更新が遅れまくっておりますが、3月の訪韓の報告、まだ続いています(苦笑)。
さてKTXで釜山へ着いた私たち、ホテルへチェックインしに行った同行者を待つべく、駅のコンコースでコンビニキンパを食べたりしながら暫し滞在。
しかし約束の時間が近づいてもホテルへ向かった同行者が現れず、その後乗る予定だった列車が毎時1本程度しかないので「メール入れといたらいいか」ということで我々は先に行動開始。この判断が誤りだったのですが(苦笑)。
1区間だけムグンファ号に乗って、郊外の拠点となっている亀浦駅へ出ます。
ここは地下鉄3号線も経由するので乗換ターミナル的な機能もあり、多くの列車が停車します。駅構内の雰囲気は都市近郊私鉄の中間駅のようですが、ホームが欧州の列車規格なので若干の違和感。
KORAILと地下鉄の駅は、広場を挟んで向かい合う形になっていて、地下鉄は幹線道路沿いの高架を走っています。駅前広場と地下鉄を結ぶデッキから見ると、線路の先には高層アパート群が。韓国らしい光景です。
デッキから反対側を見ると、これはまた広々とした景色。駅はちょうど洛東江と道路の間にあり、川側には展望デッキが。そこで行き来する地下鉄やクルマを見ながら、置き去りにしてきた同行者へ連絡を入れるのですが、つながらない。全然つながらない。電話もメールもダメで、SNSへの反応もない。どうした?どうした?と不安になっていたらようやくSNSで連絡が付き、この先の軽電鉄で落ち合うことに。ホッとして、移動開始。
釜山の地下鉄には初乗車。ソウルの電車よりは小ぶりで、ちょうど日本の関西私鉄に近いサイズ感覚。内装は韓国テイストですが。ドア上部に示された路線図、スケールを守った地図形式のものがあるのが地味に便利。そうこうしていたら大渚駅に到着、ここで乗り換えです。
日本のそれに近いデザインの自動改札が設置されたコンコースを経て乗り換え先のホームへ上がるのですが、こちらの路線はトークン(専用コイン)式なので自動改札の出口側にはトークンの投入口があります。紙のきっぷに見慣れた日本人には新鮮です。
ホームへ上がり、ホームドア越しに軌道を見れば、やって来ました小ぶりな「電車」が。
この路線は釜山金海軽電鉄と呼ばれる、いわゆる新交通システムに近いもの。日本規格とは異なり鉄車輪をと鉄レールを使っていて、いわゆるLRTにも近いのですが全線高架で自動運転なので、新交通の一種です。鉄輪式というのが世界的にも珍しく、日本の電気機器メーカーが協力していますが一応は「韓国オリジナル規格」で、当路線は長大橋梁もあるので本来は鉄レール式は不向きだと思うのですが、政府の意向もあって採用された様子。
そんなことをあれこれ思いながら待っていると、ようやく釜山駅で離別した同行者と再合流。聞けば海外通話が可能な携帯電話ではなく、SNSもWi-Fiの関係で暫く使えず、連絡手段が一時完全に途絶していたとのこと。海外で「別行動」する際は、きっちり確認を取るべきでした。勝手な行動をしてしまったワタシを反省…
ということで、全員揃ったので列車に乗ります。これに乗るために釜山までやってきたのです(苦笑)。
車両は小ぶりながらも議政府軽電鉄とは違って座席はきっちり配置され、通路幅もそれなりに取れています。無人運転前提なので運転台は設けられておらず(簡易運転台はあるようですが運転席はナシ)、日中なら正面展望もしっかり楽しめそう。
乗り心地は、これまた議政府軽電鉄と違って「まったり」しています。加減速はそれなりに早いもののスタート・ストップ時は緩やかで、この辺りに日本の風味が感じられます(議政府軽電鉄はドカンと加速しギュっと停まる)。良くも悪くも「日本の電車」ですね(苦笑)。
キョロキョロしながら乗っていて、気が付けば終点の沙上駅。ここで改めて地下鉄に乗り換え、釜山駅に戻ります。
釜山の地下鉄は多言語案内が整っており、ほとんどの案内看板に日本語表記があります。ソウルでは漢字表記は「漢字世代の韓国人向け」が多く、日本人や中国人向けが意外と少なかったりするのですが釜山の地下鉄は「日本語を辿って移動できる」状態。放送も日本語があり、なんか外国なのかどうか分からなくなる瞬間もあったり(笑)。
地下鉄2号線~1号線と乗り換え、釜山駅へと戻ります。こちらの電車は大阪市営地下鉄とほぼ同サイズで、ソウル都市圏ではほとんど無かった中吊り広告があったりと関西人の私には馴染みやすい電車。とはいえ吊革がスプリング支持だったりして異国っぽさはそこかしこにありますが。
異国っぽいと言えば、巨大な券売機とターンバー式の自動改札。ターンバーはともかく、券売機は何でこう巨大なんでしょうね…。出てくるキップは小さいのに…
キップは日本の都市鉄道とほぼ同サイズで、上部にローラー印字されたっぽいのが発売運賃額。裏の中央部に細い磁気ストライプがあり、自動改札ではそこを読み取るので裏返して自動改札へ入れるとエラーになるようです。
さて釜山駅へ戻ってきたのは、列車に乗るためではなく食事のため(帰路は別の駅から列車に乗ります)。
駅横の路地を少し入ったトコロに美味いと評判の店があるようで、そこを目指します。
目指すお店はすぐ見つかり、早速釜山名物の「テジクッパ」を注文。テジは豚、クッパは汁かけ飯の意で、豚骨スープとご飯の定食みたいなもの。クッパなのでスープにご飯を入れて食べるのが多いようですが、そこはお好みで。豚骨特有の臭みがほとんどなく、これは美味かったです。茹で肉も結構入っていて、食べ応えもあります。しかしせっかくなので、スユッ(茹で肉)の盛り合わせも追加し、軽く酒宴。美味しくいただきました。
食事を終え、釜山残留の一人と別れソウル帰還組の二人は地下鉄に乗ってもうひとつの列車ターミナル駅「釜田駅」へ向かいます。
地下鉄を降り、電気の消えた雑多な市場街を抜けると、これまたターミナル駅とは思えない佇まいの駅舎が。ここから夜行列車でソウル駅に戻ります。釜田駅、コンコースはそれなりに広いものの小さな売店がひとつあるだけで寂しい限り。ホームへ降りると、アメリカンなディーゼル機関車がお出迎え。暫くホームで車両見学などしながら、ソウルは清涼里駅までの夜行列車に乗り込みます。
車両は日本の特急型電車と同等の居住性で、ガラ空きだったこともありゆったり座り、客車らしい静かな走りと車窓を流れる街灯りを眺めていたら速攻で寝落ち。気が付けば朝でした…
(まだつづく)