で亡くなった二代目うさぎの時ほどは泣き続けなかったけど、12年もの間かけていた声掛けは、当たり前すぎて口をつく。
いないと実感して、じわりと覗くケージが揺らぐ。
体調不良と気持ちの整理、どっちもおちついたらケージを片付けなくちゃいけないと思いつつ、旦那が盆休みに入る。
今年は旦那の実兄の初盆で、誰もいなくなった実家の空き家は、電気ガス水道が契約解除してあるので、泊まれない。
片道5時間超えの帰省をし、墓参りや、家の中の不要物の確認をし、日帰りで21時半には帰宅していた。
めまい・吐き気・頭痛・喘息発作の四重苦の私には、そんな弾丸帰省ツアーは無理なので留守番させてもらった。
翌々日、盆休み予定の中。
「どうしても仕事に出てほしい」と頼まれたらしく、休みを二日残していたのに仕事が始まった。
いつも通り、息子が運転する車で現場の行き帰りをする。
帰り道、息子が「ほら、うさぎ買って帰れよ。」と、ペットショップに横づけした。
旦那が四代目うさぎを買ってくるのは年内だろうと推測していたが、三代目が亡くなって十日。
はやくね?
「俺は買おうとは思ってなかったけど、あいつがペットショップの前に車停めて『買え』っていうし、しかたなく」などと言い訳しながら、ちゃんとお気に入りの仔うさぎを選んでる。
かくして、四代目うさぎが我が家の新しい家族になった。
写メ付きで子供たちにメッセージを送る。
息子家族から反応が大きい。
で、翌日やってきた。
満場一致で『パパが一番デレデレしてる』と息子の仔うさぎ溺愛っぷりに爆笑する。
何やら息子一家でもうさぎを飼う計画が発動する。
夫婦そろってネット検索しだす。
次男は心得たもので「うさぎが家になじんだら連絡頂戴。」と良い飼い主目線。
「買え」と言った息子は、車中で待っていたので、箱に入った仔うさぎと会っておらず、我が家でご対面。
「トイレが汚れてるじゃん」と私にご立腹。
「違う違う、トイレの位置教えるのに、においのついたシートをわざわざ入れてあるんだよ。」
彼女の家で飼っているワンコどもの世話をしている所為か、いやに自信満々に説教してくる。
知らないところで息子も成長しているんだと、しみじみとかみしめる。
三代目うさぎは生後1か月で我が家に来たので、数時間おきにミルクを飲ませて、子育て状態だったけど、四代目うさぎは生後3か月。
一緒に買ってきた、チモシーなるイネ科の草を乾燥させたヤツをガシガシ食らう。
お世話は楽だけど、なつくのに時間が要りそう。
なおかつ、イネ科の花粉アレルギーの私は涙目で目のかゆみと闘っている。
私の目薬買っておかないとね。