雨がふっている。五月最後の日。
激しい雨や風が突然来ることがずいぶんと多い五月だったような気がする。
でも、木や草は緑を深め、生き生きとしています。
2024年5月の俳句をまとめました。
日付をクリックすると該当の俳句が聞けます。
5/1 子の髪の風に流るる五月来ぬ 大野林火
5/2 五月来る頭に乗せしベレー帽 桂信子
5/3 集会に行けねど憲法記念の日 黒田杏子
5/4 行春の闇むらさきと思ふのみ 上田五千石
5/5 こどもの日小さくなりし靴いくつ 林翔
5/6 どうやらあるけて見あげる雲が初夏 種田山頭火
5/7 愁ひつつ岡にのぼれば花いばら 与謝蕪村
5/8 芍薬の一ト夜のつぼみほぐれけり 久保田万太郎
5/9 初夏の山立ちめぐり四方に風 水原秋桜子
5/10 はつなつの手紙をひらく楓樹下 田中裕明
5/11 とぶ影の樹々にあたりて揚羽蝶 山口誓子
5/12 亡き母の指ぬき太き母の日よ 岡本眸
5/13 初夏や憂き出来事もいつか過去 高木晴子
5/14 よりそひて静かなるかなかきつばた 高浜虚子
5/15 とぶことのゆるくて大き揚羽蝶 日野草城
5/16 緑蔭に憩ふは遠く行かんため 山口波津女
5/17 緑蔭に染まるばかりに歩くなり 星野立子
5/18 夏鶯さうかさうかと聞いて遣る 飯島晴子
5/19 老木の緑蔭のいとこまやかに 富安風生
5/20 山百合が目覚めといふをくれにけり 細見綾子
5/21 鉄線の花さき入るや窓の穴 芥川龍之介
5/22 古日傘われからひとを捨てしかな 稲垣きくの
5/23 手にとれば月の雫や夏帽子 泉鏡花
5/24 先生はふるさとの山風薫る 日野草城
5/25 わが夏帽どこまで転べども故郷 寺山修司
5/26 風の香も南に近し最上川 松尾芭蕉
5/27 くもの糸一すぢよぎる百合の前 高野素十
5/28 縁側に亡きひと思ふ走り梅雨 桂信子
5/29 校門に山が集まり梅雨兆す 広瀬直人
5/30 中年の艶めき過ぎぬ碧揚羽 三橋鷹女
5/31 夜は明くる五月つごもりほととぎす 山口青邨
六月がきます。
また、ひとつ年を重ねる月です。
庭の紫陽花はもう咲き始めています。