※敬称略
舞台 女医レイカ2
漫画原作・総合監督 剣名舞
脚本・演出 小堀智仁
主演 半井小絵
去年、一昨年と以前から舞台「ザ・シェフ」「死刑島」「女医レイカ」を観劇しています。
「ザ・シェフ」はドラマでは主演を東山紀之さん、そして千堂あきほさん、国分太一さん、桑野信義さん、井出薫さん、荒木定虎さん、森田剛さん、三宅健さん・・・
「女医レイカ」は1999年に名取裕子さんを主演としてドラマ化していたので、懐かしく感じる方は多いのではないでしょうか。
今年は剣名さんにご招待いただき、「女医レイカ2」を観劇しました。
過去の舞台はどれも素晴らしいものだったので、今回も期待に胸をふくらませて劇場へ向かいました。
では・・・私の感想を書かせて頂きますね。
私は「癒チーム」の部になります。
内容がとても生々しい。
私の言う生々しさとは、医療作品に多い専門用語や血生臭さではなく、「人間くささ」のことです。
前回の舞台の際にも感じましたが、「え、これ原作31年前?ていうか漫画?」と疑問が浮かぶくらい現代人の闇がみえています。
精神科、心療内科は今でこそメジャーで人々の生活になくてはならないものですが、当時は偏見の多い分野でもあり、精神疾患=異常者という扱いも少なくはなかったと思います。
友人関係に悩んだり、家庭で揉め事が起きたり、血縁者が犯罪を犯したり、病気や事故で亡くなったり、精神疾患を患ってしまったり、PTSDで苦しんだり、自分自身と戦ったり・・・人それぞれ痛みや苦しみを抱えているでしょう。
もちろん中には悩みも苦しみも感じず楽しく毎日を過ごす人もいるでしょうが、全員が全員そうではありません。
特に負の感情は表に出しにくく、真面目な人ほど欝になりやすい傾向もあります。
「普通」に見えているだけで、大なり小なり心に闇を抱えて生きている現代人で溢れている。
まぁそれでも人間ですから生きていかないといけないのですが、氷室レイカのような先生がいてくれたらと思わずにいられません。
そしてここからは舞台としての感想になります。
ごちゃごちゃうるさくて申し訳ありません。
完全なる私の好みです。
回想シーンや場面の切り替え、時間経過が分かりやすくてとても見やすく、2時間があっという間でした。
舞台って興味がない人からすると本当に興味ないんですよ、わざわざ劇場に足を運んで時間を使う価値あるの?みたいな・・・
特に現代だとタイパとかコスパとかいろんな事を考えるじゃないですか?
無駄なものには一銭も使いたくありません!みたいな。
正直に言うと、「うーん、これはちょっと」という映画や舞台もあるんですよ。
ただ、「女医レイカ2」は良い意味で裏切られます。
ギャグとシリアスの幅、伏線、キャラクター同士の「間」が面白い。
アドリブシーンもあるのかな?
ギャグやシリアスは場面の間は完全に役者さんのお芝居になるのですが、その「間」に行われているであろうキャラクターの心の葛藤を想像すると面白い。
氷室レイカ役の半井小絵さんの声が最高。
落ち着いた大人の女性を感じさせる話し方がまさに氷室レイカです、舞台が始まる前に流れる声にも注目です。
ギャグ枠でいうと久高役の岩井翔平さんなのですが、キャスト一覧の写真からは想像できない残念なイケメンっぷりでした、でもいざという時には頼れる先生という役どころが素敵ですね。
悪役的な意味で言うと、大迫亜希代役の藤井美樹さんのお芝居が格好良くて好きです。
秋谷かおり役の知花美穂さん、華やかで綺麗な方でした…ここでそうくるかー!!みたいな演出があったのが感動です。
鷲塚涼子役のまついゆかさん、声量すごいなぁ、喉大丈夫かなぁ、お芝居振り切っててすごいなぁ…
精神科医を主人公にした作品なのでどうしても個性が強いキャラクターが多いのですが、癖が強い人間が好きな私にとっては大好物でした。
でも実際あんな感じ。
変態大好物の私、マスクの下でにこにこ笑顔。
色んな意味でハラハラドキドキ、そして多方面でとても勉強になる舞台でした。
「ザ・シェフ」や「死刑島」への伏線もあって、「ここでそう繋がるか~」とワクワクしましたね。
素晴らしい舞台でした、ありがとうございました!!
舞台「女医レイカ2」は9月8日㈰まで新宿シアターモリエールで公開中です、気になる方は当日券もあるのでぜひ!!
残りの公演、頑張ってください!
↓良い睡眠を…