金よりも人を、物より心を大切にすること。
偉い人より、立派な人になれ。
これは、日本がまだ戦時中、大祖父が祖父に言った言葉だ。
情報過多の現代で、僕らは日々色んなものに囲まれて生きている。
多くのものを失った大戦時よりも、
はるかに物質的に豊かに暮らしている。
けれど、心の豊かさはどうだろう。
日常の豊かさにどれだけ気づけているだろうか。
物質的なものはお金で買える。
お金があれば豊かさを得れる。
これは事実であり、
それを求めるのは人間の本質である。
それを自体を否定するわけではないが、
故に終わりがないものでもある。
大事なのは、何によって満たされるのかを知る、
ということだと思う。
これだけ多くのものに囲まれているからこそ、見えなくなったものもあるのではないのだろうか。
僕らが生きる今の日本は、何でも揃っていて、
何でもできる世の中だと思う。
けれど、自由だろうか。
どれだけの人が自由に生きているだろう。
他人の顔色を伺って、右へ倣えで生きる道に自由もなければ、真の豊かさはない。
あなたは何を求め今を生きているだろう。
外界と自分を切り離した時、
本当の自分が浮かび上がる。
それこそ、僕ら一人ひとりが薪をくべるべき燈だと思う。
それが個性であり、魅力であり、豊かさを育む土壌に注ぐ光である。
あなたは何を持っているか。
そこにどんな種を蒔き、何を育てたいのか。
一人が一生の間で育てられるものには限りがある。だから、それを補う他者との関わりの中でしか僕らは生きていけない。
その意味で、何を持っていないか
ということも大事なのだろう。
多くを求めるのではなく、
足るを知ることこそ、
僕らが僕ららしく生きていくために
必要なことなのではないだろうか。
そして、
それを知ることが
生きるということなのではないだろうか。
だからこそ僕は、
日常の中にささやかな幸せを感じる心と
僕に足りないものを補ってくれている周りの人を
大切に生きていきたい。
強く、優しく、美しくありたい。
会うことのできぬ大祖父が
次の世代へ送った言葉のように
僕も生きたい。