今回は翼のお話です。
お電話の向こうでは、
「羽が下がっている」
「羽を浮かせている」
「羽を震わせている」
「羽を広げている」等々聞こえてきます。
これが片羽だったり、両羽だったり。
羽だとふわふわした羽を思い浮かべますので、
羽を翼に入れ替えて考えていきましょう。
小鳥の翼がいつもと違う?そんな時には、
① まず飛ばさないようにしましょう。
② カゴかケースに入れ安静にさせて様子を見る。
大人しくしてくれるほうで。
とまり木はあっても無くてもどちらでもいいです。
プラスチックケース
水槽
いつものケージが落ち着きますか。
③ 食欲がありますか?
食欲が落ちていたら目の前にエサ・水を置きます。
夜でもエサ水が摂れるように少し明るくしてもいいですよ。
軽い症状ですぐにおさまるなら、当日は安静にして様子をみてもいいのですが、打撲、羽の損傷、靭帯の損傷、骨折などなど。
色々なケースがあります。
心配なら早めに病院で診てもらって下さいね。
さて翼の骨格ですが、
飼い主さんがよく「肩」と言われる場所は、実は小鳥の手首です。
↓青〇が手首
資料です。ヒトと比べてみて下さいね。
第25回企画展平成10年 鳥の形とくらしⅢ-つばさと飛行ー
発行 我孫子市鳥の博物館 *
肩から下を痛めた時には翼を下げます。
正面から見て、手首の高さが左右対称ですか?
どちらかを下げていたり、逆に震わせて浮かしているでしょうか。
病院で正確に伝えて下さいね。
必要ならレントゲン検査を受けて下さい。
数年前でしたが、15歳のオカメインコさんが飼い主さんの目の前で翼を伸ばした後に、戻らなくなって(下がって)しまったことがありました。
思い切り「のび~」をした時にコキッと聞こえたそうです。
そんなこともあるのですね。
2週間安静にしていただきました。
翼をテープで固定することもありますよ。
骨折していなくて、靭帯を損傷しただけでも飛べなくなる場合があります。
小鳥の骨は細く小さくて薄いですね。
飛ぶために進化したので身体は軽量化しています。
↓靭帯もとても細いです。周囲の筋肉で支えられています。
カラーアトラス獣医解剖学下巻第20章鳥類の解剖学
König・Liebich チクサン出版
図20-30鶏の左肩関節(模式図・外側面) 一部抜粋拡大
夏休みに事故やケガがありませんように。
気をつけて下さいね。
*「我孫子市鳥の博物館」
千葉県にある野鳥を中心に鳥の生態を学べる博物館です。