これまで扁桃体の活動を抑制すると睡眠改善ができるかもしれませんという一つの仮説を紹介し、その手法として心地よい香りを嗅ぐということを紹介してきました。

 

 

精神疾患の分野では実は他の方法が研究分野として注目されています。

それは前頭葉の機能低下により扁桃体機能を抑制できなくなるという考えです。

 

【引用】前頭前野は、脳の前方に広がる領域で、理性や論理的思考を行う場所。ここが扁桃体にブレーキをかける。ヘビの例でいうと、動物園でヘビを見た場合は、山の中で遭遇したときほど恐怖を感じないだろう。これは前頭前野が「動物園だから安全」と状況判断して、自動的に扁桃体を抑えているためだ。【引用ここまで】

 

前頭葉の機能低下、実は多くの中枢性疾患で起こっていることが知られています。

 

前頭葉の機能を上げようとする薬の開発が一時期活発に行われていましたが多くは臨床試験に失敗し、現在医薬品開発している製薬会社は非常に少なくなってしまいました。。。。

 

前頭葉の働きは先にも出てきましたが『理性や論理的思考を行う場所』です。

ここは賛否両論ありますが、訓練で鍛えられる可能性があります。

 

 

 

 

認知機能訓練で睡眠が改善されるという話はあまり聞きませんが、前頭葉が扁桃体の機能にブレーキをかける重要な場所であることを考えると、中枢性疾患で前頭葉の機能が低下した患者さんが、トレーニングにより前頭葉機能が向上した場合、扁桃体機能をコントロールできるようになり、中長期的には睡眠が改善される可能性はあるかもしれないなと思います。

 

睡眠って科学的にはまだまだわからないことばかりです。

睡眠薬はそれほど効果は高くないことはこれまでもブログに書いてまいりました。不眠の原因がわからない現状では画期的な薬の開発も今のところ期待できないと思われます。

 

 

確実に治療できる手段がない現状では、自分が納得できる仮説に基づいて、できることから始めてみるというのも大事だと思っています。

生活習慣の見直しや、リラックスできる香りを嗅いでみること、前頭葉機能をあげるためにトレーニングしてみること、試してみませんか?