春の訪れを知らせてくれるとっておきの黄色い絵本たち | ことりの木ノート vol.2

ことりの木ノート vol.2

日々のくらしのささやかなできごと 人との交流 大好きな手しごと 絵本 やりたいことへの一歩一歩…
色々な糸を紡いでいつか「ことりの木」というぬくもりのある布を織り上げていけたらと思います。
そんな夢への覚え書きノートです。

♪春は名のみの 風の寒さや〜♬


すごく古い歌だけど

この季節にピッタリ(๑˃̵ᴗ˂̵)و 


今日は春分の日 ←立春でした(≧∀≦)

まだまだ寒いけれど

春の足音はもうそこまで•*¨*•.¸¸♬


すっかり

何にもなくなったみたいな地面から

植えっぱなしの球根の芽が

ひょっこり顔を出していたり



秋冬と枯れ木のようだった枝から

ツヤツヤの芽が出ているのを見つけたり


目覚めの春です!


こんな季節に

開きたくなる絵本たち

不思議不思議!

どれも黄色が明るくてあたたかい


この絵本はこの時期の

代表的な絵本だと思います


『はなをくんくん』

(原題はTHE HAPPY DAY)

ルース・クラウス ぶん

マーク・サイモント え

福音館


表紙は黄色だけど

本を開くと場面はモノトーンの冬


ずっと雪景色です


そんな雪の森の中で

動物たちが見つけた

小さい小さい春(▰˘◡˘▰)


いい匂い…

みんな走り出す


たくさんのかたつむりは…壮観です(*´艸`)


最後のページ


ほんの小さくて明るい黄色は“春”

希望 夢 幸せ?



そして私は


表紙の動物たちの様子と

裏表紙の

このりすが大好き♡

春が嬉しくても

動物は多分踊らないけど(笑)


踊ったら絶対こんな感じ!( *´艸`)


次は…

特に思い入れのある1冊


『はるがきた』

  ジーン・ジオン ぶん

 マーガレット・ブロイ・グレアム え

 こみやゆう やく

 主婦の友社


「どろんこハリー」の作家さんコンビ(ご夫婦だそうです)の絵本です


なかなかやってこない春が待ちきれず

「じゃあ、待ってないで

自分達で春にしちゃおう!」と


町中の人たちが

町中に春の絵を描いていくのが

本当にダイナミックで楽しいです


モノトーンの世界に

黄色、青、緑のペンキが

春を彩っていく…


ページをめくる度に

ワクワクです


この絵本は

「どろんこハリー」より前に出版されたようですが(1956年)

日本で翻訳出版されたのは


2011年の2月


そうです。

東北の震災のほんの少し前です。


私がこの絵本に出会ったのは

東北の震災の数ヶ月あと


なのでこの絵本は

私の中で震災と結びついています


この絵本の中に

暗くて心塞ぐ嵐の場面があり


当時読んだ時

震災の被害の情景と重なったから。


でも

最後の“本当の春がきた!”という場面


あの頃も

今も変わらず

明るい気持ちと

励ましを届けてもらえます


“春”の訪れの

心躍る気持ちを味わえる絵本です



こちらは

100年以上も前に

ドイツで出版された絵本

まさに黄色!の素敵な表紙


『根っこのこどもたち目をさます』

  ジビレ・フォン・アルファース え

 ヘレン・ディーン・フィッシュ ぶん

 いしい ももこ やく・へん

 童話館出版


地面の下で春を待つ

根っこの子どもたちと土のおかあさん


冬から始まって

春、夏、秋で終わります

(朝から夜の1日にも見えます)


毎年毎年繰り返される

自然の営みを支えているのは

土と根っこたち


ドイツのクラシックな絵が美しく

どの場面もポスターになりそう


そしてなんといっても

根っこのこどもたち(⑅˃◡˂⑅)♡


冬の間

地面の下で過ごす茶色い毛布みたいな服も

もこもこ毛糸の帽子も


春になって地上に出る時の

それぞれ手にしている花とお揃いの

カラフルな服も


とてもかわいらしいです


秋がきて

お母さんが一人一人の子どもたちを愛しそうに迎えている最後の場面は

一番好き。


とても心和みます


ドイツでは、『もじゃもじゃペーター』と共にどの家庭にもあるような伝統的で人気のある絵本だそうです



実はもう1冊

同じ作者の絵本

『ねっこぼっこ』

  ジビュレ・フォン・アルファース 作

 秦 理絵子 訳

 平凡社


この2冊

表紙が全然違いますが

(土の下のねっこぼっこ見えますか?笑)


中に使われている絵は

(色調はちょっと違いますが)

ほぼ同じです


左は

“根っこのこどもと土のおかあさん”

右は

“ねっこぼっこと大地のかあさん”

(訳者によって違うのが面白い)


いしいももこさんの文章は丁寧で細やか


秦理絵子さんは詩的でリズミカル

文はごく簡潔で

言葉も最小限で表現されています


私はどちらもそれぞれ好きです


ご紹介した3冊(4冊)


『はなをくんくん』 は1949年

『はるがきた』は1956年

『根っこのこどもたち目をさます』は

1907年!初版です(原書)


やはり長い年月

生まれた国で愛され


さらに世界各国で翻訳されて読み継がれている絵本には

それなりの理由というか

魅力があるものですね


なんど読んでもまた読みたくなり


子どもでも


大人になっても


飽きるということも

色褪せることもない絵本たちです