さらば愛しき人よ
1987年9月12日公開
ヤクザという非情な世界に生きる男が、ある日、幼なじみの女と出会った……。甦った思い出と再燃した《愛》を抱きかかえて、男はバイオレンスの闇を突きすすむ。
あらすじ🔫
修史 は標的を待っていた。やがて、闘竜会の会長・木内剛三 が、愛人のアパートから現われる。修史の銃が一瞬にしてボディガードを倒し、木内に向けられる。懸命に命乞いする木内。とどめを刺さず、修史は銃をしまい、弟分・哲夫 の車で去る。早坂修史は暴力団大東連合の若手幹部だ。会長の新田 は修史に目をかけているが、闘竜会との和平工作をすすめる兄貴分の加東は、彼をけむたがっていた。そんな折、都心の一流ホテルで、新田の娘の結婚披露宴が行なわれた。そこで修史は、ひとりのメイドに声をかけられた。女の名は海老沢ひとみ 。幼ななじみの、忘れえぬ女性だ。心に反し、修史は「人違いです」と答え、その場を去る。その後、闘竜会の報復をかわすため、修史は愛人のホステス・由美子 のマンションに身を寄せる。しかし、10年ぶりの再会に心揺れる修史の足は、いつしかひとみのもとへ向かっていた。早朝まで語り明かす二人は、木内の弟・義政 の雇ったヒットマン・間柴 がつけ狙っていることを知らなかった。突然の銃声。一命をとりとめたものの、ひとみは脳内出血のため、視力を失った。由美子も間柴の拷問から逃れるため自ら命を断った。押えに押えていた激情が、修史を包み込む。「なさけはおまえ、義理は由美子」－－ひとみの寝顔に語りかけ、夜明けの街に出る修史。哲夫と二人、向かうは大東連合と闘竜会合体の発会式場。そこには修史の身を案じたひとみの姿もあった。修史の銃が、義政を、間柴を、木内を、次々と倒していく中、哲夫が命を落とした。激しい銃撃戦の果て－－なつかしい少年の日々に別れを告げる修史とひとみの姿があった。
監督・脚本: 原田真人
原作: 西岡琢也
製作:奥山和由、周防郁雄
プロデューサー:茂庭喜徳
撮影: 藤沢順一
【キャスト】
郷ひろみ、石原真理子、木村一八、佐藤浩市、南條玲子、嶋大輔、松金よね子、大竹まこと、高品格、安岡力也、余貴美子、内藤陳、柄本明、笹野高史、大地康雄、景山民夫、原田芳雄、内田裕也