いつも以上に心落ち着かぬ年の瀬を過ごしていて、気がついたら大晦日でした。

 

今年も「耳で聞く俳句」を見てくださった方、聞いてくださった方、コメントくださった方、本当にありがとうございますドキドキ

 

2023年12月の俳句、まとめました。

日付をクリックすると該当の俳句が聞けます。

 

12/1 とく起きて師走のこころさだまりぬ 黒田杏子

12/2 カレンダー一遍上人十二月 星野立子
12/3 めつむりてひげそられをり十二月 西東三鬼
12/4 十二月こちらの本をあちらへ積み 桂信子
12/5 つたなさの寒さにつれてまさりけり 夏目成美
12/6 しやがむとき女やさしき冬菫 上田五千石
12/7 ひたすらに飛べるときあり冬の雲 波多野爽波
12/8 十二月八日の記憶無しとせず 相生垣瓜人
12/9 生きてあれ冬の北斗の柄の下に 加藤楸邨
12/10 雲動いても動いても冬の雲 稲畑汀子
12/11 ゆきふるといひしばかりの人しづか 室生犀星
12/12 冬雲の大きしじまに歩み入る 古沢太穂
12/13 ストーブの明るくなりて椅子の影 山口青邨
12/14 冬の山動くものなく径通ず 村越化石
12/15 その日まで逢ふ日まで風邪ひかぬこと 黒田杏子
12/16 かもめ来よ天金の書をひらくたび 三橋敏雄
12/17 冬雲の行方を誰が知りませう 三橋鷹女
12/18 寒鯉や見られてしまい発狂す 鈴木六林男
12/19 あはあはと心の翳と冬の雲 富安風生
12/20 冬の雲割れて青空しばしあり 細見綾子
12/21 地の涯に倖せありと来しが 細谷源二
12/22 柚子湯してあしたのことは考へず 黒田杏子
12/23 むまさうながふうはりふはりかな 小林一茶
12/24 胡桃など割つてひとりゐクリスマス 山口青邨
12/25 この出逢ひこそクリスマスプレゼント 稲畑汀子
12/26 数へ日となりておのれに親しめる 森澄雄
12/27 数へ日の月あたゝかき夜なりけり 久保田万太郎
12/28 いつになくこころしづかに年忘れ 田中裕明
12/29 歳晩の灯も華やかに美容院 吉屋信子
12/30 ゆく年のどの星となく慕はしく 黒田杏子
12/31 大晦日定めなき世の定めかな 井原西鶴

 

 
 
俳句の師である黒田杏子先生が3月に亡くなられた2023年。
7月で藍生俳句会は終刊となり、9月には偲ぶ会がおごそかにおこなわれました。
 
 
 これから俳句にどのように向き合っていくのか
 
 

杏子先生がもうこの世にいないということが信じられなくて、ただ呆然とし、日々の雑事にあけくれて、作句をさぼる日が続きました。

 
 
でも、かろうじてこの一日一句だけは続けていました。
 
 
 俳句の杖を手放したくない
 
 
それはやはり、心の杖だと思う。
 
 
黒田杏子先生師系のいぶき俳句会には以前から所属しておりましたが、2024年からは黒田杏子先生の志を継ぎつつも、新たに発足された髙田正子氏主宰の青麗俳句会にも所属することを決めました。
 
自分の仕事や心身の状態を考えると、どちらの俳句会も、当分投句するだけの参加になってしまうと思いますが、でも、細々とでも俳句を作り続けたいと思います。
 
 命を書きたい。命を書くようになると、命を守りたくなる。つまり、戦争なんていう大量殺りくには反対するようになるんです。甘っちょろいと言われるかもしれない。だけど、それが戦争への対抗力になる。そう考えています。
ー「あの言葉 金子兜太さん」(2009年8月7日東京新聞夕刊)
 

もちろん、この「耳で聞く俳句《一日一句》」も続けていきます。
 
みなさま、どうぞよいお年を。
そして、2024年もよろしくお願いいたします。
 
 

 

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