こんにちは(^_^)
出張着付け師 Wa to Wa (わとわ) の鳥越みえこです。
今日のお話は【熨斗目文】です。
お祝い事などにお渡しするご祝儀袋に必ず添えられている飾りが「のし」ということはみなさまご存知だと思います。
奈良期に長寿をもたらす縁起物として「アワビ」は朝廷へ献上されていた。後に高級な進物として「慶事」に使う飾りとし、アワビの肉を薄くスライスし引き伸ばし、乾燥させたもの。
そして簡略化されてのし袋などの「飾り」になったとか。
この袋の右側にある四角い色紙を細長く折り、その中に黄色で細長いものが
アワビを簡略したものですね。
この「熨斗アワビ」は延ばす、延びるに通じ長寿でおめでたい象徴とされ、縁起物としても貴重で高価なものです。
(今も高級食材ですが、昔から超高級品でしたね!)
この「熨斗アワビ」を細長くリボンのような文様にしたのが【束ね熨斗紋】と言われています。
人と人が結び合い末永い幸せをとの意味合いで、結婚式や成人式の「色打掛」や「振袖」の絵柄に使われます。 インパクトがあり、とても豪華なお衣裳です。
このデザインが「アワビ」からの発想なんて、ほんとうに日本人の感性と美的なもののセンスがすばらしく嬉しくなります
そしてよく間違われる文様のお話を・・
【蔓帯紋 かずらおびもん】 といって、お母様がお召しになる留袖などによく使われるのですが、「熨斗目文」と本当によく似ていてどっちが、どっち?という文様です。
能を演じる時に演者が身に着ける能装束の一つで、面をつける前に蔓かずらを押さえるように鉢巻き状に頭に巻き、後ろで結ぶ細いひも状の布のことです。
能舞台の画像
見えますか?面をささえている紐のようなもの
この蔓帯紋を訪問着の絵柄としているのが、こんな感じ
上から下へと流れているラインがスタイルをより良くみせてくれますね
熨斗目文といっても仕方ないぐらい。
でも、どちらもステキです~