ソウル近郊のりもの巡り その9 バスに乗って地方都市へ | せき@息抜きブログ

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交通・まちあるき・まちづくり的な独り言を、時折ボソっと。
最近は介護ネタも出てくるかも。

さて、すごく間が開いてしまいましたが、昨年11月の韓国交通見てあるきツアー、ご報告がまだ終わってませんでした…。ということで、今更ながら続きをば。

さて平日朝の通勤電車事情を見た私たちは、改めて電車に乗ってソウル市南方の拠点都市である水原市へ。ここは京畿道(日本でいう県に相当)の本庁所在地で、人口規模もかなりの都市。駅も立派で、構内には道庁の出張所「民願窓口」もあります(これの列車版が「民願電鉄」ですね)。



駅前には、これまた立派なバスターミナルが出来つつあります。乗り場が色々と分散していて、少々分かりづらいのですが…





駅前はちょうど盆唐線の地下駅の工事の仕上げ中&周辺が庶民的(というかかなり雑多)な市街地っぽく雑多な雰囲気ですが、バスターミナルはすっきりしたデザインで近代的。どうせなら市街も見てみたいのですが、時間がないので66番のバスを探して乗車。丘陵に分け入り、龍仁市を目指します。




バスは京畿道G-bus標準様式で、経路表示モニターも、もちろん設置されています。バスは水原市の新興市街地を抜け、郊外の少々ハイソなエリアを抜け、龍仁市へと爆走します。京釜高速道路が見えてきたら、もう龍仁市域、器興駅前で下車し、乗り換えます。





龍仁軽電鉄は、ソウル都市圏南郊の龍仁市域を走る中量軌道で、ボンバルディアの鉄輪式リニア駆動LRVを採用しています。車両はかなり大ぶりで、ワイドボディに17~8mクラスと思われる車長。前日に見た議政府軽電鉄と比べると格段に大きな規格です。さぞかし輸送量もあるのか…と思えば、駅はまさしく字の如く「閑散」としており、車両にも人影はほとんどありません。鉄輪式ですので高速走行可能というのが特徴のはずですが、走り出してもさほどのスピードは出ず、並行するバスと大差ない状態(韓国のバスが飛ばし過ぎているということもありますが…)。暫くは団地群を縫うように走り、緑の濃い丘陵を超えたら龍仁市の旧市街に近づきます。




龍仁市街を通り抜けると川沿いに平地が拡がり、農地と旧集落と高層アパートが交互に現れるような車窓になり、程なくして終点の前垈・エバーランド駅に到着。韓国最大の遊園地「エバーランド」の最寄駅で、ここでは観光バスや一般車からの利用者も含め、エバーランドへシャトルバスで継送する体制が整えられています。駐車場には平日にも関わらず多数のクルマがあり、ボルボの大型バスを使ったシャトル便も満員御礼。なかなか壮観です。




シャトルバスの乗り場を挟んで向こう側には、路線バスのターミナルも併設されています。

 

アーリーアメリカン調のバス発券所兼乗務員休憩所?があり、ターミナルに乗り入れるバス各系統の経路図が掲示されています。韓国では最近よく見かける設備ですね。その先は、バスプール&乗り場。ここから龍仁市街を縦断し水原駅まで向かう長距離一般路線も発着(しかも10分以下の間隔で運行)。その他ソウル市内各所への広域バスなども発着し、それなりのターミナル機能を有しています。平日昼間なので少々寂しい状況ですが、休日は賑わうのかな?

さて昼時もかなり過ぎ、空腹もそろそろ限界ということで66番のバスに乗り龍仁市街へ向かうことにしました。始発なので着席でき、快適なバス移動…かと思いきや、いきなりかなり狭い街路に入り込み「をを!韓国の狭隘路線!!」と興奮するも束の間、やはりここは韓国、すぐに立派な6車線道路に化けました。バス停も「ポールすらない(手を挙げたら停まる)」から、一気にこんな立派なシェルター付きに…



しかし韓国のバスは、ここ数年~十年とかの間に、大きく改善が進んだようですね。かなりの郊外でもシェルター&バス接近表示モニターは常識になりつつあり、シェルターのないバス停でも自立型の接近表示機が建てられたりしています。そんなこんなを見ているうちにバスは龍仁旧市街に到着。商店街を歩きながら適当な食堂を探し、入ります。




選んだのは、カルグクス(韓国オリジナルの麺料理)。あさりや煮干し(もしくは鶏肉など)で出汁を取ったスープに平打ち麺が入ったもので、辛くなく食べやすい料理です。さすがに麺だけでは物足りないので「トンカス」も注文。日本のトンカツが韓国で訛りトンカスと呼ばれるようになったもので、一時は薄い肉に雑な衣を付けただけの代物でしたが、最近のトンカスは日本と同様の食感になってきているようで、意外と美味しかったです(苦笑)。

さて腹も満たされたことですし、改めて乗りバスの旅を再開しましたが、それはまた別稿にて。

(つづく)