ごほうび ――朝日俳壇から―― | ことのは学舎通信 ---朝霞台の小さな国語教室から---

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考える力・伝える力を育てる国語教室 ことのは学舎 の教室から、授業の様子、日々考えたこと、感じたことなどをつづっていきます。読んで下さる保護者の方に、お子様の国語力向上の助けとなる情報をご提供できたらと思っております。

 日曜日は、朝日歌壇俳壇である。

 今日は俳壇の、かとうゆみさんの句が印象に残った。

 長谷川櫂氏選第9席、高山れおな氏選第3席、重選である。

 

ごほうびの葉書十枚小鳥来る (成田市 かとうゆみ)

 

 高山れおな氏が【評】に書いている。

 「かとうさん。「ごほうび」とは佳い言葉。季語も適切。」

 

 朝日歌壇俳壇に入選すると、葉書が10枚送られてくる。

 その送付状には、このように書かれている。

 

 同封の葉書は掲載謝礼の代わりです。今後の投稿にお使いください。

 

 「謝礼」と言われると面はゆい。

 感謝されるようなことは、わたしは何もしていない。

 選んでいただいて、掲載していただいて、こちらが感謝している。

 ボツでも、選者の先生に読んでいただけるだけでありがたいことである。

 謝礼を送らなければならないのは、わたしのほうである。

 

 高山れおな氏が言う通り、「ごほうび」とは佳い言葉である。

 「賞品」というと、自分の力で獲得した感が出る。

 送られてくる葉書は、朝日新聞社からの御厚意でいただく「ごほうび」である。

 これからはわたしも、「ごほうび」と思っていただくことにしよう。

 大人になると、「ごほうび」をもらう機会はめったにないから、嬉しい。

 

 朝日歌壇ネット投稿を受け付けるようになってから、「ごほうび」図書カードになった。

 図書カードは、「ごほうび」に一段とふささしい。

 本を読んでしっかり勉強しなさい、という叱咤がこもっている。

 たくさん「ごほうび」がもらえるよう、勉強してよい歌を詠もうと思う。

 

 高山れおな氏の【評】には、「季語も適切」とある。

 たしかに、「ごほうびの葉書十枚」「小鳥来る」という季語の取り合わせは、絶妙である。

 図書カード500円分は、どんな季語と取り合わせればよいだろうか。