家の経済状況に負けなかったヒーロー  事例 | kotodamaの心理カウンセラーのブログ

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 彼の家は、父親もいるのですが経済的に厳しいご家庭でした。埼玉県では、中学3年の4月から毎月のように北辰テストと言う数字が出るテストを約4500円払い、ほとんどの受験生は受けます。なぜなら私立高校はそのテストで出てくる数字を目安にするのです。内申書(通知表)は、学校内や地域格差もあるからです。


 彼は、入試までの間、一度も受けませんでした。何故なら、私立高校を受けさせてもらえ無かったからです。公立一本。落ちたら、働いて定時制の高校へ行くということでした。彼は、野球部に入っていて高校でも、続けたいと言い、彼の志望校は野球が盛んな高校でした。レベル的に、厳しい成績でした。中学校の先生も、県内の公立の下位の高校を勧めました。何度も、彼が行きたい高校を、反対され学校の三者面談を受けたくないとまで言い始めました。お母さんからも、学校の先生になんて言ったらいいのかと、何度も電話がありました。私は、親子に「志望校は変えないと、言い続けてください」と伝えました。必ず落ちるから、変えろと言われたとのことでした。学校の先生も、万が一で中学浪人が出ないようにしたいのだと想いますし、就職の厳ししさも知っているからだと想います。


 彼は悔しいと言い、そこから彼と私の、「学校の先生見返し作戦」が始まりました。塾の授業料もそんなに払えないと母が言い、それでも何とか通わせてくれていたのです。一般的に公立だと5教科必要なところ、2教科分の授業料しか払えないというのです。私のスイッチが入りました。やれるだけのことはやる。その頃の私は、4教室の統轄をしていたので、運営も任されていました。2教科分の授業料で、カリキュラムを組み、毎日塾に来させました。「わからないところは、付箋を貼れ、空いてる講師を捕まえて質問しろ」勿論講師たちにも、事情は話してありました。彼のやる気を、最後まで信じ、そして、ダメだったら全力でサポートし続けようと想っていました。


 わからないところが減り、彼の顔つきも変わり自信にあふれてきました。わずか4か月間の出来事です。

入試の日、そんな彼の応援、私は行かないわけありません。校門で彼を待ち、「頑張れよ。最後まであきらめない。なんか書け!」そう笑って見送りました。万が一のことは考えませんでした。


 発表の日。電話が鳴りました。彼「合格しました」私「よし、やったね。おめでとう」他にもたくさんの生徒対応があるので、余韻にも浸れず、毎年ですが合否に一喜一憂なのです。


 私が言いたいこと。子供の力を心から信じ、支え続けること。


ではまた👋