またしても久しぶりのブログです。

 

 

あれからしばらくして

里帰り出産していた娘と赤ちゃんが

無事に自宅に帰っていき

 

私はいつもの日常を取り戻した・・・

かのように思えたのですが

 

 

娘たちがいたひと月あまりは

家事や赤ちゃんのお世話で

他のことが何もできなかったので

 

その分、後回しにしていた仕事や

雑事に追われて、

なんだか多忙な日々を送っていました。

 

 

じわじわと疲れが積み重なり

体調も今ひとつで体が重い・・・

 

 

そのせいか、今年は

大好きな秋がいつも以上に

あっという間に過ぎていく気がします。

 

 

 

今朝の古民家は冷え込んで

目が覚めてもなかなか

温かいお布団から出られませんでした。

 

 

時折吹く強い風に

古い建具がカタカタと音を立てて

 

頭の中で流れるのは

「冬が始まるよ♪」

という懐かしいメロディ。

 

 

でも、思いきって起きてみたら

外の日差しは思いのほか明るく

 

東南の窓ガラスから差し込む光が

縁側を越えて

畳に美しい模様を作っていました。

 

 

 

「よし、散歩いこう!」

と思い立ち、

久しぶりにいつもの神社へ。

 

 

誰も通らない山の中の小道は

神社までの秘密の近道です。

 

 

降りそそぐ木漏れ日

風に揺れてぎしぎし軋む竹林

朽ち果てかけた廃屋と納屋

小さな清流にかかる古い橋・・・

 

 

道の上には葉っぱが降り積もり

ちょっと荒れた感じはするけれど

 

子どもの頃から

秘密基地や探検が好きだった私には

ちょっとワクワク感もあって

楽しかったりもします。

 

 

そんな山中の小道を抜けて

いつも神社の入り口に差し掛かった時

ふいに顔に冷たいものを感じました。

 

 

 

 

あれ?雨?

 

と見上げた真上の空は青く

雨雲などどこにもありません。

 

 

 

空を探るように目を動かした瞬間

目に入ってきたのは

ロードミラーの中に映った虹でした。

 

 

ミラーから浮かび上るように

くっきりと輝く鮮やかな虹の光。

 

 

慌てて、また空を見上げ

虹のありかを探すと

低い位置にたれこめた雲の上に

それはありました。

 

 

その美しさに呆然としながら

しばし眺めていると

虹はみるみるうちに薄くなっていきました。

 

 

 

少し経ってから撮った写真には

うっすらとしか映っていませんがあせる

(お家の屋根の上から虹が始まっています)

 

 

本当に短い瞬間だったけど

 

その鮮やかな色合いと光は

あまりにも幻想的で

 

今も目にはっきりと焼き付いています。

 

 

ああ、きれいだったな…虹キラキラ

 

 

 

それから、神社の境内に入ると

そこにはまた

不思議な光景が広がっていました。

 

 

空は晴れているのに

細かい水の粒が降りそそぎ

 

太陽の光に透けて

白いレースのカーテンが掛かっているよう。

 

 

それもまた一瞬のできごとで

写真を撮ろうとスマホを構えるうちに

消えてしまいました。

 

 

こういうお天気雨のことを

「狐の嫁入り」と言うそうですね。

 

 

人っ子ひとりいない神社での

ロードミラーの中の虹も

境内にかかった白い光のカーテンも

 

本当にあっという間の出来事で

まさに狐につままれたみたいでした。

 

 

日常の中にも

ちょっとしたご褒美のような

瞬間があるものですね。

 

 

 

このところ、疲れが積み重なり

体はどんより重くてしんどいのですが

 

不思議と、以前のように

体調に引っ張られて

落ち込むことが少なくなりました。

 

 

「こうしたい」

と思うことの半分もできずに

1日が終わってしまうことも多いけど

 

「まあ、仕方ないか…」と

あきらめが早くなって

 

「できない自分」を

あまり責めなくなりました。

 

 

 

1日、1週間、1か月・・・という

短いスパンではなく

 

やりたいことは

一生かけてやればいいし

 

もし、できなかったとしても

それが私の人生なのだろうと。

 

 

 

生きている間に

できることをできる分だけ。

 

 

そう考えたら、毎日が

少し楽になったような気がします。