「古民家リトリート ことの葉」

 

今更ですが、

私がこの古民家につけた名前です。

 

 

リトリート(re-treat)

の語源は、退却、後退

 

そこから転じて、

隠れ家、避難所という意味もあります。

 

 

さらに近年では

 

慌ただしい日常から離れ、

静かな場所や時間の中で

自分と深くつながる体験

 

という意味でも使われるようになりました。

 

 

 

私自身、子どもの頃からずっと

「居場所のなさ」を感じていたことから

 

安心して心とからだを休ませ、

癒すことのできる居場所(隠れ家)を

つくりたい・・・と思い描いていました。

 

 

2019年の春、偶然にも

自然豊かで静かな里山にたつ

築60年あまりの古民家と出会い

 

居場所(隠れ家)づくりに向けて

少しずつ歩みを進めてきた中で

 

個人向けの心理セラピーや

少人数のお茶会、

心理勉強会などと共に

「いつかやりたいな…」と思っていたのが

 

静かな里山の古民家暮らしを

体験してもらいながら

心とからだをゆっくり休ませる

 

おひとり様の

「宿泊リトリート」でした

 

 

この宿泊リトリートは

単なる田舎暮らし体験ではなく

 

古民家という”暮らしの場”で

心理セラピストとしての私が

2日間を通して寄り添い

 

その方にとっての

子ども時代の未完了の望みを

五感を通して満たす・・・

という体験をしていただくことが

一番の目的です。

 

 

安心してのびやかに暮らしたかった・・・

子どもらしく自由に過ごしかった・・・

自分の気持ちを尊重してほしかった・・・

たくさん話を聞いてほしかった・・・

 

 

普段は気づいていないけれど

 

私たちの心の中には

子どもの頃に叶えられないまま

持ち続けている切実な願いが

今でも潜んでいます。

 

その願いを叶え、満たすと

驚くほどの安心感と

力強さが湧いてくるんですね。

 

 

 

実は、昨年の春から

「ことの葉の宿泊リトリート」を

少しずつご提供するようになり

 

すでに何人かの方々に

体験していただいてきました。

 

 

 

桜の季節のリトリートや

 

 

 

やわらかな若葉に彩られた

新緑の季節のリトリート

 

 

 

水遊びを楽しむ真夏のリトリートも。

 

 

 

 

里山の自然は

季節ごとに表情を変えて

 

豊かな時間を私たちに

与えてくれました。

 

 

 

そして、今回初めて

「秋のリトリート」が実現したんですもみじ

 

 

11月の終わりに

佐賀の唐津市からはるばると

電車と新幹線を乗り継いで

来てくださったSさん。

 

 

私の先輩セラピストであり

大切な友人でもある

宮崎くみこさんが

4月にリトリートを体験してくれて

ブログに書いてくれたもの

何度も何度も読んで

 

「ことの葉」に行こう!と

決めてくださったそうです。

 

 

*私がたまたま借りた古民家は

新幹線が停まるJR川内駅に近く

博多駅から最短1時間半ほどで

古民家に着くのです。

 

 

私たちはほぼ初対面にもかかわらず

(昨年、くみこさんが唐津で開催した

棚田先生のセミナーでご一緒しただけ)

 

お互いに

どこか不思議な安心感があり

JR川内駅の改札口で会って

すぐに打ち解けることができました。

 

 

 

社会人になってからずっと

フルタイムで責任あるお仕事をしながら

家事と子育てをしてこられたSさん。

 

 

「とても心の優しい方よ」と

くみこさんから聞いていた通り

 

子どもの頃から

自分のことは後回しにして

まわりの人たちのために

ムリを重ねて生きてこられたようです。

 

 

今年になって、

そういう生き方に

限界を感じるようなことが

次々と起こり

 

ご自分でも

「今が節目」と感じたタイミングで

ここに来る決心をしてくださったのでした。

 

 

 

 

Sさんがいらした日は

古民家周辺の紅葉が最も美しく

 

駅からそのまま

いつもの神社にお連れすると

赤や黄色に染まった見事な

モミジが出迎えてくれました。

 

 

 

 

古民家の庭もこのとおり。

 

何もかもが一番いいタイミングで

お迎えできたことが奇跡のようでした。

 

 

 

今回のリトリートで

Sさんが一番望んでいたのは

 

「何もせずにのんびり過ごす」

「(私と)たくさん話をする」の2つ。

 

 

ふたりで話し合い

できるだけゆっくりとできる

スケジュールを考えました。

 

 

 

窓辺で本を読んだり

畳の陽だまりで寝転んだり

 

 

 

夕暮れ時、一緒にお散歩に行ったり

 

 

龍のような雲を眺めたり・・・。

 

 

折しもこの日は満月で

夜には雲の切れ間に輝く

金色の満月を見ることもできました。

 

 

 

 

普段は自分以外の誰かのために

常に忙しく過ごしているSさん。

 

昭和風のタイルのお風呂や

コタツでゆっくり食べるご飯も

喜んでいただけたみたいです。

 

 

 

 

翌朝の散歩道には

空から降りそそぐような銀杏もイチョウ

 

 

 

「”ことの葉”の風景は

子どもの頃に育った家に似ている」

と話してくれたSさん。

 

 

「心の中の小さいSちゃんが

喜んでいます」と言ってくれたことが

私の心にも温かく残っています。

 

 

 

帰宅後に届いたラインには

 

一見おおらかそうに見えても

常に先急いで、

あれもこれもと欲張りで、

自分の内面と戦っていた私。

 

子どもであってはならない。

休んではいけない。

甘えてはいけない。等の

ビリーフが根底にあったのだと

気づかされています。

 

と書かれていました。

 

 

その気づきを得て

Sさんは自分自身に

「人生の休み時間」を

あげることを決断したそうです。

 

 

休む。という決断が

これからの人生の

始まりのような気がします。

 

という言葉のとおり

 

Sさんの新しい人生は

ここから始まっていくのでしょうキラキラ

 

 

 

今までの生き方に疲れたら

いったん退いて、休む。

 

そこで自分の行きたい道を

選び直して、もう一度歩き出す。

 

 

本来の「リトリート」って

そういうことなんですよね。

 

 

退くこと、立ち止まること、休むこと。

 

一見どれも後向きに思えるけど

より豊かな人生を歩むためには

きっと必要なことなのではないでしょうか。

 

 

 

「ことの葉の宿泊リトリート」については

個別に詳細なご案内を差し上げています。

 

もしご興味を持たれた方は

アメブロのメッセージ、

またはこちらまでご連絡くださいね。

suzuka195@ybb.ne.jp